ループ１３｜リアクション

ループ１３

　午前中にしては日差しが強い。水守流は黒いシャツに濃紺のズボン姿でふらふらしながら歩いていた。うんざりした表情を一台のキッチンカーに向ける。引き寄せられるようにしてソフトクリームを手にした。
　電信柱の僅かな日陰に入ると先端を口に含む。最初の一口に身体を震わせた。
「……濃厚なミルクの香りが、最高だ」
　ゆっくりと味わって食べる。惜しむような目でコーンの部分を齧った。最後に残った欠片を一口にした。
「無くなって、え……」
　手にはソフトクリームを握っていた。首を傾げながら先端を舐める。
「冷たくて美味いが」
　周囲に目を向ける。人通りは多い。街中でよく見かける光景に流は、どうするかな、と呟いた。

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