this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
<< もどる
1
…
37
38
39
40
41
…
80
つぎへ >>
これだけはまちがいない。
真優理の豪華弁当はたしかにおいしかった。
定番のおかずなのによくもまあ、これほど贅沢で豊潤な味わいにできたものだ。絢はつい食べ過ぎてしまった。
「どう? おいしかった?」
真優理が不安げにたずねてきた。食べているときの反応だけでパーフェクトなはずなのに、それでも真優理は絢の感想が気になるらしい。
「うん」
最高だったと言い加える。いつわりなき気持ちだ。
「えー本当!? やったぁ」
両手をあわせ目を輝かせ、天にものぼるような表情を浮かべる真優理だ。もちろん満面の笑み、なんという天真爛漫さか。
その辺のアイドルよりキラキラしたかわいいスマイル――。
絢はどきりとした。
本当に真優理さんって三十歳なのかと思ってしまう。
実はこの気持ち、真優理が絢に抱いているものと合わせ鏡のようになっている。
――絢ちゃん、かわいい、かわいすぎる。
真優理はもう夢中なのだった。
桜を背景にする絢ちゃん、「歩かない?」と呼びかけて立ち上がる絢ちゃん、川辺を歩む後ろ姿まで含め、まったくもって目が離せない。
桜の花も綺麗だけど、その中に佇む絢ちゃんの美しさに比べれば、どんな花だってかすんじゃう。
絢ちゃんがアイドルとかだったら絶対に収入をドバドバつぎ込み、さらに借金すること必至よね。「押しにはお金使わなきゃ!」とか言って。
絢ちゃんのために破産するのなら悔いなし、そう誓える真優理である。
「写真撮っていい?」
というそばからもう、真優理はデジカメを取り出してバシャバシャとシャッターを切っていた。絢の一瞬一瞬を切り取って永遠に残すために。
桜の中にたたずむむ絢ちゃんの美しさ――。
「ちょっと、いきなり恥ずかしいよ」
絢ははにかんで逃げようとする。そんな姿だって素敵だ。
真優理は確信した。
尊みが深すぎる!
こうしてまったりとふたりは風に吹かれ、流れる雲に舞う桜を楽しみながら散歩していたのだがやがて、
「スワンボート……」
白鳥をかたどった屋根付きボートが停泊しているのを見つけ真優理は足を止めた。少々の小銭とひきかえに、三十分ほどの遊覧ができるというものだ。親子やカップル、子どもたちが楽しげに漕いでいる。
「乗らない?」
「えっ?」
絢はどうも、白鳥型の足漕ぎボートという形状には幼稚な印象があって気後れしてしまう。
しかし真優理は両手を組んで、懇願するような目を絢に向けるのだ。
「乗ろっ……お願い」
そうして瞳をキラキラうるうるさせるのだから、絢としては断り切れなかった。
「もう……じゃあ一回だけね」
恥ずかしいことは恥ずかしがったが、無邪気にスワンボートに乗りたがる真優理には悪い印象はない。
でも。
ふと思う。
真優理さん、こうやってはしゃいでいるようでいて、実際は私に気を遣っているのかも。
過去のことがあるだけに、なおさら。
母の死と、父の再婚。
ふたつの出来事の間に、それほどの時間は経過していない。
しかも再婚したとき、父の再婚相手はすでに妊娠していたのだ。
時間が経過し絢の心の傷はふさがったように見える。
でもそれは表面上の話だ。実際に癒えてはいない。
いや、癒える日などこないだろう。決して。
絢の内心は、刹那ながら表情の翳(かげ)りとしてあらわれた。
「……」
これを目の当たりにして真優理は言葉を見失った。
「あ、スワンボートひとつ空いたね」
真優理の沈黙を悟ったか、絢はボートを指さし明るい声を出した。
けれど真優理はまだ気持ちを切り替えられない。
真優理が想うのは、絢の笑みの透明さだった。
哀色の微笑だ。
哀しみの感情が飽和して、泣くこともできなくなった絢ができる精一杯の顔。
理解できるだけに胸を締めつけられる。
去年の夏、堪えられなくて絢ちゃんのかわりに泣いちゃったよね、私。
またじわっときそうになった。
でも真優理はこらえた。
──駄目、絢ちゃんの涙を私が横取りしちゃ……!
にじみかけた熱っぽいものを慌ててしまいこむ。そうして声を上げ、
「じゃあ乗ろうよ。わーい、スワンスワンボートボートっ」
飛び跳ねるようにしてボートに駆け出した。
「そんなに急がなくたって逃げないよボートはっ」
絢は真優理を追った。
いつの間にか哀色は、桜川の照り返しを受けて溶けていた。
<< もどる
1
…
37
38
39
40
41
…
80
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!