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鬼が嗤いて鴉なく夜
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◆
時期外れの雪が薄く積もった森で、
サキリ・デイジーカッター
は山羊鬼と相対する。
不敵に嗤う鬼の姿に、サキリは肌がひりつくのを、そして心のどこかが熱く昂ぶるのを感じていた。
この比類なき強敵ともう一度戦えるという興奮が、サキリの心を熱くさせる。
(さあ行こうダマスカスブレード。一緒にフツウを守ろう)
ブレードを構える手に、力を込める。
啖呵は要らない。踏み込みは、ほぼ同時。
速いのではなく、鋭い。鬼の踏み込みを捉えたサキリは、そう感じた。
節分の時にあったある種の鷹揚さが消えた、折れる寸前まで研ぎ澄ませた針のような足捌き。だがそれには、奇妙な「粘り」があった。意志と動きの間の誤差から生じる、鈍りと言い換えてもいい。
サキリの戦闘感覚は、その粘りを逃さない。『斬空赤刃』――空間を切り裂き、より疾く距離を詰める。
ブレードが閃く。
鬼は半歩右へ体軸をずらす。最小限の動きで斬閃を回避。大斧を翻し、石突を振り上げる。
腕の捻りだけで放たれた打突が胴を狙い、サキリは後ろに跳んだ。
打突の動きから、そのまま振り抜かれた斧刃が鼻先を掠める。左右に避けていれば、直撃だったろう。
冷や汗をかく間すらない緊張感。粘りを帯びて尚、山羊鬼の膂力と速度は尋常じゃない。ましてや今回は殺す気だ。
直撃すれば、死ぬ。
空間を切り裂き、背後へ。
逆袈裟に斬り上げる一閃を、鬼は斧だけを背後へ振り向けて受け止める。
直後、斧が絡め取るように回転。斧刃にブレードを引っ掛けるようにして、ブレードごとサキリを振りまわす。
逆らうことなく、全身を脱力。サキリは斧を振り回す力の流れに乗り、あえてそのまま投げ飛ばされた。
樹々に叩きつけられる寸前、斬空赤刃。
鬼の右側面へ転移。がら空きの胴へ、横薙ぎの一閃。
「――憤ッ!」
鬼が唸る。
ブレードの「面」を肘で打ち、それを握るサキリの腕ごと叩き落とした。
肘から先だけを翻し、裏拳。
刃を落とされる勢いのまま、身を屈めたサキリ。鬼の拳がその額を掠め、焼けるような一瞬の痛みが走る。続いて、生暖かいものが額を滴る感覚。
瞬間、顎から脳天へと抜ける衝撃。
脳髄を揺さぶられる感覚に、一拍遅れて認識が追いつく。
仰け反るようによろめく己の身体と、膝を突き出した鬼の脚。
(膝蹴り、かっ!)
膝蹴りから、鬼は自然に踏み込みへと繋いだ。振り上げられた斧に断たれた銀髪が、雪に紛れて地面に落ちる。
直後、サキリは鬼の左側面へと転移。
獲物に飛びかかる蛇のようにブレードを一閃。しかし、鬼のふくらはぎを掠めるに留まる。
返す大斧に再び転移で距離を取り、サキリは今更のように口の中に広がる血の味を吐き捨てた。
「……もらったか。顎を捉えた時には、獲ったと思ったが。失敗、失敗」
ふくらはぎの傷を横目に、鬼がぼやく。
「生きた心地はしなかったけどね。敵ながら恐れ入るよ」
鼓動の昂揚を感じながら、刃物のように口元を歪めるサキリ。
視線を巡らせ、鬼と
四十九院 鸞
のおおよその距離を測る。
(だいぶ引き離せたか、っ!)
「余所見するとは、まだ余裕があるように見える。結構結構」
肉薄する鬼の一撃をかわし、サキリは心中で友を呼ぶ。
(次の手は頼んだよ、八神)
◆
森の片隅に、
八神 修
は息を殺して潜んでいた。
足音を立てないようにゆっくりと、しかし出来る限り素早く、鸞先生が横たえられた木へと向かう。
すぐ傍らで演じられる死闘の気配、激しく打ち合う金属音に、否応なしに高まる緊張。深く静かに呼吸を繰り返してやり過ごしながら、修は「その瞬間」の訪れを待つ。
転移したサキリを追って、鬼が駆けていく。こちらに背を向けていて、鸞先生も、そしてもちろん修のことも目に入っていないのがわかった。
身を屈め、低姿勢で突撃する。
「先生」
声を低めて呼びかけると、先生はぼんやりとした様子で修を見上げた。意識はあるが夢見心地。騒がれにくいぶん、むしろ好都合とも言える。
何か言いかけたのを指で制し、「こちらへ」と手を引く。
立ち上がろうとする先生だったが、すぐによろめいて倒れかけててしまう。すんでのところで受け止めると、修は先生を背負うことにした。
「乗ってください」
修と変わらない背丈、そのうえ力が入っていない身体を背負うのは楽ではない。しかし、今はそんなことを言っている場合ではないのだ。
そうして、一歩を踏み出したその瞬間。
巨大な岩が迫るような圧力が修にのしかかる。背中からは、先生の引きつったような声。
――気付かれた。
確かめるまでもなく、全身の感覚がそう告げていた。
走り出す。決して後ろは振り向かない。振り向くまでもなく、確信している。
サキリが必ず、山羊鬼を止めてくれると。
(デイジーカッター、もう少しだけこらえてくれ!)
「余所見の理由はそれか」
不意を突かれたことに激するでもなく、焦るでもなく。山羊鬼は斧を横薙ぎながら、足元の石を掴んだ。
薙ぎ払う勢いを利用し、修めがけて投擲する。
弾丸じみた速度で迫る礫。しかし赤光放つ刃が叩き割る。
「専心するんじゃなかったのか」
言い放ち、サキリは即座に再度転移する。
頭上から急襲。
鬼は前方へ飛び込むように回避。そのまま修を目がけて駆ける。
サキリはその正面へ転移、右へ避ければ右へ、左へ避ければ左へ転移し追いすがり、刃で以て鬼の意識を縫い止める。逆手の斬り上げから、瞬時に順手へと持ち替えて踏み込み、斬り下げ。
胸板を斜めに裂く一閃に、血をほとばしらせて鬼は嗤う。
「余所見の余裕などなかったな。失敬失敬」
鸞先生を背負い、修はとにかく走り続けた。
戦闘の影響が及ばないだろう安全な場所を目指し、社殿の裏あたりに着いたところで先生を降ろす。
「何が起きてるのかしらぁ……?」
事態がまるで飲み込めず、しかし危険と脅威だけはいやというほど感じ取ったのだろう。しかもそれを、生徒がたった二人で相手しようとしている。
問いかける先生の視線は頼りなげにさまよっていて、声は微かに震えているような気がした。
修は手短に事態を説明した。
あの鬼は、何らかの目的で先生を狙っていること。自分とサキリは、先生を守るためにやってきたこと。
そして、
「先生。奴を退けるには、貴女の力が必要だ」
「私の?」
何故と見上げる先生に、修はいちごのキャンディが入った袋を差し出した。神社へ来る際、予感がして持ってきていたものだ。
鸞先生のろっこん、『ストロベリー・バーンナップ』。それこそが勝算で、その発動には「いちごグッズ」が必要だ。
鸞先生にキャンディの袋を握らせ、さらにその上から包むようにして、修は先生の手を握る。
戸惑いの色濃く揺れる先生の瞳を、真っ直ぐにじっと見つめて語りかける。
「俺たちだけでは山羊鬼には勝てない。だからお願いします、先生」
無分別な力ではなく、美味しい苺のある優しい世界を守る明確な意思で。
「俺たちに、戦う力を。貴女を守る力を与えて下さい」
世界だなんて、大層なことを言うつもりはない。先生を、今も戦っている友人を、そして大好きな人の笑顔を守るために、修は先生に頭を下げる。
鸞先生の手が、キャンディの袋を握りしめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
バトル
定員
3人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月25日
参加申し込みの期限
2021年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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