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猫鳴館の付喪神
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ようやく買い物を済ませた
邪衣 士
は帰り道を急ぐ。路地裏を通って先にある共同墓地を抜けた。現れた正面の藪に突っ込み、小川を強引に渡ると斜面を駆け上がる。
「どこだ?」
口癖のように呟くこと数回。邪魔な枝を払い除けて淡い光の中に飛び込んだ。
「うわ、び、びっくりした~」
驚いた拍子に落とした炭を男子が拾い集める。
「悪い、遅くなった。肉を持ってきた」
大冒険の末、無事に到着した。
その現れ方を目の当たりにした猫館 鳴は明るい顔で言った。
「山で熊を仕留めてきた?」
「それはない。普通の牛肉だ」
二人の遣り取りに周囲は和んだ。士は早速、バーベキューコンロの前に立った。入れられた炭は程々の赤さに染まっている。
「そろそろだと思って用意しておいたよ」
恵御納 夏夜
は包丁で野菜を切り分けながら言った。
その隣ではエプロンを身に付けた
恵御納 夏朝
が紙コップに人数分のジュースを注いでいる。左手に嵌めたハルくんにも小さなエプロンを取り付けていた。
夏朝は一つの紙コップを手にすると士のところに小走りで向かう。
「邪衣先輩、どうぞ」
「助かる」
オレンジ色の液体を一気に喉に流し込む。
「喉の渇きに効くな」
その後、夏朝によって全員に飲み物が行き渡った。個々の目が自ずと士に集まる。
「まあ、あれだ。今日のバーベキューに集まってくれてありがとう。食材の提供にも感謝する。新しいメンバーが加わって、これからも猫鳴館は現役だ。賑やかで楽しい時を皆で過ごしたいと思う。乾杯の前に新人から自己紹介を頼む」
「それでは僕から始めたいと思いますぅ」
喜矢武 あいお
は軽やかに手を挙げた。
「寝子島高校の新入生で新寮生の喜矢武あいおですぅ! よろしくお願いしますぅ! お肉が食べたいですぅ!」
「私も食べたいよ」
楡宮 遠海
の発言で早々と肉争奪戦の様相を帯び始める。その二人に周囲から笑顔と拍手が送られた。
鳴の順番が回ってきた。
「あたしは最古参だと思うんだけど」
「その姿を初めて見る者もいるだろう」
士にやんわりと促された鳴は納得した様子で一同を見回した。
「あたしは猫館鳴。猫鳴館の付喪神で、意識があるのは十六年前だから十六才になるのかな。これからもよろしくね」
「だから館そのものなんだね。意味がようやくわかったよ」
遠海の声を受けて鳴は弾ける笑顔を見せた。
代表で士が乾杯の音頭を取った。陽気に声を合わせると調理が始まった。
牛肉を筆頭に豚肉や鶏肉を焼いていく。夏夜によって切られた野菜も添えられた。
「タレははこちらだよー!」
夏朝は長机から方々に声を掛けた。
「普通の焼き肉のタレに塩や醤油もあるにゃ! 色々な味を試して欲しいにゃ!」
ハルくんは大きな口で共に声を張り上げた。その声に誘われて個々が好みのタレを選んだ。
「そろそろ肉が焼けるぞ」
士の声にあいおと遠海が揃って駆け寄る。肩を並べた状態で割り箸を伸ばし、程よい焦げ目の付いた牛肉を紙皿に入れた。
「遠海に一枚、多く取られたのですぅ」
「早い者勝ちだね」
勝ち誇ったような顔になる。牛肉に満遍なくタレを付けると口に運び、何度も息を吹き掛けた。
あいおはタレの付いた牛肉を一口にした。よく噛んで食べると自然に笑みが零れた。
「美味しいのですぅ。早く食べないとお肉が硬くなりますよぉ?」
「こっちにも事情があるのよ」
ようやく冷えた一枚を口に押し込む。遠海が食べている間にあいおは次の肉を目で探す。
そこに夏夜がやってきた。綺麗に切った野菜を網に並べていく。
「肉はたくさんあるから、慌てて食べて火傷しないようにね」
「ありがとうございますぅ。なんか大勢で食べると、すごく美味しく感じますぅ。家族でご飯を食べることがほとんどなくて……なんて湿っぽい話は合わないのです!」
「焼けたようね」
話の合間に鳴が割り箸で三枚の牛肉を掻っ攫う。紙皿に纏めて置いてパクパクと食べ始めた。
「醤油も合うね」
「狙っていたのに、鳴に取られたのですぅ」
「野菜も焼けたよ」
夏夜はピーマンを指差した。あいおは弱々しい笑みで摘まんだ。
「野菜は嫌いじゃないですけど、そこそこですねぇ。一番、苦手なのは」
あいおは途中で口を閉ざす。夏朝が横から顔を出し、機嫌よくエビやイカを並べていく。
「魚介類が苦手なのね。私は貰うけど」
遠海は牛肉に固執しないでバランスよく紙皿に入れた。全てに息を吹き掛けたあと、美味しそうに頬張る。
「迷子になった後で食べるバーベキューは最高に美味しいよね♪」
「この雰囲気もごちそうだね」
鳴は丸まったイカの切り身を摘まんで言った。
士は焼き加減を見ながら火力を調節する。同時に給仕役に回っていた者にも目を向けた。
「俺が中心になって焼く。その間に皆は安心して食べて欲しい」
夏朝は自分用の紙皿を持った。
「夏夜ちゃん、僕達も食べよう」
「そうだね。猫館さん、隣、いいかな」
「いいよ。最近、猫鳴館にきた人だよね」
「そうだよ。初めまして、になるのかな。恵御納夏夜だよ」
落ち着いた調子で返す。
「付喪神の猫館鳴だよ。こちらこそ、よろしくね。もしかして二人は双子?」
「そうだよ。僕が妹のえみな かーさ、です。いきなりだけど猫さんは好き?」
「猫鳴館の柱で爪を研がない猫は好きだよ」
猫目をキラリと光らせて言った。
「貝が焼けたぞ」
「あたしが貰ってもいいかな」
鳴は夏朝と夏夜を交互に見た。
「そのために持ってきたんだよ。味わって食べてね」
夏朝の言葉に鳴は白い歯を見せて笑った。
「熱いからゆっくりと食べるにゃ」
ハルくんに気付いた鳴は急に真顔になった。細部を見るように目を凝らす。
態度の急変に夏朝は心配そうな表情を浮かべた。
「猫館さん?」
「このハルくん、もしかしたら自我が芽生えるかも」
「え、本当に!?」
「はっきりしないけどね」
表情を和らげた鳴は貝を紙皿に運ぶ。熱さに苦戦しながらも美味しそうに平らげた。
時間に比例して肉の人気は陰り、逆に甘いトウモロコシやマシュマロが食べられるようになった。
あいおは焼き立てのマシュマロを口に含んだ。
「スイーツは別腹なのですぅ。甘い物は大好きなのでいくらでも食べられますぅ」
「それはいいが、今回のバーベキューは歓迎会の意味も含まれている。何かやりたいが、思い付かない。希望することはあるか?」
士は自分で焼いた鶏肉に塩を塗しながら鳴に聞いた。
「あたし? 十分に満足しているんだけど」
何かを探すように目を動かす。トウモロコシを両手に持ち、回しながら食べているあいおに目が留まった。
「一緒にきた時に言ってたけど、喜矢武さんは歌が得意なんだよね」
「待ってました! 超人気MewTuber(自称)、あいおシスターズのあいおとは僕のことです! 遠海は伴奏で参加です!」
「本当にやるんだね」
指名された遠海はハンカチで口を拭うと背中のリュックを下ろす。中からショルダーキーボードを取り出して構えた。
「こんな日がくるなんて、思わなかったよ」
鳴は感動したように声を震わせた。
二人は少し離れたところに移動した。小声で話し合い、数分後に笑顔で戻ってきた。
あいおは左手を軽く握って口元に当てた。架空のマイクで全員に向かって呼び掛ける。
「今日はあいおシスターズのミニコンサートにきてくれて、本当にありがとう!」
「歓迎会のバーベキューだが」
士はトウモロコシを齧りながら言った。夏朝と夏夜は、まあまあ、と笑顔でなだめる。
「MewTubeでお馴染みの一曲を披露するのですわ! あいおと一緒に弾けて踊るのですわ!」
「こんな感じよね」
鳴は両手を軽く挙げて舞うように踊る。その状態で小刻みに歩いて小さな輪を描いた。
「踊りに違いないが、それは盆踊りだ」
士は二本目のトウモロコシを齧りながら言った。夏朝と夏夜にハルくんを加え、まあまあ、と笑顔で迫った。
遠海の軽やかな前奏に食べていた手が止まる。耳にした者達は音に乗って身体を左右に揺らす。
鳴は輪を描いて陽気に踊る。夏朝と夏夜も同じように盆踊りに興じた。
あいおの声が青い空に突き抜ける。疾走感に引っ張られ、全員の動きが加速した。
鳴の頭がガクガクと揺れる。左斜めの前髪は乱れ、白い頬は情熱の色に染められた。
小一時間のミニコンサートは全員を汗だくにした。奏者の遠海も例外ではなかった。濡れたブラウスの胸の辺りを摘まんで軽く引っ張る。
「このままだと風邪を引きそう。確か、猫鳴館の地下には裏寝子温泉があるんだよね」
「初耳なんだけど!?」
鳴が驚きの声を上げた。その様子を見て士は口を開いた。
「そこは地下帝国と名付けられていて、まあ、俺は関係者で宰相になっている。知らなかったのか?」
「そんなの知らないって! あたしが知っているのは館の内部で、地下があるなんて初めて聞いたよ! でも、前々から音は聞こえていたんだよね。巨大なモグラかと思った」
「そんなのがいたら俺もびっくりだ」
士は笑って返した。
「裏寝子温泉の入浴料は百円だが、今回は無料で提供する。混浴なので用意した水着に着替えて貰うが」
「あたしはどっちでもいいよ。プールじゃないんだし」
「俺達が困る」
士は苦笑いで言った。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月05日
参加申し込みの期限
2021年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月12日 11時00分
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