【中間テスト】雛鶴先生の勉強会｜リアクション

【中間テスト】雛鶴先生の勉強会

☆勉強開始

　小萩は、きちんとわからないことを聞こうと気合いを入れていました。
　まず情報の教科書を読み……
「雛鶴先生！　こことこことここがわかりません！」
「ええと……マウスの何がわからないのかしら？」　
「まうすって何ですか？　これがまうすですか！」
　とても基礎的なところからの質問でした。
「……そうよ、これがマウス。これを動かすことで、画面上のカーソルを動かすことができるの」
「カーソルって何ですか？　……どうしてこれを動かすと画面の中のものが動くんですか？」
「ええと……カーソルはこれなんだけど、そうねえ……」
　小萩の斜め上の質問にさゆり先生はたじたじです。

「野々さんの前回の期末試験は英語と社会が低めだったし基礎からじっくりと先生達に助言してもらおう」
　英二は問題集を広げ、ののこに示しました。
「う～、どこがわからないかって言われても、わかんないよ」
　早くも頭を抱えるののこですが、英二はウォルター先生に解説を頼みます。
「そうだね、基本的なところからいこう。まずはここ読んでみて」
「えーと……」　

　柚春は、傍らにカプセルギアのворを座らせながら教科書を広げます。
　お気に入りのворとはぬい活のように一緒に過ごしているのでした。
（転校先の授業速度が学校ごとに全く違うから、転入してきたときは調整の自宅学習で学校に来れなかったけど、最近はなんとか追いつけてるはず。
だから見落としがありそうで少し心配だけど……もはやどこが見落としてるかわからないな）

　修はあおいの隣に座っていました。
「いつもと違うね」
「そうだね」
　というのは、図書室等では大抵対面に座っているからです。
「修君、わからないところがあるんだけど……」
「どれどれ」
　質問に答え、丁寧にコツを教える修。
「これは、先に設問を読んで目星を……」
「そうなんだ！　すごいね！　それと、この意図を答えなさいって問題なんだけど……」
「なるほど、これはちょっと難しいな」　
　一緒に真剣に悩んだ修は、手を上げて先生にも聞いてみることにした。
「ああ、これは難しいよねぇ」
　ウォルター先生は問題に目を通すと、少し考えて言いました。
「意図ってほんとは本人じゃないとわからないんだよねぇ。でも問題だから、意図されてると思しきことを答える。文章の中で、言い方を変えて繰り返し書かれているところなんかがそうだねぇ」
「なるほど、それでいいんですね」
「あ、それならここと、ここの部分がそうですよね？」　
　修は頷き、あおいも納得したようだ。

「あ、ところで本条、言いにくいんだけど……」
「え？　何ですか？　気にしないで言ってくださいなのですよ？」
　怒涛の質問攻めでさゆり先生を独占している小萩に、ウォルター先生は言いました。
「情報は今回の中間テストには出ないよ」
「「ええっ！　そうなんですか！」」
　小萩だけでなく、さゆり先生まで驚きの声を上げました。
「情報の勉強ももちろん大事だけど、他の教科の範囲もチェックしてねぇ」
「ごめんなさい、私もてっきりテストがあるものかと思っていたわ」　
「いえ！　疑問に思っていることが解決できてよかったのです！　鬼に金棒、小萩に情報です！」
　そう言いつつ、小萩は他の教科の勉強も始めることにしました。
　

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