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まかい探訪記 第二集
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乾いた地面がひび割れる。土塊をまき散らして生えるは腐り果てた死者の腕。
ぎくりと後退ろうとする足を、恐ろしい速度で腐った腕が掴む。地の底に引きずり込む強さの腕に悲鳴を上げる間もなく、視界を薄墨の霧が包み込む。振り払おうとした途端、足を引かれた。成す術もなく引きずり倒される。
痛みに呻く顔に霧が覆いかぶさる。喘ぐ喉が焼け付くように痛んで、だからそれが毒の霧だと思い至って、──それきり、意識が刈り取られた。
魔女エーデラの魔術は近隣のまものたちが怯えるほどに、確かに、恐ろしい威力を孕んでいた。
(そういえば感想を伝え忘れた)
それはそうとして。
走りながら振り返る。旅を常としているとは言え、吟遊詩人であるところの私には戦を性とするまもののような体力はない。息はすぐに切れる、疲れた足はすぐに鈍る。しかし足を止めるわけにはいかない。止めてしまえば、背後に迫る生ける屍の群に襲い掛かられてしまう。
食べても旨くないとばかり、骨と皮ばかりの手足を晒し普段はフードに隠している骸骨じみた顔をも晒したところで、アンデッドたちの足は止まらない。意志持たぬ骸たちは大挙して追い縋って来る。
死者の楽園から遠くない静穏な森に踏み込んだ途端のアンデッドの襲撃に、とにもかくにも逃げるより他はない。
「ヒェッ」
草木に半ば埋もれた石畳に躓いて転んだ。顔から突っ込んで痛む鼻先を、金色の光を放つ蛍が素知らぬ顔で過ぎて行く。何かの遺跡であるのか、蔦の這う壁を頼りに慌てて起き上がり、背後に迫るアンデッドたちの大量の足音に怯えながらほとんど迷宮と化した森の中を走り回る。
どれだけ走ったか分からなくなったあたりで、不意に視界が開けた。
つい、と傍らを銀色の光放つ蛍が過ぎて行く。
光を追うて森に見たのは、遺跡の如き建造物に囲まれ形成された広い中庭をほとんどを埋める巨木と、その根元におっとりと座る巨大な金羊。
「おや」
金色の瞳をふと開き、縦長の瞳孔を丸くして、金羊はメェと笑った。
「死霊女王の墓所までどうもお迷い遊ばれました」
ふんわりと喋る羊にアンデッドの肉迫を告げるも、羊は首を傾げるばかり。怪訝に思って振り返ってみれば、迫っていたはずの屍の群は跡形もなかった。
名乗ろうとして、
「旅の詩人に御座いますね」
羊に機先を制された。
「何か変なのがきたと蛍が教えてくれました」
情報は既に把握しておりました、と有能らしい羊はまたメェと笑う。
蛍。そう言えば、森に入る前にも後にも、加えて屍に追われている最中にも蛍を見た。
「まあ夢の塊が蛍の形をしている生き物です。所謂疑似霊魂」
今も、蛍たちは庭のそこここを幻想的な金銀の光に彩ってふわりゆらりと舞っている。
「蛍は雷を纏っておりましてね」
微弱な雷を扱う彼らは、その力で以て機械をも操れるのだという。
「機械が操れるんだから骸も動かせるんじゃない? とは、主人の言で。うちの眷属スゲーと主人は寝ながら感心してました」
ここに追い立てた、もとい導いたはその主人の命であるのか訊ねようとしてやめる。なんにせよ、新たなるまものに出会えるは願ってもないこと。
「主人は寝ているので御用メェは羊にお願いします。執事ですので」
よく見れば、金色の雷纏う大羊のもこもこの背には白い髪の少女の姿したまものがすやすやと気持ちよさそうに眠っている。
「ああ、申し遅れました。主人は
睡魔ヒュプノ
。私メェは眷属にして執事、夢喰らう金羊にて」
或いは動くベッドとも、といっそ誇らしげに羊は名乗った。
「因みに主人は身体だけ寝ているので本当は起きています。情報は夢の中で蛍達から筒抜けです」
さて、と執事の羊は金色の瞳を瞬かせる。
「何をお聞かせいたしましょう」
「……ここで、何を」
「墓守代行と、樹を育てております」
樹というのは大羊の傍の大樹だろう。まかい中に根を張る世界樹と同じ魔力を感じられるということは、この大樹も世界樹の一端。
「悪夢集う大樹」
禍々しくも神々しい名を執事は口にする。
「魔界中から集まった悪夢が我々の食糧」
良い夢見れておられるでしょう、と感情の分からぬ羊のまなざしを受け、そう言えばと思い至る。悪夢は見ない。見たとしても何かに食われるように別の夢にすり替わる。
頷けば、羊はメェエとまた笑った。
柔らかな草に覆われた巨木の根元には、草に沈んで墓標がひとつ。よくよく目を凝らせば、そこここにいくつもの墓標が隠れている。
おそらくは、その墓標のひとつひとつが英霊たちのそれぞれの『座』──彼らの眠る場に繋がる『門』。
「死霊女王がお隠れの現在、女王自ら務めておられた英霊墓地の墓守が空席に」
伝説に名高い死の女王の名は知っている。彼女が守っていたという何処かに存在する英霊墓地には、いつか訪れてみたいと願ってもいた。
まさかこんなかたちで願いが叶うとは思ってもいなかった。
驚きと喜びに惑う私には構わず、執事の羊は話を続ける。
「死と眠りは同じものですし、睡魔が死者の国にいても不思議はありませんし、体制が安定するまで恩売っときゃ勝手に部屋作ってても怒られないだろうと」
「部屋」
「部屋に御座います」
すまし顔で羊は頷いた。周囲を壁に覆われ悪夢集う大樹の枝を屋根とするここは、確かに、睡魔たちにとって居心地の良い部屋だ。
「さて」
話すべきことはこれでおしまい、と羊はメェと鳴く。その一声で、私の隣に音もなく空間の穴が開いた。
「此処は寝所なのでどうぞお引き取りを。お帰りはそのゲートでお飛びなさるとよいかと。魔王城とかに飛びます」
「待ってくれ、せめてどなたかひとりでも英霊を訪ねさせて──」
「樹は繋がっているので。我々も時々城に帰ってます」
睡魔の執事であるところの大羊は淡々と喋り、淡々と会談を終了する。
「では、グッドナイト」
──羊に抗う術もなくゲートを潜って魔王城に立った私を待っていたのは、突如として開いたゲートに警戒し監視していた門番たちの手荒い尋問、もとい歓迎ではあったが、それは割愛する。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月26日
参加申し込みの期限
2021年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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