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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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舞うは桜、外は春の色が弾けていた。
そこかしこで桜の花が咲き乱れている。
そろって並木道を歩く。
「いい感じじゃない?」
じゅんが目を細めた。レース飾りのチュニック姿、短いスカートに黒いニーソックスを合わせ、髪はツインテールに結っている。
「そうね。満開」
と返したさゆるに、「じゃなくて」とじゅんは笑う。
「私たちよ。なんとなく人目を惹いてると思わない?」
「……わからない」
さゆるは首を振った。さゆるは通販で買った白いブラウスを着ているだけだ。ボウタイがついているものの装飾といえばそれくらい。合わせているスカートもフォーマル寄りである。
しかし実際、ちらちらと視線が向けられてはいた。といってもさゆるにとってはいつものことなのだが。
やがて海浜公園にたどりついた。
さすがに花見日和だ。多くの人でにぎわっている。話し声で波音などまるで聞こえないし、風に乗って音楽も流れてくる。合間合間には呼び出しの放送が入った。
しかしいずれもさゆるの耳には、どこか空疎に響くばかりだった。
ようやく人混みを抜け、静かな場所に空いているベンチを見つけた。ならんで腰を下ろす。
周辺の木はイチョウやナラばかり。桜は、遠くに眺望するのが精一杯だ。喧噪もとぎれとぎれに伝わってくるだけだった。
しばらく互いに無言だった。
さゆるは海に目を向け、じゅんは肘掛けにもたれるようにしていた。
「……漫画みたいよね、あたしたち」
ぽつりとさゆるが言った。
「漫画みたいって?」
「揃いも揃って人を破滅させてるんだから」
じゅんがさゆるに身を寄せた。
覆い被さるようにして、さゆるはじゅんの唇にみずからの唇を重ねる。
長い口づけが終わって、さゆるはうっすらと笑みを浮かべた。
「……いつもじゅんから先じゃない。だから、今度はあたしが先よ」
昼前に海浜公園に着いた。
なかなか空いているスペースは見つからない。だからもっと早く出ようと言ったのに――と不満が口をついて出そうになるが琳子は自制した。
せっかくのお花見なんだ。雰囲気悪くなるようなことは言うまい。
そう考えたのが良かったのか、間もなく敷物をひろげるのにちょうどいいスペースが見つかった。桜の真下、奇跡的なほどのいいポジションだ。
「おべんと、おべんとー!」
シートをひろげながら妹がはしゃぐ。嬉しいなと歌い出しそうなくらいだ。
幼いなあ、と琳子は思わないでもない。
自分が九歳のときはこんなに無邪気ではなかったような、と思いかけるも、いや自分もこんなのだったかな……という気もしてくる。実際のところはあまり記憶にない。
と考え事をしていたので急に、
「あれ? 琳子ちゃん?」
と呼びかけられ顔を上げたとき、琳子はまさしくキョトンとした顔をしていた
「あ、どうも」
我ながら間の抜けた言い方になってしまったが、こんなところで
秋沢 覚
と出会うなんて思ってもみなかったのだから仕方がない。
「どうしたんですか秋沢さん、こんなところで」
「花見っつうか散歩や。琳子ちゃんも?」
人懐っこい顔、関西丸だしのアクセント、三度目の再会だ。彼は笑うと右頬にえくぼができるのだと、このときはじめて琳子は気づいた。
「ええ、まあ。家族で」
「俺こないだ大学卒業してん。あ、これ前言ったっけ? それでな、もしかしたら寝子島付近の桜もこの春が見納めかもしれんっつー気がしてきてな。そいで大急ぎで来たっちゅうわけや。お恥ずかしながら海浜公園の桜、咲いてる時期に来るのこれがはじめてなんや」
そういえば正月に神社でそんなことを聞いた。
と言うことは寝子島を離れるのだろう。
地元……大阪の岸和田に帰るのだろうか。上京するのだろうか。それとも海外? 考え出すときりがなくなる。
言葉につまった琳子と入れ替わるようにして、
「お姉ちゃんのカレシだ!」
ひょいと顔を出した九歳女児が、なんともませたことを言ってはやしたてた。
反射的に琳子は目を母親に滑らせた。
やっぱり。
母は、「あら?」とでも言いたげな顔をしている。というよりきっと、心の中でそう言っている。
妹と覚の間に立って、琳子は大きく手を振った。
「ちょ、ちょっと! だから! そういう変なこと言うのは秋沢さんに失礼だってば!」
きっと顔は紅潮しているはずだ。かっかと熱い。
「お、おう。そんな早合点はあかんで!」
覚は前のときとはちがい、なぜだか弁明口調になっている。
早合点だなんて。そんな全力で否定しなくたって――という気持ちが鎌首をもたげかけるも、すぐに琳子は気がつく。
そうだ。
覚が及び腰になるのも当然だろう。なぜって母の前なのだから。
つばを飲み込むと琳子は母に覚を紹介した。
「こちら……その、秋沢覚さん。知り合いというか、友達というか、そういう感じの」
煮え切らない言い方になってしまう。ところが、
「失礼しました。木天蓼大を卒業したばかりの秋沢と言います。琳子さんとは偶然が重なって何度かお目にかかった者です。幸い、親しうさせてもらってます」
覚は関西イントネーションながらきちっと名乗り母親に頭を下げた。これまでの経緯についても簡単ながら的確に説明する。一方で妹には、「お姉ちゃんそっくりやなー」などと調子のいいことを言って笑わせた。
「ほなこれで」
手を振って覚は離れたが間もなく、
「そうだ。琳子、お茶買ってきて。忘れてたわ」
まるでいま思いついたように母が言った。
「お茶? 持ってきてるじゃない」
「魔法瓶に入ってる熱いのじゃなくて、冷たいのをお願い。外、案外暑かったから」
すぐピンと来たらしく、妹の奏子も覚の歩み去る方向を指して援護した。
「あっちで売ってたよ」
ああもう!
見え見えすぎて逆に恥ずかしい、と思いながらもそれでも、「仕方ないなあ」と面倒げに了承し、琳子は靴を履いて覚を追いかけたのである。
すぐに彼に追いつくと、
「待って下さい……私、そっちの方向に用事が」
ご一緒しませんか? と琳子は付け足した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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