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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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ふたたび、公園。
「綺麗に咲いたものです。見事ですなあ……はい」
吐前刑事はニコニコとして呑気そうだが、九鬼姫のほうはなお機嫌が悪い様子で、ふんと鼻息して腕を組んだだけだった。
いま、三人はベンチに並んで腰を下ろしている。
中央に暦、左右は吐前と九鬼姫だ。
そろってペットボトルのお茶を持っている。お花見どうですか? と暦が声をかけたところ、吐前が気を利かせ自販機で購入したものだった。
「あ、桜餅をいただいたんです。九鬼姫さんいかがですか? よければ刑事さんもどうぞ」
暦が開けてみると、パッケージは二重底になっており、桜餅が十個程度入っていることが分かった。桜の葉のいい香りがする。
「葉っぱは寝子島のものを使っているそうです。ひょっとしたら、目の前の桜かもしれませんね」
長命寺餅いわゆる関東風ではなく、もちもちとした関西風、別名道明寺餅の桜餅だった。扁平にした餅のふんわり桃色と、あざやかな葉の色の対比が目にもうれしい。
ああこれ、ご夫婦ふたり分、ということだったのでしょうか。もらいすぎかもしれませんね――。
心の中でさきのご婦人に頭を下げて、暦はふたりに中を示した。
「馳走になる」
むすっとしてはいるが桜餅の魅力にはあらがいがたい様子で、九鬼姫はひとつ手づかみで取った。
「はい、これはありがたい」
対する吐前刑事のほうは、付属の楊枝をつかった。
暦も口にした。
甘い。
それに口当たりもいい。
寝子島でよく売られているのは長命寺餅のほうだが、このもちもち感は道明寺餅独自のものだ。
しばらく桜と桜餅を味わったのち、おもむろに暦は言った。
「それで……どうしましたか九鬼姫さん? 大声出してると、あんな静かな場所では丸聞こえですよ?」
「吐前が、しつこく訊いてくるのじゃ。わらわは知らんというに」
桜餅がきいたらしく、もう九鬼姫の口調は尖ってはいなかった。
「なにをです?」
「客のことじゃ。松木とかいうやつ。一時、毎日のように来ておった」
九鬼姫に個人情報保護とか秘匿義務という言葉はないらしい。
「じゃがしばらく前に、ぷつっと来んようになった。そう何度も説明したじゃろうが」
「ああ、はいはい。でも私がですね、訊きたいのは九鬼さん、その先ですよ」
九鬼さん――あまり聞かない呼び方ですね。ひょっとしたら苗字がそうなっているのでしょうか? それとも単に、刑事さんが勝手につけただけの愛称……?
気にはなったが暦は口を挟まない。
「九鬼さん、あなたずいぶん、あの男に口説かれていたんじゃないですか? 大阪に来て俺の店(クラブ)に入れや、とか何とか。給料はたんとはずむでえ、とか」
「
知らん!
」
九鬼姫の声が急に大きくなった。
だが吐前はまるで動じない。口調も変えない。
「ご用心くださいね。うまい話には裏があるものですよ、はいー」
――!
散歩中の白い老犬みたく、ずっと穏やかな語り口なのだが、暦は刑事の声に冷ややかなものを感じ取った。
それで、と言いかけたところで急に、吐前がぴょんと飛び上がるようにして立った。
「つ、司(つかさ)さん……!」
「あら吐前くん」
見ればさきのご婦人が来ていた。暦を見て、
「桜餅だけじゃ喉がかわくでしょう。お茶、あったほうがいいと思って」
と魔法瓶を示す。しかしそれより驚いたのは、彼女がどうやら吐前と知り合いらしいところだった。
「こ、こんなところでお目にかかるとは、いやはや、世間は狭いものです……」
かくして花見は続行となった。
吐前とご婦人(
司 登和子
さんというそうだ)、暦と九鬼姫の二組にわかれて。
「お爺ちゃん刑事さんとあのかたが元同級生だったとは……たしかに世の中、狭いものです」
くすくすと暦が笑う。
しかも吐前にとって彼女は、憧れのマドンナだったというではないか。刑事がハンカチで、やたらと汗を拭いているのはそういうことだろう。(なお吐前はいまもって独身だ)
「いい歳をしてなんじゃ……胸焼けしそうじゃわい」
とは言うものの九鬼姫も目が笑っている。
目の前には吐前刑事と登和子、ふたりが見上げている桜。
そして隣には九鬼姫。
こんな花見もたまには悪くない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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