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6月の雨の中
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ぽつんと旋毛に落ちてきた冷たい雨粒に、
後木 真央
は頭を振った。
てるてる坊主を連想させる、ビタミンカラーの雨合羽を着込むと、くるくるとよく動く瞳で辺りを見回す。
行き交う人々は、傍に居る人と手を繋いでいる。
「何で手を繋ぎたくなるのだ? でもちょっと幸せぽくって良いのだ」
中には戸惑っている人も、居るようだけれど。
「真央ちゃん、いいこと思いついちゃったのだ。マダムちゃんと薫ちゃんにも、教えてあげるのだ」
思いついたら、即実行。真央はお店に入ると、一筆箋とミニ花束を購入する。
「修ちゃんにも、知らせるのだ」
にんまり笑うと、お次は携帯を取り出して友人の
八神 修
にメールを送信した。
携帯をポッケに仕舞うと、真央は早くも出来始めた水溜りもなんのその。
シューズで軽く飛び越えると、両腕を広げて降ってくる雨を受け止める。
「
セブン
も
セブンを真似した人
も、みんな今日外を歩いてるといいのだ。誰かと優しく手を繋げたら、きっとあんなことしたくなくなるのだ」
●
千鳥 雅人
は買い物の帰り道、突然の雨に見舞われた。
けれど、備えあれば憂いなし。梅雨の季節で、念のため傘を持っていたから、安心だけれど。
傘を開いて、鼻歌を歌いながら家路につけば、雅人の紡ぐメロディに合わせて、彼の感情の起伏に同調する髪のひと房が頭で揺れる。
雅人が寝子島図書館の前を通りがかった時。
見知った少女が空を見上げて、戸惑っている様子が目に入った。友人の、
白柳 さえ
だった。
「さえちゃん、こんな所でどうしたのー?」
「あれ、雅人くん?」
人懐こい雅人の笑みに驚きつつ、さえは彼が手から下げたスーパーの買い物袋に目を止める。
「そっかぁ、雅人くんはお買い物の帰りなんだね! 私は本を借りに来たんだけど、急に雨が降ってきちゃって……」
もう一度、さえは灰色の雲を見上げる。
降り出したばかりの雨は、勢いこそ大した事はないが、止むにはまだ時間がかかりそうだ。
「来てすぐに帰るつもりだったから、折りたたみ傘も家に置いてきちゃって。仕方なく雨宿りなの」
さえの言うように、雨の中 無理に帰れば、いくらしっかりと抱えていたところで、借りた本を濡らしてしまうだろう。
並んで空を見上げた雅人は納得して頷くと、自分の傘に さえを招いた。
「それなら家まで送ってあげるから、一緒の傘に入ろっ!」
にぱっと口角を上げる雅人に、さえは再び戸惑った。
「ええっ!? 送ってくって、でも……」
雅人の横の空間に目を落とし、そこに立つ自分の姿を想像する。
それって相合傘……だよね?
歳相応の恥じらいを見せる さえに、雅人は分かっているのかいないのか、更に勧めた。
「遠慮しなくていいよ! まだ降り始めたばっかりだし、いつ止むかわかんないからね」
下心などカケラもない好意を見せる雅人の誘いは、断るのも無粋に思われて。
さえも、とうとう折れた。
「うう……じゃあ、お言葉に甘えて……」
本をしっかりと抱えなおし、言われるままに さえは雅人の傘の隣に入る。
さえの実家である定食屋の方角へ、歩き始めた時。
互いの掌に感じた、違和感。
(あ、あれ? 私、いつの間に雅人くんと手を繋いで……!?)
(……あれ、俺いつの間にか、さえちゃんの手握ってる?)
雅人の髪が、エクスクラメーションマークを形作り。
訪れた一寸の静寂を破ったのは、さえの悲鳴。
「きゃあ!」
ぬかるみに足を取られてつまづき、さえが転倒しそうになる。
「さえちゃん!?」
気がついたら、雅人は傘も荷物も放り出して、さえを抱きとめていた。
傘がカラカラと転がり、買い物袋から一斉に荷物が転がりだす。
「大丈夫? さえちゃん」
(わわわ、わたし、雅人くんに抱きとめられてる……!?)
雨がさあさあと、二人の体に降り注ぐ。
「本、濡れてない?」
「あ!」
雅人に指摘され、さえは慌てて本を庇うように、胸に抱きしめる。半ばパニックになる彼女の横で、雅人は傘を拾い上げて差し掛けると、散らばった品物を買い物袋に一つ一つ拾い集める。
「ごめんねごめんね、私のせいで……!」
「気にしないで、それより……」
恥ずかしさと申し訳なさで、いたたまれなくて俯くさえ。雅人はむしろ、そんな彼女を気遣う。
「怪我がなくて良かったけど、ごめん、濡れちゃったね」
むー、と逡巡した後、雅人は提案する。
「ここなら俺の家の方が近いかな? 濡れたままだと、風邪引いちゃうから……えっと、うちに寄っていかない? タオル貸すよー」
「え、でもそれじゃあ悪いよ……!」
「いいからいいから! 今日ね、実はお菓子の材料を、買ってたんだ。作るから、一緒に食べよう? 俺、一人で食べるんじゃ寂しいと思ってたんだ」
今度は自分から、さえの手を取って、雨の中 雅人は半ば強引に道を急ぐ。
(本人には言わないけど、さえちゃん、なんだか見てて危なっかしいんだよねぇ。傍に居て、助けてあげないと……うん)
雅人の小さな決心はよそに、部屋に招かれた さえは、タオルとドライヤーを借りて、濡れた髪を乾かして。
そして手際よく作られたお菓子と紅茶を、ご馳走になる事に。
親元を離れて暮らす雅人は、自炊しているだけあって、料理の腕前はなかなかのものだ。
「美味しい!」
「えへへ、本当? 良かった、たくさんあるからいっぱい食べてね!」
バニラエッセンスがふんわりと香り、さえはため息を付く。
(はぁ。雅人くんには、迷惑かけてばっかりだなぁ……)
雅人から貰った優しさが、返せないまま積み上がっていると感じていた。
(お詫びに何かプレゼントとか、出来たらいいな)
変わらず人好きのする笑みを浮かべる雅人に、これは さえの小さな決心。
雨降りの二人だけの午後は、ただ静かに流れていく。
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担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月28日
参加申し込みの期限
2013年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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