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鬼が嗤いて鴉なく夜
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◆
ミシ、と。
受け流しきれない力に、サキリは全身の骨が軋む音を聞いた。
(――跳べっ!)
身体が宙に浮く寸前、力の向きに沿って跳躍。なお流しきれない力、転移の間もなく地面に叩きつけられる。
背中から胸を貫く激痛。肺の中の空気が一気に吐き出され、手足が痺れた。立ち上がりが遅れる。
上体を起こした時には、鬼はもう目の前に迫っていた。
鬼が斧を振り上げる瞬間、その足元が溶けたように崩れる。かと思うと、崩れた地面が縄のように姿を変えた。そのまま鬼の腕へと絡みつき、締め上げる。
「奇怪、奇怪…っ!」
うめく鬼の後方で、修が『分解』を発動していた。
鬼に拘束を千切られないよう、『ストロベリー・バーンナップ』で暴走させた進化能力に意識を集中する。頭の奥が燃えるような感覚に、額に脂汗が滲んだ。
先生がキャンディに込めたものが、如何に守るための意思だとしても、『ストロベリー・バーンナップ』は「ろっこんを暴走させる力」を付与する能力。暴走を制御しようとすれば、負荷は決して免れられない。
いちごキャンディを飲みくだし、修はスリングショットを構える。
「デイジーカッター、これを!」
弓なりに放ったソレは、やはりいちごのキャンディだ。
「助かる!」
回収しながら、転移で山羊鬼と距離を取るサキリ。
山羊鬼が『分解』による拘束を解いたのは、ほぼ同じタイミングだった。
「援護するぞ、デイジーカッター。反撃といこう!」
スリングショットを構え、山羊鬼の胴体を目がけて十発近い金属弾を発射する。磁石つきバンドを使った、散弾の真似事だ。
(妖の類は金属を嫌う。お前はどうだ?)
鬼は腕を盾にして金属弾を防ぎ、修を一瞥する。その姿に、特別に効いた様子はない。
その様に、修は心の内で軽く舌を打つ。どうやら、奴には関係ないらしい。しかしスリングショットで放つ金属弾は、十分凶器になり得るもの。ダメージ自体はあるはずだ。
(胴が有効打にならないなら)
サキリ目がけて踏み込む山羊鬼。その頭部――瞳を狙ってスリングを放つ。山羊鬼の速度、夜という環境。それらの要因故に、瞳にはそうそう的中しない。それでも、顔面を捉えることはできる。
金属弾が顔面で弾け、山羊鬼が顔をしかめた。
文字通り瞬きほどの刹那を突き、サキリは鬼の脇腹へと斬り込む。
山羊鬼が後ろへ退いたその瞬間、修はいちごのキャンディを飲み込み、『分解』。
退いたその足元が崩壊し、体勢を崩す山羊鬼。大斧の柄を振り上げブレードを弾こうと、
「そこだっ!」
もうひとつキャンディ口に含み、再度『分解』。大斧の柄を、それを握る鬼の手のすぐ傍から分解。
サキリのブレードが、弾かれることなく鬼の脇腹を斬り裂く。
ブレードを振り抜きざま、サキリは袖口からナイフを放っていた。
ほとんど零距離から迫る刃を、鬼は歯で受け止めた。ナイフに喰らいつき、刃を噛み砕く。
その間に、サキリは鬼の脚へと組み付いている。口にくわえるのは、修から受け取ったいちごのキャンディ。斬空赤刃、発動。。
山羊鬼ごと、サキリは転移する。強烈な浮遊感と、眼下に広がるの境内の森。暴走を利用した、神社の遥か上空への転移。
「流石に空は飛べないだろう?」
鬼の脚から手を放し、思い切り蹴り飛ばす。
勢いよく落下していく巨体を尻目に サキリは連続転移で危なげなく着地。
一拍遅れて、山羊鬼が地面に激突。轟音と共に、土埃と雪埃が舞い上がる。
奇襲は成功したが、あれだけで倒せるとは思っていない。埃の向こうの影が動くより先に、サキリは疾走。頭を抑えてよろめく山羊鬼の姿を捉え、転移。
鬼の頭上へと出現、赤光の刃を振り下ろす。
飛び退る山羊鬼。赤光纏う切っ先は、捻れた角を断ち切るのみ。
直後、鬼の踏み込み。柄が分解された斧を、跳ね上げるような軌道で振り上げる。
修の放った金属球が、鬼の肩口に弾けた。散弾をまともに受け、斧の軌道がぶれる。
掠めるように斧を躱し、サキリは再び転移している。地面を這うような低姿勢。頭上からの一撃に、肩をスリングショットに視線を奪われた鬼からは、見えない位置。
赤刃が鬼の脛を、
――ぐしゃり。
ブレードを握る手が踏み潰される。
ハンマーで殴りつけられたように鈍く、骨に染む痛みがサキリの腕を走り抜ける。山羊鬼の「粘り」のせいだろう、骨が折れなかったのは幸いと言えた。
鬼の拳が降り降ろされ、しかし寸前にスリングが鬼の内腿に喰らいつく。踏みつける力が緩み、拳が鈍る。
しかしなおも顔面を捉えた一撃に、サキリは鼻の奥の粘膜が切れるのを感じた。口どころか頭の中いっぱいに広がる鉄臭さと、頭を揺さぶられる感覚にむせ返りながら、転移で追撃を逃れる。
追う山羊鬼は、しかし不意に立ち止まる。
両足のまわりの地面が抉れ、縄のように両足に纏わりついていた。
続けざま、スリングショットを発射。眼球を狙って飛び来る金属弾を、鬼は斧を盾にして防ぐ。
ろっこんを制御しながら、スリングショットで狙い撃つ。
分野の違う集中力を要する二つの動作の並行は、修に多大な負荷を強いていた。通常ならばまだしも、『ストロベリー・バーンナップ』を受けた状態だ。しかもそれをこの短時間で繰り返している。
(そう何度もできたものじゃない、か)
頭の中を、嫌な熱がじんわりと広がる感覚。本能が鳴らす警鐘は、しかし無視する。どんな形であれ、躊躇があって勝てる敵ではない。
斧を盾にして釘付けにしている間に、もう一度斧の『分解』を試みる。キャンディを取り出そうとした瞬間、鬼の近くから破砕音がひとつ。
それが何の音だったかを認識する間もなく、風切り音が迫るのを耳が捉えた。
反射的に上半身を捻る。掠めていったのは、一握りの土くれだった。分解で操作、鬼を拘束していた地面の一部だ。
引き剥がしたのだ。力づくで。
回避の一瞬、操作する意思が途切れた。
崩れた土の塊を、鬼は斧で掬い上げるようにして弾き飛ばす。土埃が、修の視界から鬼を隠す。
土埃の薄い方向へ、距離を保ったまま回り込もうと走る修。その横面を、石ころが殴りつけた。
嫌な音が耳の中を反響し、瞳の奥で火花が散る。倒れそうになりながら、辛うじて踏みとどまる修。
土埃の向こうから、右手の大斧を振りかぶる鬼が迫る。
その姿を、その背後を見て、修は笑った。
鬼が自分を狙うならば、その隙に友が斬る。そう信じているからだ。
山羊鬼の背後、その足元。
鬼の脛を狙い、サキリが赤光放つブレードを閃かせる。
鬼が右へ跳ぶ。
地を這う姿勢はそのままに、サキリも跳んだ。肉食獣が獲物に飛びかかるように。空中で身を捻る。生じた回転の勢いを乗せ、赤光纏う斬り上げ。
その切っ先が、鬼の右腕を捉えた。しかし両断には、斬り落とすには至らない。
跳び、旋転し、不安定な姿勢となったサキリへ、鬼は右腕で肘打ち。額を砕く一撃に、『斬空赤刃』――鬼の背後へ、頭上左へと跳ぶ。
(赤刃三連切り――今度こそ、喰らえっ!)
「だろうなあっ!」
振り向きもせず、鬼が吼える。右手の斧を手放し、左手で斧刃のすぐ傍を握って掴みなおす。
斧刃が跳ね上がる。狙うのは、赤刃握るサキリの腕。
しかしサキリは、刃を振るう手を止めない。
友の一手を、信じているからだ。
斧がサキリの腕に触れる寸前、その刃が飴細工のようにぐにゃりと歪む。
(あの日は『分解』が間に合わなかった。だが先生の力がある今ならば!)
一瞬の交錯の間を捉え、修が斧刃を『分解』していた。
『ストロベリー・バーンナップ』による暴走の出力を用いた、通常よりも遥かに素早い速度での分解。
もう何度目かもわからない暴走の負荷に、鼻からは血が溢れ始めている。血の味が口にまで伝わっても気にも留めず、修は分解を発動し続ける。
やがて、ぷつんと。
斧の刃がぐずぐずに崩れるのを見た瞬間、糸が切れるような感覚があった。顎の先までべったりと濡れているのに気付いたのは、その時だ。
(これは、まずい……な)
度重なるろっこんの暴走と、その制御による甚大な負荷。如何に思考を巡らせたところでどうにもならず、修の意識はそのまま途切れた。
激烈な反応速度で、鬼が身体を退く。が、遅い。
分解された斧刃ごと、斧頭ごと、ブレードが鬼の左手首を斬り落とす。
「ぬおっ、おおお……!?」
この日、この戦い。はじめて、山羊鬼は苦痛に叫んだ。
巨体のよろめきは一瞬、次の刹那には杭打ちじみた勢いで踏ん張る。左手ごと落ちる斧――もはや粗雑な鉄槌と言うべきだ――を右手で掴み、突き上げる。
打突がサキリの腹を直撃。背中まで穿つような衝撃に、サキリは一塊の血を吐き出して吹き飛ぶ。
転移を利用して立ち上がる眼前に、鬼が肉薄する。
「神など落ちてこなければ、『フツウ』などなかった」
ブレードと鉄塊が打ち合う音に紛れ、山羊鬼が不意に問いを発した。
「何故お前たちは、そこまでして神を守る、『フツウ』を守る? 何故、何故だ? 何もしない神のため、何故こうも命を賭けられる?」
挑発だと思った。守ろうとするものを、その理由を嗤い、怒りを誘う。安い手だと。
(なんだ、今の)
しかし問いかける鬼の姿は、苦悶をこらえているかのようだった。多分、鬼自身も気付いていない。
その戸惑いが、一瞬の隙を生んだ。
鉄塊がサキリの脇腹を捉え、骨が、筋肉が、内蔵が悲鳴をあげる。
叩きつけられ、転がり、土と雪に塗れる。激しく咳き込みながら、しかし地面に突き立てたブレードを支えに立ち上がった。
「――何故だ?」
眼前に、鉄塊が迫る。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
バトル
定員
3人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月25日
参加申し込みの期限
2021年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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