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束の間の休息、戦士達の安らぎ
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そして、別の場所でもまた悲鳴が上がっていた。
それは異空間にあるちーあの住居内のキッチンである。
床には倒れ伏した人々がおり、その誰もがぴくぴくと白目を剥いていた。手にはスプーンを持っているその光景はある種の殺人現場にも見えなくはない。
「おっかしいなー、ちゃんと入れたはずなんだけど?」
「ううーん、ど、どうしてそうなるんでしょうね。おかしな所は、多分、きっと……そこまではなかったはず、だけど」
キッチンにて黒髪ツインテールな少女イザナの背後で困った表情を浮かべていたのはエプロン姿の
白石 妙子
であった。
彼女はイザナに料理を教える為にやってきたのだが……彼女の料理姿を見る度にその表情は固まっていったのである。
なぜならイザナは食材を切る際に大振りで包丁を振り下ろし、素材の皮を剥かずに鍋に放り込む。
しまいには自身の放つ雷撃で鍋を沸騰させ、調味料は適当にばかばかと放り込んだのだ。
教えるにもまずは実力を判断してみようとのことで見ていたのだが……ちゃんとした料理ができるまでには前途多難である。
まずは食材の切り方を教えなければと思い、妙子は包丁の握り方をイザナにレクチャーした。
「えっと食材の切り方からいきましょうか。柄をしっかりと握って……そう、それで手は猫の手にしたらいいと思うわ。そうしたら食材が逃げていかないから」
「こう、かな……で、食材が逃げる前に……一気にとどめを――――」
大きく振り上げ、必殺の構えを取ったイザナの刃が寝ころぶ食材の首元へ……という所で妙子の待った、の声が入った。その声は優しい。
「待って待ってイザナちゃん、どうしてそんな大振りにまるで敵を倒すかのように構えちゃうのかな?」
「え……だって食材って動くし、逃げるじゃない? だったら一撃で仕留めないと」
彼女が言うには食材は動くし、逃げるし、反撃をするという。まあ、異世界出身の彼女の世界では、の話だが。
「大丈夫。寝子島の食材は動かないし、逃げないし、反撃なんてしないわ。だから安心してゆっくりと切る様にしましょうか」
妙子がまるで子供に教えるような丁寧な口調で優しく、かつわかりやすく教えていく。そのおかげかイザナは無事、食材を切ることができた。
次は鍋にそれらを入れ煮込む作業である。ここでは前回、イザナが雷撃で火を使わずに沸騰させた為に沸騰しすぎとなってしまっていた部分だ。
イザナが前回と同じように右の手の平に雷撃をチャージし始めた所で妙子の待ったが入った。
彼女の声に反応しイザナは雷撃を消すと不思議そうな顔で妙子の方を見ている。
不思議なのは私の方だ、と言いたかったがそれを堪えて妙子は優しく聞いてみた。
「あのイザナちゃん? なんでまた雷撃を放つポーズをしてるのかしら? できれば、教えてくれるかな」
「だって高火力で沸騰させないと水の毒って消えないじゃない? この世界の火は火力がなさ過ぎて役に立たないわよ」
「……え、水に毒、あるの? イザナちゃんの世界では」
彼女が言うにはイザナの世界では水は常に毒に汚染されており、沸騰させなければ腹を下すとのこと。
それも火で沸かそうものなら毒は取れ切らず残ってしまう為に高火力で一気に沸騰させる必要があるのだとか。驚くべきは異文化である。
「だ、大丈夫よ。寝子島の水は毒なんてないし、普通の火で十分だから」
妙子に言われ、そのままイザナは順調に調理を進めていった。なお、調味料については『わからないから適当に入れた』だけだったので正しい分量を教えることで事なきを得た。
そうして完成したのはやたらどす黒いシチューである。何をどうしてこうなった。
妖しい匂いが立ち込め、醸し出すのは負のオーラ。
禍々しいそれは食べれば一発あの世行きとでも言えるかのような雰囲気を持っていた。
「み、見た目が悪くても大丈夫。味は、きっとうん、平気なはずだから。事故なく、無事に作れたわけだし!」
「じゃあ、味見してくれる? ほらあーん」
イザナから信頼された眼差しを受け、それはちょっととは断れない妙子は意を決してスプーンからヤバイシチューを口に入れた。大丈夫、変な食材は入ってないはずと言い聞かせながら。
直後、周りの者と同じように彼女は白目を剥いてその場に倒れた。
「ちょっと妙子!? 口から泡拭いてるし、ああもうっ……なんでこうなるかなぁ!」
普通に作ったはずなのに何故? それが妙子が気絶する前に思い浮かんだ言葉であった。
倒れる妙子を介抱するイザナを見ながら鍋をくるくると掻き回すのは
白 真白
である。
今日は可愛らしいエプロン姿の彼女はイヴァと共にシチューを作っているようであった。
「あっち大変そうだけど大丈夫かなぁ……なんか妙子さんに至っては倒れちゃったけど」
「イザナはああ見えて状態異常の回復魔法とか使えるから平気だと思いますよ。あ、いいお味になってる」
小さな受け皿に味見の分をおたまですくって食べたイヴァは二人で作っているシチューの味に顔をほころばせる。
真白も調理経験が豊富であり、まだこの世界の食材に余り慣れていないイヴァを補佐しながら一緒に作っていたのであった。
「そういえばイヴァちゃんのアルカニアだっけ、あそこでのシチューは普通に作ってたけどそんなに世界が違うと調理方法って変わるものなの?」
「ええ、変わりますよ。アルカニアでの食材はえぐみが強いのでどの食材も下処理が大事ですし、私とイザナの出身世界ではどの食材にも命が宿り、動き回るので息の根を止めてから調理しないとだったりしますね」
「えっ、動き回るの!? 食材が魔物化してるとかそういう感じかな?」
「ですね。水は有毒な物が普通ですし、調理するにも大変、というのはありますね……」
「す、凄まじい世界……っ」
固形化した鶏ガラを少し入れ、味を調節しながら塩をシチューに加えつつ、真白は味を確かめる。
鶏ガラの風味と味が染みわたり、しっかりとした濃い目の味が付いていた。
彼女が濃い味にしたのには理由があった。彼女が目指していたのはただのシチューではないのだ。
「へへ、ここでーこうしてごはんを入れます! そして、掻き混ぜるとぉ……簡単、シチューリゾット風の出来上がりぃ!」
「わあぁ、すごいですよ。リゾットって割と面倒なものですけれどこれならお手軽にできちゃいます」
「ふふん。伊達に普段から料理してないよー。お腹にも溜まるし、美味しいし最高だよね!」
真白達の料理が完成し、料理が揃った一同はそれぞれの料理を並べ席に着く、妙子はまだ伸びているようなのでベッドに寝かされていた。
まず、真白とイヴァの作った料理を食べてみる。
ごはんとシチューの混ざったその料理は塩味がきいていて噛むほどに満足感が広がった。
アクセントに入れられているわずかなハーブと切られたウィンナーが更に深い追い打ちをかけていく。
「お、おいしい! シチューとごはんって絶対に合わないって思ってたけど……これなら全然食べられる!」
「そうでしょそうでしょ、ごはんもシチューも相性は抜群! 繋ぐのには技術はいるけど、アレンジ次第でなんでもできちゃうんだから!」
さて次は問題のイザナの料理である。やり方は普通。見ている限り、やばい部分は見受けられない。
だがなぜか食べた物は次々と泡を吹いて倒れるのである。
真白はイザナの作った禍々しいオーラを放つシチューを意を決して一口食べてみた。
するとまず、深いボディーブローを食らったかのような衝撃が彼女の腹を直撃した。そして次に大上段から振り下ろされる一撃が彼女を襲う。
真白はそれを避けようとするが足元から現れた黒い骸骨の手達がそれを許さない。
振り払う間もなく大上段からの一撃をまともに脳天から受け……真白は敗北したのだ。
スプーンを落とし、机に白目を剥いて突っ伏し……たかのようにみえたがぎりぎりの所で真白は踏みとどまった。
僅かなに残った意識を何とかはっきりとさせ、イザナの方を向くと搾り出すような声で彼女は感想を述べた。
「……だ、だいじょ、うぶ……まあ、あとは……回数、こな、せ……ば――ぐふ」
そこまで言って真白は机に突っ伏した。どうやら限界だったようである。
だれもがイザナに料理は無理ではないか、そう思ったその時。
キッチンの扉が勢いよく開かれ、少女が大仰に登場したのであった。彼女は
旅鴉 月詠
。キッチンに呼ばれてやってきた魔女である。
「お困りのようですね、異世界からのお客様っっ!」
「え、待って、誰? 待って、誰なの?」
「誰、と聞かれたら……答えてあげるが――――私の名前は
旅鴉 月詠
! 呼ばれてきた魔女ですが何か!?」
「いや、うん……魔女っているんだ、寝子島に」
イザナと共にキッチンに再び立った月詠は彼女に的確にアドバイスを始める。
まずは包丁を持つイザナのつたなさと下処理の甘さを指摘した。
「いいかい。君の場合、キッチンを戦場と考えるんだ。敵を前にして躊躇は必要ない。勝つための下準備は抜かりないだろう? 戦士ならば」
「そりゃ勿論。相手に負けないように常に一歩先を考えて動くのが戦士ってもんでしょ」
「そう、だったらこの食材達は敵なんだ。彼らを倒す為にはしっかりと下準備……下処理をしないといけないんだ」
戦場になぞらえた彼女のイザナ用のアドバイスはイザナにとってわかりやすかったようで甘かった下処理は今度は完璧に出来上がった。
そこには妙子に教わった基本も生かされており、月詠と妙子のアドバイスによってイザナはしっかりと下処理が出来るようになったようである。
「味付けの基本はさっき教わっていたようだから大丈夫だと思うが、こういった物は少量ずつから試すといい。いきなり多く入れてしまっては取り返しがつきにくいからね」
「なるほど、でもさあんまし味とか調節するの得意じゃないんだけど……好きなように入れたらみんな泡吹くし」
「それなら最終的な味の頼りはイヴァに頼むといい。彼女の舌に信頼は置いているだろうし大体は一緒に食事をとるんだろう」
「ふむ……それもそうね。イヴァに味を見て貰えばまあ、死人は出ないか」
彼女に教わりながら作ったのは簡単な卵焼きであった。丸めるのに少々のコツがいるものの、他の料理よりは味付けの難易度は低い。
そして出来上がった卵焼きは少々崩れたがまあ、食べられる出来であった。
「うん、ま、最初はこんなものだ。調理というのは鍛錬と同じ。上手くなりたいのなら励めばいい。簡単だろ?」
「確かに。技でも魔法でも練習なくしては完成はあり得ない。調理も同じってことか……」
「それはそうとこれを食べてみてくれ。先程、調理したものだよ」
月詠が出したのは更に出された唐揚げであった。あつあつの湯気が立つ唐揚げがそこにある。
イザナはそれを一つ口に放り込んだ。ジューシーな肉の旨味と醤油味が口の中で踊る。
「むぐ、んぐんぐ……なにこれ、めちゃ美味しいじゃない! でも……こんな時間の掛かる揚げ物なんて料理いつの間に……魔女だし魔法だったり?」
不思議そうに問いかけるイザナに月詠は笑いながら答えた。その手には袋が握られており、表面に部族風少女が笑う絵柄と共に『美味しい唐揚げ・極み』と記されていた。
「これは魔法じゃない、日本の誇る冷凍食品だ。日本は食にとってもこだわりが強くてね、こういった美味しい冷凍食品や調理済み商品が数多くある。どれもレンジ数分、チンってするだけで手軽に美味しい料理が楽しめるんだ」
「へぇ……ここって便利な世界ねぇ。私の世界じゃ全部作らないとだったし。手軽にできるのならそれもいいわね」
「ああ、こういった物に頼るのも手だ。外食に行ってプロに頼り対価を払うのだっていい。それは経済を回すってことだからね。こと調理ってのは店を開くとかじゃなければそれはほぼ趣味の域。手を抜くって選択肢も大事だ」
「なるほどねぇ……それなら作りたい時以外はこの冷凍食品とかを頼ることにするわ。舌を鍛える事にもなりそうだし。でも、もしもまた作りたいって時があったら……手を貸してくれる?」
「勿論。そういう時は呼んで欲しい。その時はしっかりと調理のことを伝授してあげよう!」
決めポーズのような物をびしっと取る月詠の姿にイザナは笑顔になった。
こうしてイザナは調理に興味を持ち、いつしか殺人級料理ではない物を作れるようになるのかもしれない。
戦士達の休息。
それは穏やな日常であり、彼らは戦うのが本業ではなく普通の人であるということを自覚させる日々だ。
血に濡れる者は血に溺れ、いつしか自分を失う。
そうならないように戦いの場ではない、自分の居場所も戦士には必要なのかもしれない。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月17日
参加申し込みの期限
2021年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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