【新年度】ドキドキ、成長への第一歩｜リアクション

【新年度】ドキドキ、成長への第一歩

●新しい５年１組

「５年生か！　もう子どもじゃないぜ！」
　白石龍樹は、５年生になったらクラス替えがあるので誰と一緒になるかな～、とすごく楽しみです。
　そんなことを考えていると去年、クラス替えのことの話をした曖浜瑠樹。
　瑠樹と同じクラスだった桃井かんなのことが頭をよぎりました。
　学校に着くなり、自分が何組なのかすごく気になるので駆け足で５年生の教室へ向かいます。
「お、クラスが張り出されてる！」
　人波をかき分け、張り出されているクラスの前に向かいます。
　俺は何組かな～と、自分の名前を探します。
「１組……あった！」
　自分の名前を見つけるなり、龍樹は大喜びしました。
「去年は、クラス替えがなかったからねぇ」
　曖浜瑠樹は、５年生になったらクラス替えがあるので誰と一緒になるのかなぁと楽しみです。
　クラス発表の紙を１組から順番に見ていくと、１組に自分の名前がありました。
「５年１組……桃井さんや白石君と一緒！　嬉しいねぇ」
　去年、４年生にはクラス替えはないと教えてくれた龍樹。
　４年生の時も同じクラスだったかんなと一緒だったので、瑠樹は嬉しかったです。
「５年生でも一緒だね、曖浜」
　新しいクラスでも瑠樹と一緒になったので、かんなは「よろしく」とクールに挨拶をします。
「また一緒だねぇ、桃井さん。こちらこそよろしくねぇ」
　そんな２人の間に、龍樹は割って入ります。
「おお、瑠樹やかんなも同じクラスか！　俺も同じだぜ！」
「白石君もよろしくねぇ」
　他にも４年生の時と同じ子が何人かいたので、龍樹は５年生の生活が楽しくなりそうだと思いました。

　始業式では、今年も雨宮花三郎校長先生の長い挨拶がありました。
（相変わらず長いな……）
　まだ終わらないのかと思いつつ、龍樹は、あくびをしています。
　校長先生のお話が終わると、各クラスの担任の先生が紹介されました。
「担任の先生、誰かなぁ？　わくわくするねぇ！　優しい人とか楽しい人だといいなぁ」
「俺は、女の先生がいいな！」
　瑠樹と龍樹は、誰になるんだろうとワクワクしています。
　少し離れたところにいるかんなは「これだから男子って……」と、ため息をついています。
（にゃんことか好きだったり、縫いぐるみやゆるキャラさん好きだったり、カプギアで一緒に遊べたりすると嬉しいねぇ）
　瑠樹は、新しい先生のことを想像します。
　５年１組の担任は、胸が大きめで、まあまあ綺麗な女の先生でした。
（よし、やる気出そうだぜ！）
　龍樹は心の中でガッツポーズを。
（優しそうな先生だねぇ）
　想像していた先生だったので、瑠樹は一安心です。

　始業式が終わると、生徒達は教室に戻りました。
　生徒達の自己紹介は、後日、改めて行われることになっています。
　５年１組の先生は黒板に自分の名前を書き、最初の挨拶と自己紹介をしました。
　動物のぬいぐるみと猫が大好きと言った後、少し気まずい表情をしながらカプセルギアも好きです、と教えてくれました。
　それを知った生徒の何人かは、カプギアで遊ぼう！　と先生に近づき、話しかけました。
「先生もカプギアさんが好きなんだねぇ。オレも好きだよぉ」
　気が合いそうな先生が担任で嬉しいねぇ、と瑠樹はニッコリと笑います。

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