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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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「ナターシャさ……」
声をかけるのがためらわれるくらい、彼女は悲しそうにしていた。
桜を見上げているが、涙がこぼれるのをこらえているようにしか見えなかった。
それでも彼女は気がついて、
「陽太さん……」
と目尻を拭った。
やっぱり泣いていたのかな。目にゴミが入っただけなら、いいんだけど。
「あ、あの、お久しぶりですよぅ」
弱々しく片手をあげた。
会いたいと思っていたのだが、実際にナターシャを目の前にしてみると気後れする。
同年代男子の平均より高い自分と比べても、ナターシャは十五から二十センチ近く背丈が高い。それなのに線が細く、弱々しいイメージを受ける。
「お会いしたかったです」
と言ったのはナターシャのほうだった。
「少し、歩きませんか?」
「あ、はい」
じゃあ、と陽太は自分が来た方角を指した。
「桜を眺めながら」
「いいんですか」
「オレがそうしたいんで」
にかっと陽太は笑みを返した。
それがよかったのか、ナターシャも少しだけほほえんだ。
落ちた桜を避けることはできそうもない。したがってふたりして、桜を踏みながら歩く。
「最近、大きなおもちゃ屋で働き始めました。『ハローニャック』って知ってますか?」
「ああ、ベイサイドにできたっていう……受験もあったりしてまだ行ったことないですけどねぃ」
っていうことは、と陽太は言う。
「ナターシャさん、まだ寝子島にいるってことですね。……よかった。いなくなったのかと思ってました」
「そう言ってくれるの、陽太さんだけです」
いやそんなことはと言いかけて、陽太は主題を変えた。
「あの……オレ、ナターシャさんの本体とちゃんと話したことがないです」
口にすべきか迷っていた言葉だ。
悩みながらも必死にこれからのことを考えて頑張ってるナターシャさん――いま目の前にいる彼女のことを傷つけるんじゃないかと、それが怖かったから。
黒い覆面のエージェント。香川王堂の右腕。おそらくは後ろ暗いことにも手を染めたきたはずの人物。それが本来の『ナターシャ』だ。
しかし本来のナターシャは彼女の第二人格、すなわちいま陽太が目にしている彼女に浸食され、姿を見せぬようになったという。立場は完全に逆転しており、本来のナターシャが出現するのは目出しの黒覆面をしたときだけだ。
だけど、このままじゃ、二人のナターシャさんの気持ちがすれ違ったままになってしまう。
いなくなっていい人なんていないんだ。どちらのナターシャさんも同じだ。
冷酷な人間だったと言われているが、だって本体のナターシャさんにも、愛する人がいたじゃないか。その気持ちは届かぬままに終わってしまって、哀しみのあまり心を閉ざしたっていうじゃないか。
だから消えてしまうだなんて、自殺だ。見て見ぬ振りなんてしたくない。
「『彼女』と話をさせてもらっていいですか?」
さっとナターシャの顔色が変わった。
「私はあの人が嫌いです」
控えめなナターシャとは思えない、きっぱりとした口調だった。でも声は震えている。
「私がこんなに気弱なのも、職場の……上司や同僚に酷いことを言われても何も言い返せないのも、生きていくのが辛いのも……全部あの人の裏返しだから……」
「嘘でしょう?」
陽太は優しく告げて、ナターシャにハンカチを手渡した。
「ナターシャさんは優しい人です。そうやって何もかも『彼女』のせいにするふりをして、自分が悪者だということにしたいだけじゃないんですか」
ナターシャはハンカチを目に当て、
「陽太さん……彼女にどうか、私が謝りたいと言っていたと告げて下さい……」
「はい」
陽太は微笑してうなずいた。
ハンカチが落ちた。
陽太は背後から腕をねじり上げられ、喉笛に親指を押しつけられている。
ナターシャに。彼女の顔は見えない。
「なぜ呼び出した!」
息が詰まりそうだが陽太はなんとか声を絞り出した。
「やっと会えましたね。本体のナターシャさん……」
「返答次第ではこのまま殺す」
「嘘でしょう?」
ふっと陽太は笑った。
「やっぱりあなたもナターシャさんですね。根っこは同じです。殺気、って言うんですか、本当にやるという気迫が感じられない」
ナターシャの腕が緩んだ。
陽太は振り返る。
ナターシャは覆面をつけていなかった。だが間違いない、本体だ。目つきがまったく違う。うかつなことを言えば身に危険が及ぶだろう。
しかし陽太は臆さず告げた。
「DUAL(デュアル)という存在については聞いています。オレ、あなたには消えてほしくないって言いたくて来てもらったんです。もちろん、もう一人のナターシャさんにも消えてほしくない。彼女言ってましたよ、あなたに謝りたいって」
だから、と陽太は手を伸ばす。
「だからどうか、この世界にとどまってください。きっと香川博士だって同じ気持ちです」
お前になにが、と言いかけてナターシャは膝を折った。
「わかると……」
そのままうずくまる。顔を上げたナターシャは、陽太のよく知る顔に復していた。
「ごめんなさい。あの人は、逃げてしまったようです……でも陽太さん、消え去ったわけではないと思います」
はい、と告げて陽太はナターシャに手をさしのべた。
「オレもそう思います」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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