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【新年度】サクラサク、ひとつ大人になる四月
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●新年度、決断
6時ジャスト、
青山 絢
はシーサイドタウンのマンションの、自分の部屋で目を覚ました。
キッチンの方でレンジの回る電子音がする。同居人で従姉妹の
水谷 真優理
はもう起きていて、朝食の準備をしているようだ。いつも悪いなと思うけれど、週末に作り置きしておいた料理を温めなおすだけだから、という世話好きな従姉妹につい甘えてしまう。
「おはよう、真優理さん。あ、御御御付、おいしそう」
「おはよう絢ちゃん。今日から高校3年生ね」
「うん。正直実感ないけど」
食卓に並んだ朝食を見回して、いつもと同じことにほっとしながら絢は答える。
向かい合っての「いただきます」も全然変わらないのに、学年だけが自動的に一つ上がって、成長したね、なんて言われるのは不思議な気持ちだ。
朝食を終えると、絢はシャワーを浴び、歯を磨いたり髪を乾かしたりして身支度を整える。
そのころには真優理もセミフォーマルなワンピースに着替えて、仕事へ行く準備を終えていた。
「真優理さんてさ」
「ん?」
「見た目だけなら完璧な社会人だよね」
「何よ。見た目だけって」
真優理は眉尻を下げて笑う。
職場では有能なコンシェルジュとして評価が高い彼女が、家の中ではずぼら人間になることを、絢はよく知っている。しかも従妹である自分のことが好きすぎて時にストーカーじみてしまうのだから残念無念と言わざるを得ない。
「絢ちゃん……そこで黙るのやめてくれる?」
「ごめん、思うところがありすぎて」
「ひっどい」
真優理は軽く絢のおでこを人差し指で弾く。絢は然程痛くもないおでこを擦った。
正直に言って、真優理へは感謝しかない。父親は高名な写真家で、母親は三年前に他界。父が母の死後すぐに再婚したために家に居づらくなり、逃げるように寝子島にやってきた絢にとって、真優理の存在は砂漠のオアシスそのものだったからだ。ここになら居場所がある。ここでなら息がつける。そう思える場所を真優理は絢に与えてくれた。
いつも通り、二人並んで家を出たのは7時過ぎ。
「ああ……」
真優理が咲き誇る桜を眺めてため息を漏らす。
薄紅色の花たちは、憂鬱など知らぬかのように咲き誇っている。その花びらの、雨のように降る様はあまりに美しく、そう遠からず散り行くだろうことを思うと、感嘆せずにはいられなかったのだ。
いつもなら日常的なことを話すのだが、桜が自分が高校3年生だった時のことを思い出させた。
「私が通っていた学校は、寝子高のようなあらゆる意味で個性的な学校じゃなく、どこにでもありそうなごく普通の共学校だったんだ」
真優理が訥々と話す横顔を、絢はそっと見上げて聞いている。
「絢ちゃんは演劇部だけど、私は天文部。毎年夏と冬に長野県の野辺山高原へ天体観測に行ったけど、意外に体力勝負だったわよ。機材は重いし、観測スポットは結構遠かったりするし、危うく遭難しかけるしで」
一緒に住んで随分になるけれど、この話ははじめて聞いた気がする。
化粧で大人っぽく彩られた真優理の顔に、高校生のころと同じ初々しい笑みが広がる。
「遭難? 大丈夫だったの?」
「一応ね。森の中を迷いに迷って、ようやくたどり着いた観測スポットで見た星空は本当に素晴らしくてね……今も忘れられないわ。他にも夜中に忘れ物取りに校舎に忍び込んで警察に通報されてえらい目に遭ったとか」
思い出し笑いをする真優理につられて、絢も思わずくすっと笑う。
従姉の青春時代の話は面白い。自分もそれなりに寝子高という環境でドタバタやっているとは思うけれど、自分から見たら大人な真優理にもそんな頃があったんだと思うと、彼女も、高校三年生というものも、急に身近になるから不思議だ。
ひとしきり肩で笑った後、真優理は唐突に真面目な顔をして絢を見た。
「絢ちゃん、あのさ」
真優理の変りぶりに驚きながらも、ちゃんと聞かないといけない気がして、絢は彼女を見返す。
「「絢ちゃん、私と違って夢があるんでしょ。1年なんて、本当にあっという間よ。進路のこともそうだけど、この前――クリスマスの時に言ったように、お父さんと一度会って、しっかり自分の全てをさらけ出さなきゃダメよ」
父親との関係にケリをつけるように促され、絢は硬いものを飲み込むかのように黙り込んだ。和解するか断絶するかはともかく、それでも何かを掴み取ることの厳しさを身をもって知ってほしい――そんな真優理の気持ちが痛いほど伝わってくる。
「この3年、全然会ってないでしょう? もう、時間がないのよ」
もう一押し、厳しめに促され、とうとう絢は頷いた。
わかっている。
そうしなければいけないことは、もうずっと、分っていたのだ。
「……真優理さん、今度のGWに父さんに会いに行く」
絞り出すように言った絢の肩を勇気づけるように、真優理は抱いた。
「よく、決断したね」
風が吹いた。桜吹雪がふたりを包み込む。きっと大丈夫と励ますように。
(――今日、私は高校三年生になる。未来は、過去より、きっと優しい)
そう信じさせてくれる従姉妹の肩に絢はそっと頭を預けた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
34人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年02月06日
参加申し込みの期限
2021年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年02月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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