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四月の蒼青(あお)い空の半分欠けた月を見て彼女は笑ってる。
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まさしくまばたきの間だった。
羽奈瀬 リン
がわずかに視線をそらせた合間に、少女は姿を消していた。煙すら残っていない。
あるかないかのレベルで、レモングラスの香りが一度だけ鼻をくすぐった。
あとは無人の給水塔があるばかりだ。
CGじゃないかと疑いたくなるほど青い空と、鈍くくすんだパールグレーの給水塔が同時に視界に収まっている。
近づいてみた。給水塔は錆だらけで、使われなくなって久しいようだ。そもそも立ち入り禁止ではないか。ハシゴには、侵入を阻害するロープが張ってある。
……見まちがい、だったのかな。
夢だったと言われたら、かもしれないと首肯してしまいそうだ。それくらい現実感にとぼしい出会いだった。
けれどリンは彼女の記憶を信じている。あれだけはっきり目にしたのだ。蜃気楼には思えない。
不思議な子だな……何してたんだろう?
給水塔のハシゴに手をかけてみる。もとは白い塗料だったものがはがれてバラバラと舞い落ちた。完全に錆び付いており、体重を預けるのはいささか厳しそうだ。取れてしまっている段もある。
このハシゴを登ったのかなあ。
それはどうも現実味がないような。
だとすれば風に乗って空を飛んで、給水塔に行き着いたのかな。
おかしな話かもしれないが、いちいちハシゴを登ったというよりも、そちらのほうがよほどありえるとリンは考えた。
あの子はタンポポの綿毛みたいに、風に乗って飛んできた……とか?
どこから来たんだろう。
そしてどこへ、行ったのだろう。
あの子、僕に笑いかけてくれたよね。目の錯覚じゃないよ。
あれってひょっとしたら、『追いかけてこれる?』という挑戦のサインだったのかな。
あながち見当ちがいという気もしないのである。
また逢えるかどうかは別だし、あの子の真意もわからないけど――リンはきびすを返していた。
調べてみたいな。
グラスに注いだメロンソーダみたいに好奇心がわきおこってくる。
じっとしてはいられない。リンは駆け足で祖父母の家に戻った。
何に使うんだい? などと無粋なことを祖父は言わなかった。
「納屋にあると思うが……」
鍵を手渡してくれただけだ。
ありがとうと告げてリンは、庭の隅にある納屋を開け天窓を解放して光を入れて、湿った木の匂いがする中を見回した。
きちんと整理してあるのですぐに見つかった。
「これこれ!」
手にしたのは多機能ナイフだ。前に、父親とキャンプに行ったときにもらったものだった。刃は短いが鋭く、缶切りや栓抜き、やすりに方位磁針までついている。ちょっとした冒険にはこれひとつで間に合うだろう。
あとはロープだ。せいぜい数メートルだがとりあえず、ぴんと張って強度を確かめる。
よし、大丈夫。
行ってくるよと告げるべく玄関に戻ると、祖母が「もっておゆき」とタッパーを手渡してくれた。
「わあ! いいの!?」
「お出かけなんだろう? 腹ごしらえにはちょうどいいはずよ」
中身はおにぎりなのである。急ごしらえだというのに海苔も巻いてあった。
ちょっとした冒険気分じゃないか。わくわくする。
暗くなるまでには戻るよと言い残し、リンは元気にあの給水塔へと向かった。
やはりいい天気だ。暑いくらいだ。シャツをまくってカフスを留める。
「さて……」
ハシゴの下で深く息を吸い込んだ。
レモングラスの香り……どこかからしないかな。
不思議なものでこうしていると、なんでもできそうな気がしてくる。どこへだって行けそうだし、どんな秘密も解き明かせそうだ。
引っ越してくるまで、こんな気持ちになったことはなかったと思う。そんな時期もあったかもしれないが、それは物心つくより前の話だろう。
万能感、っていうのかな。こういうの。
いい気持ちだ。とても。
寝子島という土地が与えてくれる気分なのだろうか。
『願いつづけたら、いつかきっと会えるの。それが寝子島っていう場所なの』
そういえば、桜の妖精って子も言ってたっけ。
間もなく、びいん、と釣り竿が震えるような感覚が背筋に走った。アンテナに何かひっかかったような。
誰?
気配を感じてふりむいたリンは、そこにいた黒猫と目があったのだった。
墨汁のプールでもひと泳ぎしてきたのかと思った。それくらいつややかな毛並みだ。子猫じゃないけど若い猫、人間でいえば自分くらい。目は透き通るようなブルーだ。
「あれ?」
見覚えのある猫のような気がする。
そうだ。先日、お花見で出逢った猫にそっくりだ。
小さくなった僕を、頭に乗せてくれた――。
見まちがいではなかったらしい。黒猫はかすかにうなずくと数歩、したたっと歩んで足を止めた。そして振り返る。
「もしかして僕に、『おいで』って言ってる?」
ニャアとは言わないものの正解のようだ。黒猫は、リンが後を追っても逃げもせず、また数歩、したたっとと歩いて足を止めたのだから。
ほら、早く早く。ついて来ないのなら行っちゃうぞ。
そう言っているようにしか思えない。
あのとき僕を乗せても平気な顔してたし、もしかしてただの猫ではないのかも――。
「探すの付き合ってくれるのかい?」
やはりニャアの一言もないけれど、猫はフンと鼻を鳴らした。
頼りになる助っ人の登場と思っていいだろう。
ご厚意に甘えようかな。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年05月15日
参加申し込みの期限
2021年05月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年05月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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