【新年度】ドキドキ、成長への第一歩｜リアクション

【新年度】ドキドキ、成長への第一歩

●新しい学校生活

　始業式の翌日は、寝子島小学校の入学式です。
　真新しいランドセルを背負い、お父さん、お母さんと手を繋いで学校に来る新１年生が初めて登校します。
「新１年生、可愛いねぇ」
　目を細めながら、曖浜瑠樹は入学する子達を見ています。
　そういえば……と、寝子島中学校の入学式も同じ日だったことを思い出しました。
「中学校も楽しい入学式になるのかねぇ。色んな先生がいるのかなぁ？」

　入学式では、緊張したり、笑顔だったり、不安そうだったりと新１年生達が入場しました。
　初めての学校生活なので、皆、ドキドキワクワクです。
「俺達にも、あんな時があったよな」
「そうだねぇ」
　お兄さんになった気分な白石龍樹と瑠樹は、新入生を懐かしそうに見ています。

　入学式が終わると、在校生達は教室で自己紹介をしています。
　３年３組の教室では、柚瀬玲音が元気な声で自己紹介を始めました。
「柚瀬玲音なんだよ！　家はサイクルショップ『CatBiCycle』ってお店なんだよ！　自転車のことが話せたらいいと思うんだよだよ！」
　よろしくなんだよ！　と締めくくり、玲音の自己紹介はおしまいです。

　５年１組の教室でも、自己紹介が始まっています。
「俺は白石龍樹。リョージュって呼んでくれ！　趣味はカプギア！　対戦相手募集中だぜ！」
　かっこよく決めるぜ！　とビシッ！　と決めポーズをし「先生との対戦も希望だぜ！」と言って、自己紹介を済ませました。
「曖浜瑠樹だよぉ。ゆるキャラや着ぐるみ、縫いぐるみが大好きだよぉ」
　ゆるゆるのんびりな口調、ほんわか笑顔は、自己紹介の場を和ませました。
　桃井かんなは、相変わらずのマイペースさで「桃井かんなよ、よろしく」と簡潔な自己紹介をしました。

　放課後になるとまっすぐ家に帰る子もいますが、校舎でおしゃべりしたり、グラウンドで遊ぶ子もいます。
「瑠樹、サッカーやろうぜ！」
「いいよぉ」
　サッカーボールを手にした龍樹は、瑠樹を誘います。
「あ、もう前の６年生はいないんだな……。新入生も入ってくるし、お兄ちゃんらしくしなきゃな！」
「そうだねぇ」
　来年になれば、自分達は最上級生になるんだと思うと２人は少し緊張しました。

「白石君、パスだよぉ」
「ナイス！」
　瑠樹がパスしたボールを足で受け止めた龍樹は、ドリブルしてゴールに向かいます。
　ゴールに近づくと、思いっきりシュートしました。それは見事に決まりました。
「やったぜ！」
「やったねぇ」
　ゴールを決めた龍樹と瑠樹はハイタッチをしました。

　楽しくサッカーをした帰り道、瑠樹は、下校中のかんなに会いました。
「桃井さん、一緒に帰ろうよぉ」
　帰れるかなぁ、どうかなぁと心配でしたが、かんなの返事は「いいわよ」でした。
　よかったぁと喜ぶ瑠樹を見て「まだまだ子供ね」とフッと笑うかんなですが、そんな彼女も、まだ子供です。

（今年も１年、楽しい日々になりますようにー！　縫いぐるみやゆるキャラさん達、カプギアさん達とも、たくさん遊べたらいいなぁ！）
　かんなと帰りながら、５年生になっても楽しく過ごせるよう期待する瑠樹なのでした。

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