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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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小さくなって羽根を生やした姿になって、天つくような桜のもとでお花見……なんとも奇妙なこの状況に、巫部紫苑も巻き込まれている。
「これはこれは……なんか体が小さくなってるような? 不思議ですねぇ……でも、そんな事より美味しそうな匂いがしますね♪」
買い物に東西奔走する途上、紫苑は寝子島病院の桜を目にしていた。花はあまりついておらず寂しげ、この樹のみならず病院の庭にある桜は、軒並みなんだか元気がないように見えた。
だから弁当をしっかりたっぷり大量に作ってから、紫苑はまっすぐこの場所を目指したのである。
「元気がないのであれば、おいしそうなお弁当をあの桜のもとで食べて元気づけてあげましょう♪」
この考え方がさくの願いとぴったり一致しているというのは一種のミラクルといえよう。
もちろん紫苑もさくに招待された。
「楽しくお花見すればいいんですか? それならお安いご用ですねぇ」
あっさりなじんだ紫苑と比べると、智瑜はまだシチュエーションの理解に時間がかかっているようだ。
声にみちびかれて病院の庭に入った。
そしたら身体が小さくなっちゃって、おまけに背中に羽根がはえちゃった。
そのうえ妖精のお花見に参加することになった……って。
また神魂の影響なのかな?
でもみんな楽しんでるからいいのかな……。
きょろきょろしてしまう。せめて親しい人のひとりでもいれば――いた。
「義弘先生!」
誰に習ったわけでもないのに、背中の羽根でぱたぱたと飛び上がった。木の枝に降りる。縦列駐車みたいに上手に、ぴたりと桐島義弘の隣に着地した。
「先生、こんなところで会えるなんて……!」
絢子に「来年度は三年生の担任でしてね。生徒もセンシティブな時期なんで気苦労が多そうですよ」と話していた義弘だが、「うん?」と智瑜に視線を転じた。
「宮祀か。どうしたこんなところで、迷子か?」
ほんわりと頬が赤い。彼のすぐそばには一升瓶があった。ラベルには『本格焼酎・妹の拳骨(げんこつ)』と毛筆体で書かれている。アルコール度数は四十度。
「まさか、お花見ですよ」
「それは結構。館内放送を頼まねばならないところだった」
館内放送? 義弘は大真面目な口調だが内容はあきらかにおかしい。
「先生、酔ってます?」
「酔ってない」
でも、酔っている大人はたいていそう言うものだと智瑜は知っている。
とはいえ乱れるというほどではなさそうだ。
「ご相伴にあずかっていいですか? 私は未成年だから桜のジュースですけど」
「いいとも」
と言うと義弘が注いでくれた。自分でやるから、と断って手酌で自分のグラスも満たす。焼酎を、だ。水もジュースも加えないストレート。
「先生、乾杯しましょ」
「おうとも」
言い方にいちいち酔いが感じられる。
「私は下を見てくるわ」
ちょうど折良く絢子が席を外したので、これはチャンスとばかりに智瑜は義弘先生の腕にぎゅっと抱き付いた。
「じゃあ先生、乾杯」
「乾杯!」
義弘はグラスを合わせると、あろうことか一息でグラスを空にした。
さくは三人かと思いきやよく見ると六人だったり、はたまた十人になっていたりまた二人に戻っていたりして正確な人数はわからない。
しかしひとつ、確実に言えることがある。
「今回持ってきた茶菓子は僕の拘りセレクションだ」
とサキリが包みを解くと、さくたちが一斉に拍手したということだ。
僕は刃物以外に甘い物も大好きでね――と口にしかけたが、さくたちが怖がるといけない、その一言は飲み込んでサキリはつづけた。
「星ヶ丘の高級店から、知る人ぞ知るマニアックな店にいたるまで網羅している」
一押しはこれだ、とサキリは紫苑にラングドシャを勧めた。
「きれいな焼き色ですね♪」
「さあ食べてみてくれ。僕はこれをはじめて食べたとき、あまりのおいしささに世界がひっくりかえるかの如き感動を覚えたよ」
「世界がひっくり返る?」
葉月も興味をもったようで手を伸ばす。
もしひっくり返ったとしたら、近いうち私に立ちはだかる高い壁はどうなるだろう……壁から逆転して堀になるとか?
ふとそんなことを葉月は思った。
「おいしー!」
萌は目に星マークを宿して叫んだ。
「本当だ! ひっくり返った! これはMMR出動要請的事件だよ!」
「おい……」
ユウがつっこむまで、萌は背中の羽根をつかい、天地逆の状態で羽ばたきつづけ滞空していた。
「ありがとうございます」
リンは緑茶を受け取った。サキリが保温ポットから入れてくれたものだ。
「あの……」
サキリを改めて見る。
流れるような銀の髪、炎を宿したような赤い目。もしかしたらこの人なら彼女のことを知っているかも――そんな気がしたのだ。
「もしかしたら、あなたは『ほしびと』ではありませんか」
いや、とサキリは首を振った。
「俺はフツウの人間だよ。この島に来て、それを実感している」
言いながらも、サキリは我が身に問い直していた。
なにをもってフツウとするのか――。
はっきりと定義はできない。
思い出してみると、僕のこれまでは、様々な敵と戦ってばかりだった気もする。
きっと僕自身が心のどこかで戦いを求めているのだろう。
それをフツウと言っていいのだろうか。
昔の僕とは変わったけれど、闘争を忘れて生きられるほど優しい人間では無いんだろうね。
しかし戦いそのものが目的ではない。ないはずだ。
僕の戦いは、フツウを守るためのものだ。
「どうぞ」
とリン――さっきの少年が返杯をくれた。
桜の一夜酒というらしい。甘酒なのに、グラスに半分空けただけで頭にふんわりと霧がかかったような気がした。
「ああこれも絶品だねえ」
ため息つくようにサキリは言った。
休息はこの一時だ。
絶神との戦いにも一段落ついたけど、今度は山羊鬼という強敵が現れた。
その背後にはまた新たな敵の影が見え隠れしているように思う……。
戦いが終わる日は当分来るまい。
僕はこの、かけがえのないフツウを守るために戦いつづける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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