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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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似ている香りは桜餅、もしくは杏仁豆腐だろうか。
爽やかな甘い香り、それがトンカビーンズだ。冬には春の予兆を、春には花開いた多幸感をよびさます。
トンカビーンズがベースのアロマブレスレットを身につけ、
稲積 柚春
は春めいたシーサイドタウンをゆく。アウターはノーカラーのスプリングコート、丈はやや長め、生地がうすくて軽いので、風にはためくと翼が生えたような心地がする。
海浜公園の方面はきっとすごい人出だろうから避けたとはいえ、とくに目的地があるわけじゃない。あちらをのぞきこちらに立ち寄り、気の向くままに歩いている途上、駅からいくらか遠ざかったところで、三角形の立て看板にでくわした。
ゲームカフェ?
店名は『Hideout』だという。
いくつかのゲーム名と案内のメッセージ、『お一人でもお気軽にどうぞ』ともしたためられている。TVゲーム、ボードゲーム、いろいろ揃っているという。
普段ならスルーしそうな情報だったが、なんだか妙に気になった。既視感、いやおなじみ感とでもいうべきだろうか。初めて目にするものなのに、前からよく知っているもののような。
案内図を確認し、漏示裏まで入ってみた。
シーサイドタウンにはふたつの顔があるという。
ひとつは、表通りのにぎにぎしく明るい顔。
もうひとつは、裏通りの、薄暗いがなにかとてつもないエネルギーに満ちた顔。
コインの裏面を見た気持ちだ。自動車は入れず人通りも絶えたため、急にしんと静まったような気がした。
それでも、迷うことなく『Hideout』を見つけることができた。
不気味な見た目ではない。むしろ明るく楽しそうだ。看板の下のウインドウには、古今東西すさまじい数のゲームグッズが並べられていた。骨董品みたいなハード、限定グッズのフィギュア、今ではプレミアもののポスターなどだ。
なんだか文化祭のときを思いだすな。
どこがどう共通するとは一概には言えないものの、あのとき入ったパソコン部のカフェ、あの雰囲気に通じるものがあった。
あのときみたいにゲームキャラに会えるかも?
淡い期待をいだいて、柚春はドアを押し開けた。
-+-+-+-+-+-+-+-+-
店の窓から路地裏の桜が見える。
ほんの端っこだけ、申し訳程度ではあるが、桜は桜だ。満開だ。
ひらりと花弁が風に踊った。風に乗り遊ぶようにくるくるめぐる。
カウンターに片肘突いて、回転椅子に背を預け、なかば眠っているような気分で
風見鶏 スグリ
はあくびをかみ殺した。
アー……窓からうららかな風景が見えると。
ぽけら~っとした顔になっちゃうのはオレだけデショウカ?
誰かに聞いてもらいたい、この気持ち。
でも誰もいないのだ。要するに、店内にいるのは自分ひとりだ。
今日は特に予定もない。自称孝行息子のスグリは父親すなわち経営者の命を受け、店の手伝いをしてるワケである。ありていに言えば店番だった。
満員御礼店員大回転の大忙しならまだしもやる気にもなろう。だがせっかくの休日だというのに店はまだ来店者ゼロだ。テーブルの下ソファのかげ、あるいは天井裏、目には見えないが無数の閑古鳥が、射撃のマトにできるくらいウロウロしていると思う。
退屈で退屈で死んじゃうヨ~。
誰か来テ来テ相手シテ……ヘルプミ~!
両手を組み桜の花を見つめ切実な祈りを捧げたところ、効果てきめんまさかの展開、一秒もせずにコロンカラン、ドアのカウベルが軽妙な音を立てた。
え? あれ? お客様ご来店!?
椅子から飛び降りエプロンを直し、そそくさと出迎える。
「イラッシャイマセ~☆」
スグリの満面のスマイルは、商売っ気のあらわれだけではない。
「あれ?」
「ワァ!?」
ところが出迎えたスグリも、入ってきた一名様も、互いを見て瞬時時間停止した。
ようやく言葉を繰り出すも、
「蜂谷君がいる!?」
「柚春チャン? 柚春チャンだよネ~ッ!?」
ほぼ同時に口にしたものだから、がっちり正面からかち合ってただの不協和音になってしまった。
驚いた。柚春は本当に驚いた。
パソコン部のカフェを回想しゲームキャラとの邂逅を予期して扉をくぐってみれば、なんと驚きまさかの的中、パソコン部の自主制作ゲーム『BAROQUE:CODE』に登場したキャラクター
蜂谷 優
が出迎えてくれたのだから。
なお蜂谷優は現実のスグリがモデルである。スグリは文化祭当日、このキャラクターの仮装をしていた。
もちろんスグリだってびっくり仰天だ。
誰か来テと祈ったら即お客様ご来店、それだけでもミラクル要素十分だが、しかもその相手がクラスメイトの柚春チャンだったなんて!? これではミラクルすぎて雪でも降るかもしれない。
思わずまた、蜂谷君と言いかけて柚春は言い直す。
「風見鶏君ってここでバイトしてるの?」
「うんにゃ、家業手伝い。ここオレんち、実家なんだよネ♪」
「へええ」
なるほどと柚春は腑に落ちた気持ちだ。店の立て看板を見たときからずっと感じていた既視感のようなものの正体はこれだったのか。
「学年末いらいだよネェ」
元気してた? と席に案内しつつスグリは言った。
「私? うん、まあ。風見鶏君は?」
「オレは春うらら~な空気で若干ふんにゃりしてマスが元気ィ♪」
なぜだかグー・パーと手を握って開くゼスチャーとともにスグリは言った。
風見鶏君って普段はこんな感じなんだね。
同じクラスなのに、柚春はスグリとは接点があまりなかった。ゲームを買いに行ったり攻略法を聞いたりと部室で話すことはあったものの、それも必要最低限だった気がする。だからあまり親しく口をきいたこともない。正直、ちゃんと把握しているのは名前くらいだった。
蜂谷君とはちょっとちがうのかな。
ゲーム『BAROQUE:CODE』の蜂谷優は、とても仲間思いで普段は表に出さないけれど熱い一面もある。柚春がとても好きなキャラだ。
でも、ふだんの蜂谷君もこういうキャラクターなのかもしれないね。
スグリの話し方はちょっと個性的だが、決して不快ではない。むしろ初来店者をリラックスさせようとしているところがうかがえた。
「こちらへド~ゾ。ご注文はいかがいたしまショ?」
ソファ席に案内される。ふかふかのいい席だ。外の桜も見ることができた。
「じゃあクリームソーダを……」
ここで柚春は言いよどむ。
怖がっていてはいけない。
もう転校の心配がないなら……友達になりたいな。
うん。そうしよう。
だからつづけてこう言ったのだ。
「クリームソーダ、ふたつね」
「誰かお連れ様デモ?」
「ううん」
「じゃあ柚春チャンってばクリームソーダ大好き子チャン?」
「ちがうよ。私はひとつでじゅうぶん。もうひとつは風見鶏君に。きらいじゃなかったら休憩時間にでも食べてよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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