【新年度】ドキドキ、成長への第一歩｜リアクション

【新年度】ドキドキ、成長への第一歩

●やりたいこと

「３ねんせい！　あたらしいがくねんなんだよだよ！」
　始業式当日の朝、柚瀬玲音は起床するなり元気いっぱい、大張り切りです。
　寝起きの笑顔は、太陽のように眩しいです。
「そろそろ、おねーちゃんを名乗っていい年齢になったんじゃないカナカナ」
　期待に胸躍らせ、パジャマからnekomimiキャスケット帽にハーフパンツが基本の服装に着替えます。
　4月とはいえ、気温は少し低いですが元気いっぱいの玲音は気になっていないようです。
　いつもと変わらない服装ですが、気分は少しお姉さんです。
「３ねんせいになった今年は、何をしようかなかな？」
　そう考えながら、明るく、元気良く学校に向かい歩き出します。

「うちのお店を、もっと手伝うのもいいかもしれないね」
　玲音のお父さんはサイクルショップ『CatBiCycle』の店主をしています。
　お店のお手伝いも大好きなので、たまに手伝いに出ています。
「そしたら、おとーさんに新しいパーツもらえるし、いいことずくめだよだよね」
　子供用MTBを駆り、どこにでも行くアクティブな玲音は自転車が好き。
　自転車に乗っていろんなところに行くのも好きですが、お父さんの仕事を見ているのも好きです。
「あっそうだ！　みんなに自転車の良さを広めるのもよさそう！　それっぽい活動、どっかでやれるかな？」
　思い付いたのはいいのですが、どうやってやればいいのか。そのことを、ちょっと考えました。

　３年生になったら、クラス替えがあります。
　２年生の時に同じクラスだった子が一緒かもしれませんし、違うクラスだった子もいるかもしれません。
　担任の先生も替わるかもしれません。
「自己紹介の時に、自転車のことを話せばいいんだよだよ！」
　そう思いましたが、好きなことなので、ちょっと話が長くなりそうです。
　どうしようだよ？　と思いましたが、あることを思いつきました。
「それこそ、家でやればいいんじゃないかなかな？　うちのお店でやれば、広められそうなんだよ！」
　お店には自転車がありますし、修理やメンテナンスをしてくれるお父さん、バイトさんがいます。
　雑談スペースにもなっている場所があったり、自動販売機とベンチも一つずつおいてありますので、自転車の話をするのにはもってこいです。
「うちのお店なら、自転車に詳しい人の話を聞くほうが広めやすいんだよ！　実物もあるんだよだよ！」
　ということが、玲音が思い付いたことでした。
　家に帰ったら、おとーさんに相談してみようと思いました。

　自転車のことを含めたいろんなことをいっぱい考えながら、３年生になりたての玲音は今日をワクワクして生きています。
「楽しい盛りの３年生。楽しいこと、楽しいものをいっぱい動かしたいんだよ！」
　それが、玲音が一番やりたいことのようです。
　やりたいことが決まったので、ボクは何組かな？　と新しいクラスを確認します。
「３年３組なんだよ！　クラスが替わったんだよだよ！」
　新しいクラスメート、新しい先生と仲良くするんだよ！　と意気込み、教室に向かう玲音でした。

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