黄金焔の翼をその背に広げる巨大な竜族の女と、火焔よりも眩い魔宝石を宿した宝石竜の女が、燃え盛る熔岩地帯の真ん中で睨み合っている。
それはひどく美しく、ひどく恐ろしい光景だった。
竜族の女の名は、
フェラマ。
宝石竜の女は、インペリアルトパーズを司る
竜姫。
彼女たちの棲み処である火山地帯より離れた村で、彼女たちの名を聞いた。
焔の只中に生きる美しい竜族の女たちを訪ね、炎熱に身を焦がしながらも険しい山岳をひたすらに歩いて、──そうして、熔岩流をものともせずに対峙する美しくも獰猛な彼女たちを見た。
緋色の翼で以てひらひらとフェラマの周囲を舞う竜姫はあたかも可憐な花びらのよう。けれどその花は、触れたものをきっと瞬きよりも早く切り裂くだろう。
漆黒の夜空に輝く星々よりも、地に噴き出し流れては火花をまき散らす熔岩流よりも眩く、フェラマの朱金の爪が煌めき宙を引き裂く。
何者であろうと物言わぬ肉塊になり果てるだろうその一閃を、竜の姫は羽ばたきひとつで鋭く躱す。
そうして何を口にしたのか。
彼女たちと距離を取りすぎたために彼女の言葉を聞き取れず、己が身を惜しんだことを私は悔やんだ。
それでも、これ以上に近づけば彼女たちの纏う闘気に焔に焼かれてしまうは必定。この身がどうなろうとも構わないが、永遠にも思える長い時間を掛けて編纂し続けてきた『まものずかん』が灰燼に帰すことは避けたい。
骨と皮だけの全身を包む炎熱に呼気が乱れるのも構わず、手にした『まものずかん』に彼女たちの姿を必死に描きこむ。
描かなくてはならない。
記さなくてはならない。
この命が続く限り、このまかいの地にまものたちが存在する限り、私は『まものずかん』を記さなくてはならない。吟遊詩人であるところの私は、嘆きの妖精の髪弦を張った弦楽器を時に爪弾き時にかき鳴らし、まものたちの詩を詠わねばならない──
こんにちは。阿瀬 春です。
今回は、まもの化企画に乗っからせていただきましたシナリオ『まかい探訪記』の第二弾のお誘いに参りました。(第二弾、と銘打ってはおりますが、第一弾のほうは読まなくて全然大丈夫ですー)
加えまして、『まもの』としてのあなたのお話をお聞かせ頂けるのなら、『まもの』と別のイラストをご指定いただきましても構いません。
なお、第一弾に参加していた方でも、問題なくご参加いただけます。
ガイドには吉住 志桜里さんと黒兎 都さんにご登場いただきました。ありがとうございます!
もしもご参加頂けます場合は、ガイドに関わらずどうぞご自由にアクションをお書きください。
まかいについて
まおうが支配する、まものたちの世界。
基本的にはみんな平和に暮らしています。とはいえ、まものはまもの。あちこちで派手な刀傷沙汰があったり殺まもの事件があったり戦闘が発生したり、……しているかもしれません。
★まかいの主なエリア (()内はその地域に多い属性です。白属性はどこにでもいます)
1.世界樹の森(緑)
天を衝く巨木、世界樹がある森。世界樹はまかいに魔力を満たす役割を果たしているといわれています。
植物系、動物系、精霊系のまものが多いとされています。
2.海底遺跡(青)
海底に沈んだ古代遺跡や沈没船が眠っている場所です。今は失なわれた超古代技術が遺っていたりもするかもしれません。
水系、ゴーレム系のまものが多いとされています。
3.機械の街と研究所(橙)
蒸気と魔の法則が交差するスチームパンク風の都市です。
キメラ系、機械系のまものが多いとされています。
4.死者の楽園(黒)
年中ハロウィンのような雰囲気のある場所。ゴシックなお城や地下墓地や地下牢獄でまものたちが日々お祭り騒ぎや刃傷沙汰、はたまた数百年に及ぶ眠りについていたりも。
アンデッド系、吸血鬼、魔女などのまものが多いとされています。
5.火山地帯(赤)
年中噴火している火山地帯。溶岩が流れていたり、火山弾が飛んで来たり。いつでもどこかしら燃えています。火山地帯の果てに『まおう城』があるといわれています。
まおうの幹部系、ドラゴン系のまものが多いとされています。
6.魔王城
まかいのどこかにあるまおうの居城、魔王城。複数あったり、平和な毎日なほのぼのな場所だったり権謀策略渦巻く怖い場所だったり。
悪魔系のまものが多い。
★属性について
まものはいずれか一つの属性を帯びています。
同じ属性の場合は、与ダメージも受ダメージも少なくなります。
■矢印の方向に与ダメージが大きくなります。
・青(水、氷)→赤(火)→緑(風、自然)→橙(地、金属)
・橙(地、金属)←青(水、氷)←緑(風、自然)←赤(火)
・白(光、雷)←→黒(闇、毒)
※フレーバー的な要素です。住んでいる場所の参考にもどうぞ。
あなたは、いつ、どうして、どんなまものと化しましたか。
まものとなってから、どこで、どんな生活をされてきましたか。
誰かと仲良くなったり、逆に誰かと諍ったりしているのでしょうか。
誰かと一緒に暮らしていたりしているのでしょうか。
二度と会えない誰かについて慟哭したりするのでしょうか。面白おかしく生きているのでしょうか。哀しみのうちに戦ったりしているのでしょうか。幸せな未来を求めたりしているのでしょうか。
そんなわけで、今回は、まものであるあなたの物語をお聞かせください。私にあなたの物語を描かせてください。
登場NPC
『私』……本名不詳、性別不詳、いわゆる『旅の吟遊詩人』的立ち位置。灰色のフードマントで顔も体も隠した中肉中背の人物。属性は『白』らしい。
『まもの』たちが好きで好きで大好きで、まものたちからまものたち自身の物語を聞き出し、『まものずかん』を書き記すことを生き甲斐としている。まものたちから話を聞き出すためには火の中水の中、こっそり後をつけたりも。それがばれて半殺しの目に遭ってもあんまりめげない。
※世界設定はコミュニティ『まかい』とほとんど同じではありますが、同じ世界とは限りません。ご了承ください。
※まものずかんに書き込まれている内容は、URLをお書き添え頂けましたら参照いたします。
それでは、あなたのお話、お聞きできることを楽しみにしておりますー!