なめこ・つちのこ・大戦争！｜リアクション

なめこ・つちのこ・大戦争！

●一時休戦という理由の終わり

　どちらかが勝つまで続くかと思われた激戦は、寝子島の助っ人の思わぬ戦力で予想外の戦力不足に陥った。
　このまま続けては、どっちが上かを確かめることはできない。
　そう判断した両軍は、仕切り直してなめこ・つちのこ戦争を再開するという結論に達した。
　戦争が終わったので、助っ人の４人は寝子島に戻った。
「あっけない終わり方やな」
　物足りんわ、と肩をすくめる鹿園斐美。
「どっちかが倒れるまでやるんじゃなかったのかよ……」
　思わぬ撤退に響蒼留人は呆れたが、島岡先生とぶつかり合いにならなくてよかったという安心感もあった。

　激しいぶつかり合いに耐えきれず倒れた佐和崎紗月と初瀬川理緒は、少しずつ体力が戻ってきた。
　ゆっくりと起き上がると、互いを見る。
「勝負はつかなかったわね、理緒ちゃん」
「そうね……」
　気まずい雰囲気になってきたので、２人は、それ以上、何も話さなかった。
「おふたりさん、暗い顔しなさんな。うちが今から美味いパフェ作ったるさかい」
　落ち込んでいる２人を励ますように、胸を叩いて斐美が言う。

　寝子島に戻ったので、斐美は公約通りにパフェを作る。
「できたで」
　完成したのは、なめこの山とつちのこの里を使い、フルーツアイスとソースをたっぷり合わせた特製パフェ。
「戦は終わったんや。これで山も里もノーサイド、やろ？」
　差し出されたパフェを見て、なめこ派の紗月、つちのこ愛な理緒はたしかに、と納得した。
　蒼留人が皆で食べようと言うので、４人揃っていただくことに。
「つちのこ、美味しいわ……」
「なめこの山も美味しいわ。今思うと私達、どうでもいいことでぶつかり合っていたのね……」
　寄り添うように食べている紗月と理緒は、互いが好きなお菓子の良さを確認した。
　愛し合う２人の勝負は、一時停戦という理由で終わったなめこ・つちのこ戦争と同じように終わった。

「あの２人、仲直りできたようやな」
　あっという間に完食した斐美は、まだ食べたいんやったら作るでと紗月達に声をかけた。
「いいの？　それじゃあ、大きいの作ってくれる？　理緒ちゃんと一緒に食べたいから」
「いいわね、それ。私も紗月と食べたいわ」
　華やいだ笑顔で作って！　と２人はお願いした。
「本当に、女は甘いものが好きなんだな」
　パフェに目を輝かせる女性陣を見て、蒼留人はまあ、いいかとパフェの追加を頼む。
　男は俺ひとりだけか、と思いつつ。

　なめこか、つちのこかという永遠の命題はどうなった？

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
定番のお菓子は、どっちが人気があるのか。美味しいのかで対立することがありますよね。

なめこ・つちのこ大戦争の場は、チョコレートの甘い匂いが漂っていたのではないでしょうか。
可愛らしい兵士・戦士とのぷにぷに大戦争、楽しかったです。
小さく、ゆるゆるでも戦力は本格的なのは侮りがたし……です。
戦いの結果ですが、甲乙つけがたいので引き分けとなりました。
なめこの山、つちのこの里。どちらも人気がありそうですので……。

大戦争に参戦してくださった皆様。
最後まで目を通してくださった方に楽しんでいただけたのであれば幸いです。

ありがとうございました。

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