【新年度】ドキドキ、成長への第一歩｜リアクション

【新年度】ドキドキ、成長への第一歩

●はじめての寝子島中学校

「おじいちゃん、おばあちゃん、じゃあ行ってきます」
　寝子島中学校に転校してから初めての登校になる羽奈瀬リンは、玄関前で見送る祖父母に挨拶をします。
　行っておいでと手を振る祖父に対し、祖母は大丈夫？　と心配しています。
「大丈夫、必要な物は昨日のうちに準備しておいたから。お父さん達からも、今朝、電話したし」
　両親は仕事の都合で一緒ではありませんが、仲は良いです。
　離れて暮らす両親に心配かけまいと、落ち着いた大人のようにあろうとリンは振る舞います。

　早めに家を出たので、ゆっくり桜を眺めながら登校しています。
　桜の季節が終われば、夏がすぐ来ます。
（夏休みまでには「あの子」を見つけたいな。出会った時のように、また一緒に星を見られたらいいな）
　幼い頃に祖父母の家に遊びにきた際、ある少女と出会い、夏休みを共に過ごしたことがありました。
　その少女が星幽塔にいる「ほしびと」らしいと知ったので、２年生より寝子島中学校に編入することを決めました。
　祖父母の家で暮らすということは、両親と祖父母を交えて決めたことです。
　寝子島では不思議がことが起こると聞いたことがあるので、きっとまた、あの時の少女に出会えるかもしれません。

　新しいクラスが発表された紙が張り出されたので、リンは早速、見に行きました。
「３年１組か」
　３年１組の教室に行くと、何人かの生徒がいました。
　生徒達は見覚えのないリンを見て、少し不思議そうな顔をしています。
「おはよう。僕は羽奈瀬リン。今日が初めての登校だ」
　新学期からの転校生か、と、生徒達は納得しました。
　始業式が始まるまで、いろんな人と話すのが好きなリンは挨拶がてら生徒達と雑談しました。

　始業式は、加藤秀雄教頭の司会進行で始まりました。カツラがズレていますが気づいていないようです。
　教頭の簡単な挨拶の後は、大艶暗幽校長の少し長めの話が始まりました。
　それらが終わると２年生、３年生の担任が発表されました。
　３年１組の担任は、家庭担当の猫乃川三毛先生となりました。
「女の先生か。名前からして、猫好きそうだ」

　始業式が終わると、生徒達は各教室へ。
　３年1組の教室では、猫乃川先生が自己紹介をしていました。
　猫が大好きすぎるので、なんでもかんでも話を猫に結びつける先生です。
　自作の猫マスコットを見せたり、猫がいそうな場所のことなど、楽しそうに猫の話をしていました。
（猫乃川先生……名前からして猫好きだと思っていたけど、本当に猫好きだった……）
　猫のたまり場とか詳しそうだ、というのが猫乃川先生に対するリンの感想でした。
　もう少し先生と接し、親しくなる機会があれば猫のたまり場が通学途中にあるか聞いていたいと思いました。

（あとは、早く友達ができればいいな）
　下校する時、クラスメイトの男子から寝子島に来た理由を訊ねられました。
「転校について？　この島でやりたいことがあったからかな」
　両親の仕事の都合で祖父母の家で暮らすことも理由だけど、と付け加えます。
　寝子島中学校初登校ということもあり、リンには、まだ友達がいません。
　少女に関しては秘密にはしていませんが、話すと面白半分にからかわれるのが嫌なので、ある程度仲良くなってから詳しく話すことにしました。
　まずは友達を作ること。それがリンの目標となりました。

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
進級した小学生の皆様。寝子島中学校に入学、進級された中学生の皆様、おめでとうございます。
新年度になり、新しい生活が始まりましたね。

大きくなる第一歩は、皆様にとっては緊張したり、期待したりと様々な感情が湧いたりしたでしょう。
昨年と違う自分になりたい。新しいことをしたい。
夢や希望が、たくさんだと思います。

新しい生活が、皆様にとって良きものでありますように。

ご参加、ありがとうございました。

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