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四月の蒼青(あお)い空の半分欠けた月を見て彼女は笑ってる。
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ガチでしんどい。
初瀬川 理緒
のいつわらざる感想だ。
血と汗と涙で勝ち取った、という言葉がけっして大げさではない理緒の大学生活は、チェッカーフラッグが振られるやいな、F1カーなみの爆走を開始したのである。
入学式からその後のオリエンテーション、履修登録やら学生証の交付やら学力テスト、それらが終わったら授業が始まって、と、ここまでがほとんど息継ぎなしの弾丸進行だ、
……高校一年のときってこんなに忙しかったか?
三年ほど前のことを思い出してみても、ここまでせわしなかった記憶はない。『女子大ライフ』といえば、たとえるなら釣り堀の浮(うき)、ぷかりぷかりしているような、あるいは花から花へ、とまれよ遊べ遊べよとまれなチョウチョのようなイメージがあった。でもそんなもの、前時代の幻だったというのか。
まあとにかくやることいっぱい盛りだくさんの毎日なのだが、理緒の場合学校に加えてグラビアアイドルとしての仕事もとぎれることなくあるわけで、まことにもってガチでビジーな春のおとずれだったわけである。
気が付いたら四月も終盤だ。
昼休み、魂が抜けたような表情でキャンパス内のカフェテリアに理緒は陣取った。
世は少子化で大学生も不足気味といわれているものの、なかなかどうして大層な混み具合だ。席を確保するのも一苦労だったがなんとかなった。
おっと、と気を取り直して脳に血液をめぐらせ周囲をうかがう。
二、三週間前まで、つまり入学した最初のころは、うっかり気を抜いているといきなり写真を撮られたり、背後や斜め後ろから、ヒソヒソいうささやき声が聞こえてきたものだ。グラドルの初瀬川理緒がなぜこんなところに? と奇異の目で見られていたのだった。しかしようやく理緒の姿も日常の風景と一体化したようで、このごろはそれほど注目されなくなっていた。といっても、隠し撮りする不逞の輩にはまだ気をつけるべきではあるが――。
安全確認。注目者なし。
休憩してよし。
判断して冷製スープパスタに視線を戻した。しゃきしゃきのトマト入り。かき混ぜる。
頭も体もなかなか休まらない理緒の新生活だが、それでも大学に入ってよかったと思うことはある。
たとえば、何度か仕事で一緒になったこともあるモグラ(※女性誌でモデルをしながら、男性誌でもグラビア活動をするモデル)で、自分も使っている有名コスメのイメージガールさんとキャンパスでバッタリ会ったのは嬉しい偶然だった。
彼女、ここの学生だったんだ。
理緒からすれば偉大な先輩にあたる。経緯をこめて声をかけ、ほんの少しだけ言葉を交わした。これからこういった機会が増えるかもしれない。
それにしても、と思う。
彼女、普通にキャンパスに溶け込んでたなぁ。
売れっ子のモグラとかいっても、実際はそんなものかもしれない。
ま、その方が気が楽だけどね。
注目されるのは好きだけど――。
立方体の氷が浮くアイスティーを一口したところで、トレーを両手に持った
佐和崎 紗月
の姿が目に入った。
やっほーい、と理緒は手をウェーブする。
理緒ちゃん、とはにかんだように紗月は微笑した。
「ちょっとそれは恥ずかしいよ……」
「え? 何が?」
「かけ声」
「よくわかんない。具体的に言って」
「だからその……
やっほーい
っていうの」
「ごめん聞こえなかった」
「
やっほーい
、ていうのっ……」
あはははと理緒は笑い出した。これでようやく、かつがれたのだと紗月は気がつく。
「いじわるしないでよもう……」
「ごめんごめん、ちょっとねー、からかってみたくなって。紗月ってばかわいいから」
「またからかう……」
からかってないんだけどなー、と思うも理緒は口に出さないことにした。
着席して。お互いのメニューを見比べて。
「どう? 慣れてきた?」
くるくるとフォークを回しながら理緒はたずねた。
「大学生活のこと……? なんとか付いていってる、って感じ……理緒ちゃんは?」
「まだ忙しいし慣れていない部分もあるけど、何となく要領はつかめそう……かな?」
でもと理緒はつづける。
「授業なんてド楽勝でしょ、紗月なら」
「そんなことないよ……。科目によるけど大学の講師って、こちらの理解度をいちいち確かめないでどんどん進んだりする人もいるし……」
「言えてるー。開始のあいさつもなく、いきなり板書をはじめる先生もいるし」
「しかもそういう講師に限って……声がボソボソしてて聞き取りにくかったり……」
理緒は吹きだした。まさしく十数分前までまで、そういう先生による一般教養の講義だったのだ。
「さっきのは大変だったよー。比較文化論だかなんだかだったけどね、先生ってばボソボソ声だし単調だし……。しかもそれが九十分もあるんだもん。大学の授業ってなんでこんなに長いんだろうね? 眠くて眠くて仕方なかったよ」
「でもそういう先生が意外に……けっこういい本書いてることもあるんだよ」
「さすが紗月、いいこと言うね」
悪口言いっぱなしにしない。フォローも忘れない。見習いたいものだと理緒は思う。
話題はとくに固定ではない。講義のあれやこれから日常の話、大学生協で見つけた文具の話などさまざまに蛇行してから、
「そういえば……サークルの勧誘、減ってきたよね」
思い出したように紗月が言った。
「だよねー、結局どれにも入らなかったし見学すら行ってないよ」
あたし仕事あるからねと理緒は言う。
「けど紗月は入らないの? 前勧誘されたテニサーみたいなの」
「私ああいうノリの人たち苦手……」
わかってるでしょ? と言うような紗月の口調だ。すると理緒は目尻を下げて、『にへら』と効果音がたちそうな口まねをしてみせた。
「『そこの可愛いお嬢さんがた! テニスサークルに興味ない?』」
「それそれ、そういうの駄目……前あったみたいな……」
ちょっと悪寒がするかも、と紗月は腕をさすった。
「『飲み会で王様ゲームしようよ!』」
「うわ……ありがち……」
「『今ならビール券も付けるよ!』」
「新聞の勧誘じゃないんだから……」
ふふふと笑みを交わす。
「で、来月中旬だよね。いよいよ」
なんの話? と紗月は視線をそらせようとするが理緒は離さない。
「またまたー、わかってるくせに。ヤンニャンの発売日! 紗月のグラドルデビュー号!」
青年漫画誌『週刊ヤングニャンプ』、フォトグラファー片庭 椎子(かたば・しいこ)撮影による水着グラビアの掲載予定号である。理緒と組んでフレームに納まる予定だったグラドルが飛んだため、撮影見学に来ていた紗月が急きょ代役として登板したものだ。
「このまえ片庭さんと電話で話したんだけどさ、あのときのグラビア、編集部受けもいいし、なにより片庭さん自身とっても満足してるんだって。知名度って意味では紗月はまだゼロだけど、掲載号の売上次第では次の仕事をお願いしたいって言われたよ」
「そ……それなら大丈夫」
紗月はたちまち紅潮した。
「たぶん売れないから……うん……」
体温計が必要なくらい真っ赤だ。
「またそんなこと言うしー。もっと自信もっていいと思うよ」
紗月は思い出しているにちがいない、と理緒は思った。
キメのポーズを取るときの鼓動の高まり、フラッシュのまぶしさと熱さ、同時にわきおこってくる、しびれるようなあの高揚感を。
抱きしめてあげたい。
恥ずかしがるときの紗月ってば本当にかわいいんだから!
もうちょっとイジってあげたいところだったが時間の流れは無情だ。
「あ、そろそろ行かないと」
手首をかえして紗月が腕時計を見た。
「う……ホントだ」
理緒も袖をまくり時計に目を落とす。
いささかのんびりしすぎたらしい。講義室まで早歩き、いや、小走りが必要になるだろう。席から立ちトレーを持ち上げ、
「ね? 紗月、今日の授業が終わったらあたしの部屋に寄ってかない?」
と言った理緒に紗月はうなずいた。
「うん。……じゃ、またNYAINするね」
「プリーズ」
そそくさと紗月と別れ理緒は歩き出した。時速五キロといったところか。
次の授業はなんだったかな……ああ、あの怒りっぽいあの先生か……。
ゲンナリした。遅刻に厳しい講師である。これは小走りどころか、ダッシュが必要な状況らしい。
ええい、あとひとがんばり!
子鹿みたいに理緒は駆け出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年05月15日
参加申し込みの期限
2021年05月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年05月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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