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茶処・微風庵
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旧市街は参道商店街に、家主の名前がついた本屋がある。時折足を伸ばしてしまうそこは、店舗内をくまなく見渡すことのできる狭さと品揃えに偏りがあるのが魅力だ。参考書を買ったり興味の赴くまま専門書を手に取ったりもするが、その日
八神 修
が購入したのはマルチバース、すなわち多次元宇宙論に関する一般向けのペーパーバックであった。宇宙は平行していくつも存在し、我々の世界とよく似た別の宇宙には自分によく似た自分がいるかもしれないなんて唆られる。
(図解も多いしサクッと読めそうだな。どこかで休息がてら読もうか)
丁度良い木陰でもないかと彷徨わせた視線が、見かけない路地から手招きするねこを捉えた。
二本の足で立つそのねこ氏は、小袖の簡素な着物を着込み、頭に手ぬぐいを巻いている。
おや、さっそく多次元事案か。
(いやいや、この島だからな)
落神が落ちてきて3年、奇想天外な事案にはすっかり慣れっこだ。
招かれるままついていくと、茶処・微風庵と暖簾の掛かった和風の店にたどり着く。
ねこ氏曰く、客が潜在的に抱く心落ち着く風景が具現化する喫茶店だという。
「どうぞ思い浮かべてくらはい。あなたの一番心安らぐ、心地良い風景を」
ねこ氏の柔らかい声に誘われ目を閉じる。
心に風を吹かせるように心象を想起させて気づけば。
そこは穏やかで暖かな緑の丘。葉擦れの音と小鳥の囀りが耳朶を擽る。寝そべっていた。丘の中心、この樹なんの樹ってくらい大きく太い常緑樹の下に。
「綺麗だ……」
嘆息。
緑は萌え花も盛りで、揺れる木漏れ陽が瞼を撃つ。
さやさやと水音。近くに小川が流れているのかもしれない。
それらすべてに既視感を感じ、やがて思いあたる。
(瞑想の導入やリラクゼーション時に想像する風景だ。つまり俺の心から作られた場所って事か)
一寸照れくさいが、その気持ちは畳んで代りにシートを広げお茶をすることにする。
沢山の猫や犬たちの気配には先ほどから気付いていた。目が合う。幸い鞄には彼らのためのオヤツがある。島には猫が多いし家でも飼ってるから常備しているのだ。草をちぎりフリフリして間を持たせる間に、もう一方の手で鞄の中からオヤツササミやカリカリを取り出す。
おいで、の一言をいう間もなく、動物たちは俺まっしぐら。
「おっ……と。よしよし、俺の手は二本しかないんだ。オヤツは順番だぞ」
突撃を喰らうのは慣れているが、それでも押し倒されてしまう。
お腹に登る子あり、胸をふみふみする子あり。
「丁度いい温かさと重みなんだよな。肉球のふにふにも気持ち良いし」
お返しに修も動物たちが気持ちよくなるよう適度に構い、適度にブラッシングする。
猫たちは我先にと修の上で絡みあい積み上がってゆくが気にしない。この景色は日常茶飯事だ。日常すぎて無意識に健康チェックをしてしまう。
「おいで。よく見せて。目ヤニは大丈夫かな。爪は?」
「動物がお好きれすか」
頭上から降って来たのはお茶を運んできたねこ氏の声。
「好きだよ。猫は特に大好きさ。君もカリカリどう?」
「そうれすか。では遠慮なくいたらきます」
舌ったらずな二本足のねこ氏は、人間のように皿からカリカリを手でつまんで口に運ぶ。
その仕草が愛らしくて修は相好を崩した。
「君の名前を聞いてもいいかな」
「名前れすか? そうれすね、マシュマロと呼ばれていますれす」
「マシュマロ。白くてふわふわしているからかな」
「そうれす」
「聞いてもいいかい。この猫達はどういう?」
「あなたの上で猫タワーになっている子たちれすか? それはあなたの心象風景のひとつれす」
「俺の心が生み出している……? では貴方はどこから?」
「わたしれすか? さあ、けれどあなたはご存知のようにも思いますれす」
薄曇りの空に浮かぶ三日月めいた笑みと漠とした会話。だがそれがいい。すべてが詳らかになってしまったら存外詰まらないものだろう。修はマシュマロ氏にもお茶を勧めた。
「どうですご一緒に」
「よいのれすか」
「ああ。お茶は誰かと愉しみたいからね」
マシュマロ氏は一礼して修の隣に腰かける。
茶柱の立った日本茶。お茶請けは肉球に似た梅のかたちの和三盆。
もしも理屈をつけるなら、ここはどこかの多次元宇宙に違いない。
吹く風はぬくく、春のにおいがする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月12日
参加申し込みの期限
2021年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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