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太陽が沈み、丸みのある月が仄かに島を照らす。
星ヶ丘の街頭が瀟洒な建物を品よく演出する。正装に身を包んだ人々は高級車でディナー先に出かける。
その為、歩道の人影は疎らで数分前から完全に途絶えていた。
「……チャンスなのデス」
アリス・トテレス
が邸宅の塀から通りを覗き込む。灰色の長い髪は乱れていた。眠そうな目の色は鮮やかな菫色。着ていたワンピースは汚れが酷く、元の色がわからなくなっていた。
浮浪者に近い身なりのアリスは通りに出ようとして引っ込んだ。
スーツを着た男性がスマートフォンを見ながら歩いてきた。
「……ワタシはもう、神のミコで海外ポイは、されないのデス……」
菫色の瞳で男性の動きを瞬きしないで見つめる。
「……こちらにレストランがあるのか」
言いながらアリスの前を通り過ぎた。用心深く背中を見ていると右手に曲がって見えなくなった。戻ってくる様子はなく、ようやく安心した顔で通りに出た。
素早く移動してパン屋の裏手に回る。見つけたポリバケツに笑顔で駆け寄ると、何の躊躇いも見せずに蓋を開けた。
「ここのゴミはキレイなので好きデス」
紙屑を手で掻き分けると底の方にビニール袋を見つけた。パンの耳が大量に収まっていた。引き抜くとアリスはその場で小躍りした。
「サイコーのディナーになるのデス!」
喜びが爆発して自然と声が大きくなる。
「お前か! 毎晩、荒らしている悪ガキは!」
エプロンドレスを着た小太りの男性が走ってきた。怒気で顔は赤く、動揺したアリスはポリバケツを引っ繰り返してしまった。
散乱したゴミに阻まれ、男性の勢いが落ちた。その隙を衝いてくるりと背を向けたアリスは脱兎の速さで逃げ出した。
「待って、戻って来い!」
「嫌なのデス!」
捨て台詞を残し、ジグザグに走る。見つけた路地に逃げ込んで息を潜めた。安堵した表情でしゃがみ込む。持っていたビニール袋の中からパンの耳を摘まみ、先端を小刻みに齧っていく。
「パンの耳、おいしいデス」
ふいに鼻をひくひくさせる。ふらりと立ち上がると一方に向かって歩き出す。
「いい匂いがするのデス……食べたことのない……」
行き先に迷ったのか。同じところをうろうろする。
「食べたこと、ありマス。これはカレー、ナノデス! でも、どこから」
店が見当たらなかった。明るい窓から笑い声が聞こえる。
「カレーはあそこから。でも、とろとろは外に出ないデス」
しょんぼりした声で邸宅に背を向けた。薄暗い路地へと戻ると、ニヤニヤ笑いの集団と出くわした。
「コイツだな」
「ああ、そうだ。身なりを我慢すればヤレないことはない。顔は悪くないし」
「あと家族もいなそうだし、一晩、玩具にしても問題ないよな」
「俺が先だからな」
ズボンのジッパーを下ろす音がやけに大きく聞こえる。状況を理解したアリスは瞬時に目をやり、更に狭い路地へと逃げ出した。
興奮した男達が下卑た嗤いで追い掛けてくる。
「もっと真剣に逃げないと悪い狼さんに喰われちゃうぞー」
伸びてきた手がアリスの細い腕を掴む。ワンピースは引っ張られ、胸に近いところの布が裂けた。
「そ、それ以上はタダじゃなくて、有料ナノデス!」
「子供銀行の紙幣ならいくらでも出すぜ」
その時、別のところから怒鳴り声が聞こえた。一目で男達は逃げ出した。二人組の警察官の一人はアリスのところに残った。
「通報があって駆け付けたのだが、その手に持ったパンの耳はどうしたんだ? それに有料とはどういう意味だ。まさか、その年齢で客引きをしていた、等ということは」
「わからないデス! 意味がわからなくて、閉じ込められるのは、嫌ナノデス!」
伸びてきた手を掻い潜り、アリスは全力で逃走を図る。
「待ちなさい!」
アリスは追い掛けてくる声を振り払い、滑りながら左手に曲がる。
警察官は数秒の遅れで駆け込み、足を止めた。隠れる場所のない一本道にアリスの姿はどこにもなかった。
逃げ延びたい一心で願い、『ストレイ・ダッシュ!!』のろっこんが発動した。目を閉じた状態で空中を駆けて九夜山に突っ込んだ。
「空を、走ってるデス?」
手足をばたつかせて着地すると、荒れた社殿が目に留まる。破風の一部が崩れていたがアリスは気にしないで中に入った。
「壁の穴は気にならないのデス」
隅で横倒しになった幟を広げた。仰向けの状態で身体に掛ける。
「寒い日も平気デス」
アリスは周囲を見て回る。古ぼけた地蔵を発見した。周囲は手入れがされているのか。雑草の類いは生えていなかった。
「おそなえもの、デス」
包装された饅頭を手に取る。包みを開けて匂いを嗅いだ。
「大丈夫そうデス」
端を少し齧る。よく味わう前に残りを一口で食べた。
「甘くておいしいデス」
社殿に戻り、ごろりと横になる。幟を身体に掛けると持っていたパンの耳を齧った。
間もなくして瞼が落ちそうになる。
「……はじめての……屋根のある……お家、ナノデス……」
あどけない寝顔で長い一日を終えた。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
はじめてシナリオが無事に終わりました。
山の中で新しい出会いがありました。
お気に入りの一品を偶然、見つけました。
文章を綴る楽しさを知ることで夢が広がれば嬉しく思います。
感謝の気持ちで働いて、素敵な出会いの予感に胸が熱くなりました。
過酷な環境でもたくましく生きる姿に胸を打たれます。良い出会いがありますように。
個性と魅力に溢れたリアクションになりました。
これからのPCさんの活躍が、ありありと目に浮かびます。
最後にシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
また別のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月22日
参加申し込みの期限
2021年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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