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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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天気予報はずっと晴れ、とりわけこの週末は絶好の花見日和だという。
そうと聞いてはじっとしていられない。
巫部 紫苑
もお花見に出かけることにした。
お花見といえばお弁当、というわけで今日は朝早く起きて弁当作りに邁進したのだが、弁当箱がひとつ埋まったところで、紫苑ははたと考え込んでしまった。
あら? ちょっと材料足りないかもしれませんね。
繰り返すが、弁当箱はひとつきっちりと詰まっている。見栄えだけでも料理本に載せられそうなくらい見事に。ただしパンパン、物理的には詰めすぎなくらいに。
でも足りない。
断っておくが本日、紫苑にとくに同行者がいるわけではない。
けれども紫苑にとっては足りないのである。正直、全然といっていいほど。バケツ一杯の水をバスタブに流し込んだところで入浴できないのと同じだ。
紫苑はこれでお花見を中止するようなペシミストではないし、でしたらこれでいいとしましょうかと無謀に走ることもしない。
買い出しが必要ならついでに、お花見に良さそうな場所をさがせばいい。
そういう前向きな計画が出た。
ついでに、屋台の食べ物もちょっといただけるならなおいい。
「では行くとしましょうか♪」
準備と下見と補給を兼ねて、紫苑は意気揚々と自宅を出たのだった。
春の寝子島はお花見の島といっていい。
有名な花見スポットには事欠かないし、街路樹にも桜がたくさんある。
いずれも一斉に開化していた。若木も樹齢のいった古木も。
「本当に桜も天気もいい感じですねぇ……お散歩するだけでもお花見気分を味わえそうです♪」
まずはスーパーマーケットに入ろう。一軒目のマーケットだ。
紫苑の食に対する探究心、好奇心と純粋な食欲すべてを満たすには一軒だけではとても足りない。
この店では卵と肉を中心に購入するつもりである。もう少しいったところでは魚、次は野菜というように、使い分け買いわけが行われることになるだろう。
パスを受けてシュートする。
いい角度、放物線を描き伸びやかに飛んだ。しかしボールはリングの上でぐるっと回ったものの、ぽろりとこぼれるように外側に落ちた。
「惜しい!」
後輩たちから声が飛ぶも、シューターの
羽生 碧南
はどこか上の空だ。
「あ……うん」
いけない、と自分の頬を両手で叩く。
私はキャプテンじゃない、なにぼんやりしてるの!
リバウンドをキャッチして大きな声を出す。
「はいもう一本!」
シューズが床をこすりキュキュッと熱い音をあげた。霧状になったゴムとワックスの匂いが鼻をつく。
「いくよ!」
だけどこんなの空元気だ。わかってる。
いまの自分の目には、薄い灰色のヴェールがかかっていることだろう。
去年、引退した三年に代わり碧南はバスケ部キャプテンに選ばれた。
でも『引退した三年』なんて言い方ができるのもあと数日だ。
だってもうすぐ自分が新三年になるのだから。
春休み中だけど、今日もバスケ部は練習日だ。朝からずっとこうして寝子島高校の体育館で汗を流している。
耳をつんざくような音が立った。
マネージャーがホイッスルを吹き鳴らしたのだ。
タイムアップ、休憩だ。
スコアボードにかけたタオルを取って汗を拭う。今日はいちだんと汗がすごい。日一日と温かくなっているのを実感する。
「どうぞキャプテン!」
後輩、新二年となる
浅見 柚乃
がスポーツ飲料の入ったボトルを渡してくれた。
「ありがとう」
碧南は精一杯の笑顔を浮かべてみせた。せめて柚乃には、物憂げなところは見せたくなかった。
口に含むと甘い。粉末を水に溶くスポーツドリンク作成は一年生の仕事、柚乃はいつも通り、濃すぎず薄すぎないちょうどいい濃度で作ってくれていた。激しい運動で奪われた水分が、すうっと身体に吸収されていくのがわかる。
自分のドリンクを取りに戻る柚乃を見送ると、ふたたび碧南の目に雲がさした。
高校卒業までに鷹取先輩に告白できなかったことを引きずっているせいもある。
しかし、それよりも彼女の胸の内に大きな面積を占めているのは、冬のさなかのあの日の記憶だ。
「奇遇だねえ、こんなところで。いま、部活の帰りかい?」
駅前通りで出くわしたとき、
鷹取 洋二
は平静を装っていた。いつもの声のトーンでいつもの言い回し、だけど決定的に違っていたことがある。
洋二は目を真っ赤にしていたのだ。
あのとき私は、泣いている鷹取先輩を初めて見た。
戸惑いながらも、碧南は尋ねずにはいられなかった。
「先輩……どうして、泣いているんですか?」
最初、いやあ花粉症でねえ、とか言って先輩はごまかそうとしたけど……。
すぐに無理と覚ったか、観念したように彼は、その日あったこと、自分と家族のことをぽつりぽつりと碧南に明かしてくれたのだった。
芸術家肌でいつも飄々としていて、ちょっとやそっとの揶揄や中傷なんてまるきり平気で聞き流して、困っている人にはいつも手をさしのべ、元気づけるように笑いかけてくれる先輩――それが碧南の、洋二にいだいているイメージだ。
あながち間違いではないだろう。よく洋二は変人と称され、『頭がワカメの人』なんて呼ばれることも少なくないが、結局のところ彼を嫌っている人はいないし、なんだかんだいって友達が多いのだから。比較して悪いが洋二が仲良くしている
海原 茂
なんて、優等生かつ過去生徒会長であったにもかかわらず『むっつり』だの『実は性悪』だの影ではずいぶんな言われようだった。
だからそんな洋二が、おそらくはじめて弱いところを見せてくれたあの日のことは忘れられない。
洋二の告白が衝撃的すぎて、まだ碧南は脳内で整理がついていないというか、どこか曖昧で極限まで薄くした墨で描いた絵のように感じてもいるのだ。
きっとあのとき先輩は救いを求めてたんだ。
でも私は――。
役立てなかったように思えてならない。
休憩終了のホイッスルが鳴った。
やめよう。いまは。
キャプテンとして練習に集中すべき、自分にそう言い聞かせる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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