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『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)
最近話題のオンラインゲームであり、雑誌にも特集が組まれるほどの認知度である。寝子島の若者たちの中にもちらほらプレイしている人がいるようだ。
この特徴は、イベント戦闘で個性豊かな天使や悪魔と戦える、という事だろうか? ゲームスタート当時から様々な天使と悪魔が登場し、プレイヤーたちを楽しませている。また、倒した敵からもらえるアイテムがまた強力だったりする訳で、たくさんのプレイヤーが挑んでいる。
しかし、特別レイドの際戦闘不能になったプレイヤーキャラクター(以後PCと表記)の一部が使用できなくなるという謎のバグが発生。ゲーム会社は調査を続けているものの、解決には至っていない。
が、先日実験的に行われた『鋼竜女皇フェラマの挑戦状』に続き『神代の矢放つナホエル』も異常なく終了し、新たにレイドボス『深海からの導き手マモルソラ』を発表する。
今回の特別レイドのボスは魔侯爵が一人『深海からの導き手マモルソラ』という、命を得た羅針盤である。魔族としての姿と羅針盤としての姿を持ち、羅針盤の時は幻影を、魔族の姿の時は潮の流れと光を操って攻撃する。
また、今回の舞台は海中である。幸い、不思議な力によって地上と同じように話したり呼吸したりすることができる上、圧力なども地上と同じになっているようだ。しかし、マモルソラは手下であるサメと共に容赦なく攻撃してくるため難易度は何気に高い。そして、魔族としての姿は実に愛らしく、レイドの手ごたえとのギャップも相まってファンが多いらしい。
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荘厳な空気があふれる執務室のような場所。
そこに
卯木 衛は佇んでいた。彼は、不思議に思い辺りを見渡しながらため息を吐いた。
「なんだろう、ちょっとわくわくするな」
と、呟いていると……目の前にウィンドウが浮かび上がる。そこには
【ログインしますか?:魔侯爵『マモルソラ』 はい/いいえ】と記されている。
それを見た途端、衛はぽん、と手を打つ。
「つまりは、俺が『マモルソラ』として操作できるってことか?」
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「Wow! またまたゲームのなかなのです!」
と、はしゃぐのは
トワ・E・ライトフェロゥ。彼女は頭上を悠々自適に泳ぐ色とりどりの魚や、降り注ぐ陽光、岩を彩るサンゴやイソギンチャクに目を奪われていた。
不思議なことに水中であるはずなのに呼吸ができ、尚且つ動きもそこまで鈍らない。なのにちゃんと水の中にいる感覚がするからより面白いものである。
目の前には、古い羅針盤が鎮座している。だが、そこから浮かびかがるのは、少年の幻影らしきもの。彼はトワを始めあつまった冒険者たちを見渡し、にっこりした。
「ようこそ、冒険者諸君! 俺は魔侯爵が一人『深海よりの導き手』マモルソラだ。なんで『導き手』かって? それはほら、羅針盤だからさ」
と、自分の足元にある羅針盤を指さした。が……トワはSOCの宣伝を急に思い出す。
「Stop! トワ、聞いたことあります。マモルソラは冥土への案内人ともいわれているーとか?」
「話が早いな。そうだよ、俺は潮の流れを操って船を沈める事だってできるんだ」
マモルソラがそういって姿を消し、羅針盤が少年の姿になれば周囲の流れが変わっていく。急な渦に巻き込まれそうになる冒険者を見、彼は手を止めて瞳を細めた。
「またの名を『冥府への誘い人』マモルソラ。さあ、お前ら……波に飲まれる覚悟はできてんのか?」
マモルソラはそういい、再び幻影の姿に戻る。彼は帽子を正し、楽し気に笑って見せた。
――俺に勝ってみせろ、冒険者たち!
ただ、この時彼らは知らなかった。
マモルソラ以外の存在が、冒険者たちを見つめている事を……。
――3度目の魔界からの試練。
もう、君ならば言わずともわかっているだろう?
ということで菊華です。今回は深海でのバトル! 特殊ルーツもありますのでよく読んだうえでご参加ください。
◆概要
オンラインゲーム『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)の世界に召喚されてしまったようです。
ジョブにあわせて行動し、イベント『深海からの導き手マモルソラ』と戦ってください。
勝利条件:深海からの導き手マモルソラとの戦いに勝利する
敗北条件:全滅
過去のシリーズはこちら。
読んでなくても、初めての方でもまったく問題ありませんので、ご安心を。
◆今回の舞台
今回は、深海が戦場です。
ただし、皆さんは水中でも呼吸できますのでご安心を。
また、下は砂地になっておりますが少々動きづらい程度で収まっています。
上からは陽光が降り注ぎ、色とりどりの魚や海藻、貝や海の生き物、珊瑚などが彩って美しい戦場ですが、油断は禁物。マモルソラの部下であるサメが周りをまわっています。彼らはマモルソラの命令でPCさんを襲う事もあります。
>特殊ルール
今回は、戦闘終了後にマモルソラ以外の敵が登場します。
戦闘不能にならなかったPCで応戦しますが、レイドの勝敗には影響しません。
アクション内に、「レイド終了後、敵襲があった場合どうするか」を簡単にお書きください。
◆深海からの導き手マモルソラ
オンラインゲーム『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)に登場するボスの1体。
魔界から来る試練の悪魔であり、羅針盤に宿る付喪神でもあります。彼は羅針盤から少年の幻影をだした姿と、少年としての姿を持ちます。基本攻撃は姿によって変わります。
・共通
特殊な泡による防御、磁力攻撃(磁石にくっつくものを引き寄せたり逆に突飛ばしたりする)。
・羅針盤の場合
ポルターガイストで珊瑚を操り攻撃したり、水流を起こし身動きを一定時間止めたりします。
その他サメをけしかけます。
物理攻撃ではダメージが入りやすい反面、魔法攻撃ではダメージが入りにくくなっています。
この状態でのみ使用する技
『銀の嵐』
イワシの大群を呼び出し、全体攻撃を仕掛けます。
ダメージは中規模ですが、まれにバットステータス(以下BS)【混乱】が付くことがあります。
※BS【混乱】は暫くの間命中率が低下すると同時にスキルか通常攻撃かランダムに勝手に発動します
(しないこともあります)。
『突沸の槍』
海底から熱い水蒸気が噴き出します。対象は2,3人でダメージは中規模。
直撃すると中確率でBS【火傷】がつきます。
・少年の姿の場合
シャチにまたがって戦場を駆けまわり、冒険者とは水流の剣で戦います。
魔法攻撃ではダメージが入りやすい反面、物理攻撃ではダメージが入りにくくなっています。
この状態でのみ使用する技
『蹂躙する波涛』
跨っているシャチが大暴れし、尾びれで弾き飛ばします。
弾き飛ばされた者は大ダメージを負い、場合によっては海底に叩きつけられます。
『渦潮のトライデント』
戦場全体に三筋の海流を生み出し、押しつぶします。
ダメージは中規模ですが、BS【麻痺】が添付されることがあります。
ただし回避は比較的容易です。
双方の姿で発動する技
『深き青の極楽』
特殊な泡によって戦場を包み込み、激流を起こします。また泡から逃れたとしても振動で水が揺れ、同時にヒトでは聞き取れない音域で揺さぶり、BS【混乱】か【酩酊】を引き起こします。
※めったに使いません
◆召喚された皆様へ
今回も前回同様以下のジョブに変身しての戦闘です。
参加が確定した方は、コメントページに書き込みを行っていただきます。
そのときの右側のサイコロの数字によって決定いたしますので、覚悟願います。
(ジョブの名前に振った番号が該当します)
種族を『人間』か『精霊族』かを選ぶことが出来ます。
>精霊族
『SOC』の世界には、人間に混じって精霊が暮らしています。
精霊は人間よりもHPが低めですが、敏捷性とMPが高く1戦闘中に1度だけ不思議な力
(=もれいびPCはろっこん、ほしびとPCは星の力、ひとPCは判定を好転させる『奇跡』)を使う事が出来ます。
①軽戦士:敏捷性に優れています。
正し、軽装なので防御力に難ありです。
盗賊や忍者なども該当します。
※おすすめ武器:片手剣、レイピア、ナイフ、弓、手裏剣など
②重戦士:防御力に優れ、体力も多めの戦士です。
反対に敏捷性は低めです。
攻撃力が高く、大きな武器を操ります。
※おすすめ武器:ウォーハンマー、大剣、両剣、戦斧など
③魔導士:攻撃系魔術と武器による攻撃が可能な戦士で、魔力が高めです。
正し、状態異常【怒り】に掛かりやすい特性があります。
あまり大きな武器や飛び道具は苦手気味ですが、派手な魔法でぶいぶい言わせたいならこれ。
※おすすめ武器:杖、短槍、両手剣、鉄扇、鞭など
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
④治癒士:治癒魔法を得意とします。
ですが攻撃方法は武器のみな上、体力が少なめです。
パーティーを影からサポートしたい人向けで、状態異常を解除できる術を持ちます。
※おすすめ武器:魔導書、巻物、杖
※治癒魔法には「傷を癒す」「状態異常を解除する」などがあります。
⑤拳闘士:器用度が高く、状態異常にも強めな戦士です。
武器の使用が制限されている上、防御力も少し少なめだったりします。
ですが、連続攻撃を決めやすいという強みがあります。
※使用可能武器:トンファー、ナックル、爪、ローラーブレード、棍
⑥歌楽士:魔導士の次に魔力が高く、状態異常や補助魔法を添付する力を持ちます。
正し、状態異常【眠り】に掛かりやすい特性があります。
サポート側に回りたい人向けです。こちらも武器の使用が制限されています。
※使用可能武器:マイク、楽器
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
※使用武器が限られているジョブの方以外は、おすすめ武器以外の物も使うことが可能です。
※ろっこんの使用はできません。ご了承ください。
また、左側のダイスの数値をアクションの最後に記載願います。
これは、とある判定に使用します。
◆今回のオプション
【いのちをだいじに】
アクション冒頭にこのタグをつけると、無茶はしません。
自分の体力が危なくなると後ろに下がります。
【覚悟完了】
アクション冒頭にこのタグをつけると、場合によっては無茶します。
ギリギリな戦いをお望みの方へ。正しKO判定率も高めです。
その他、希望者は人間・精霊関係なく人魚の姿になることもできます。
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◆特殊ルール(卯木 衛さんへ)
卯木 衛さんがこのシナリオに参加する場合
・マモルソラを扱う(マモルソラとして参加する)
・マモルソラと戦う
のどちらかを選ぶことが可能です。
両方はご遠慮ください。
▼『マモルソラを扱う』場合
卯木さんはほぼ全てのシーンにおいて『マモルソラ』として登場する形となります。
コメントページでマモルソラとして参加する旨を記入し、
アクションには戦闘パターンや勝利時・敗北時の様子を書いていただけると幸いです。
▼『マモルソラと戦う』場合
他のPCさんと同じようにアクションをお楽しみください。
マモルソラはNPCとして扱わせていただきます。※シナリオ不参加の場合も同様です。
それでは、よろしくお願いします。