なめこ・つちのこ・大戦争！｜リアクション

なめこ・つちのこ・大戦争！

●愛し合っていた２人、激突

　なめこの山好きな佐和崎紗月。
　つちのこの里愛が強い初瀬川理緒。
　紗月がなめこ戦車から降りるなり、２人は様々な思いを胸に秘めつつ一騎打ちを始めた。
　武器をなめこピストルに持ち替えた紗月は、理緒の足元めがけ発砲。
　その１発は、つま先すれすれ。足を撃たれていたらと思うと、理緒はゾッとした。
（銃を装備しているだけでも厄介なのに、正確な射撃だから手の出しようがないわ）
　迂闊に近づけないので、少しずつ後退する。
「理緒ちゃん、反撃しないの？」
　紗月は銃撃を続けるが、躊躇っているからなのか、理緒の身体のどこにも当たらない。
　なめこ銃は王国軍独特の形状だが、性能は現実世界に存在する銃と同じだ。
　そのため、狙いを定めて１発ずつ発砲していたが、紗月のなめこピストルは弾切れとなった。
「反撃しなかったのは、この時を待っていたからよ。私の全存在をかけて、今から本気で戦うわ！」
　それが礼儀と意気込み、理緒はつちのこソードで一気に攻め込む。

「同士を攻撃させん」
　２人の上空を飛行しているなめこ爆撃機が迎撃しようとしたが、つちのこチャリオットに乗った響蒼留人に阻まれた。
　爆撃機を墜落させる勢いで、なめこ銃を発砲する。
「性能は本物の銃なんだな」
　改めて兵器のすごさを確認する。
　なめこソルジャー達がつちのこチャリオットに突撃するが、なめこ銃で追撃させず。
「つちのこ戦士として負けるわけにはいかない」
　勝負に負けては男が廃ると蒼留人はつちのこチャリオットを前進させ、なめこ王国軍に突き進む。

　上空での攻撃が続くが、紗月と理緒の勝負は終わらない。
　なめこピストルが弾切れで使えないため、紗月は丸腰に。
　なめこライフルを置いたなめこ戦車から離れてしまったので引き返せず。
（どうしたらいいの……？）
　弱気になりながら後ずさる紗月は、その拍子に何かを踏んずけた。
　それは、倒されたつちのこ戦士が装備していたと思われるつちのこソードだった。
　即座にそれを手にし、理緒に切っ先を突き付ける。
「私も同じ武器で戦うわ。理緒ちゃん、いくわよ！」
「かかってきなさい！」
　接近するなり、２人の剣が激しくぶつかり合った。
　
　ぶつかっては退き、退いてはぶつかり合うを繰り返している間にも、両軍の激しい戦いは続く。

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