魔界からの試練　――深海よりの導き手マモルソラ――｜リアクション

魔界からの試練　――深海よりの導き手マモルソラ――

「「……」」
「どういうこと？　歌楽士一人もいない上に治癒士一人って……」
「火力重視パーティと呼ぼうかの」
「ふざけている場合じゃない。しかし……俺たち極天使と魔侯爵だけではもう……」
「本当ならあと一人ずつぐらい試練を乗り越えさせる必要があった。しかし、悠長にしてられなくなったな」

　ここは、混霊界とゲームの世界の境目にある砦。極天使と魔侯爵が暴食の女神から世界を守るべく築いた場所だった。
　そして、ここで毎回冒険者たちが受ける試練を見守っていたのだ。本当ならば、今回もその筈だった。
　今も、画面には試練の様子が浮かぶ。だが、彼らが気にしていたのは……外に浮かび始めた黒いシミだった。

「本当なら、双方の纏め役がここに居るはずだが？」
「あの二人は、世界の補強を行っています」
「……この試練の邪魔を、まずは防ごう。出なければ、彼らまで囚われてしまう」
「このシミも恐らくは彼女の所為でしょうね」

　黒いシミが、徐々に広がっていく。砦の４人は、胸騒ぎを覚えながらそれを見つめていた。

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