this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
まかい探訪記 第二集
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
フェラマと竜姫の導きに従えば、熔岩地帯を歩くは容易かった。彼女たちの手にかかれば、ともすれば熱避けの呪術文字を刻んだフードでも防ぎきれなかった熔岩の沸き立つ灼熱さえ避けて歩くことがかなった。
熱に歪む星空を仰ぎながら、熔岩の黒く冷えて出来た道を行く。
先に立つは黄金焔の翼持つ竜族の女と、火焔よりも眩い魔宝石をその身に宿した竜姫。斯様な光栄に浴する機会など、そうはない。
むぐぐ、と不意に聞こえた妙な声に首を捻る。誰にも聞こえぬだろう気づかぬだろうと思っているのか、可憐な竜姫が難しい顔をしている。
(あの駄龍、変なこと言ったらその場で……いや人の目もあるしどうかべきかの……)
語り部に下手なことを吹き込もうものならどう口を挟んでくれよう。
竜姫の内心が聞こえた気がして、思わず竜姫から視線を逸らす。顔色を気づかれたと知れば、竜姫がどう思うか分からない。
竜姫の内心を知ってか知らずか、フェラマが素知らぬ顔で先を示す。黄金朱の爪に鎧われたその指先が示すのは、玉鋼の色した神殿。
「人の子の其れ程豪奢では無かろうが、兎角涼しいからな」
玉座に座するフェラマを迎えるため、神殿の前には幾多のまものたちが整然と並んでいた。おかえりなさいませ、と声を揃え頭を下げる彼らに、フェラマは鮮やかな笑みでもって応ずる。
鉱玉を切り出して造り上げた神殿は、彼女の言葉通りに豪奢なものではない。しかし、どこまでも堅牢で、どこまでも剛健だった。飾り気がなく、質実であるがゆえの美しさがそこにはあった。
竜姫は心底気に食わぬ面持ちで出迎えのまものたちを一瞥し、憤然とした足取りで神殿に踏み込む。その後に戸惑いながら続いた私は、思わず驚きの声をあげた。
磨けば煌めき光る宝石を孕んだ鉱玉の神殿に一歩踏み入れた途端、涼やかな空気が身体を包んだ。炎熱に息さえ奪われていたことにやっと思い至り、思わず深呼吸をすれば、焼けた喉に冷たい空気が染みた。
神殿の主たるフェラマに代わり、物静かなまものが案内に立つ。通されたのは、ひとの大きさに合わせたらしい客間。広くはあるが、圧倒させられるほどの広さはなく、また、座り心地の良い椅子や程よい大きさの卓が配せられている。
勝手知ったる他人の家とばかり、竜姫は手近な寝椅子に腰を下ろした。置かれていた柔らかな羽枕を抱き、憂鬱そうな息をひとつ。
勧められるままに椅子に掛けた私の前には、ヴェールで頭部を覆った薬師のまものが立った。固辞する間もなく、火山の熱に知らぬ間に火傷していた手足や顔の治癒に取り掛かってくれる。
「……感謝を」
「いいのよ」
手ずから卓の上に切り身肉や飲み物を並べながら、急に砕けた口調でフェラマが笑んだ。竜姫と同じ寝椅子にどかりと腰掛け、膝に頬杖をついてこちらを覗き込んで来る。
「それで?」
何が聞きたいのか問われ、大人しく治癒の術を受けつつ竜族の女たちにそれぞれの生活を問う。
「普段?」
「貴様に以前伝えた通りじゃな」
思いがけぬことを聞かれたと楽し気に笑うフェラマよりも先、竜姫が口を開いた。
「うむ、あの語りは良かっ……」
ついでに秘密にしていたことをうっかりと喋りそうになったか、コホン、と背筋を正す。なんでもないぞ、と端正すぎて怖い笑みを浮かべる。
次、と竜姫に肘でつつかれ、フェラマは嫣然と微笑んだ。
「普段は玉座に座ってさっきみたいな口調で喋るか、竜姫にちょっかいかけるかね」
優雅な仕草で長い足を組む。暫し考えて淡く笑む。可憐な竜姫に対して、フェラマは玉座の風格を備えて見えた。
姫と皇の並んで座すさまを描けば、竜姫は怒るだろうか。
「寝室は離れの洞窟だけれど、たまに人も来るの」
私の煩悶をよそに、フェラマは磊落に語って聞かせてくれる。
その巨体と内なる闘争心に任せた豪放な戦闘法には圧倒されるばかりだが、実のところは友好的なまものであるのかもしれなかった。
「敵意はあったりなかったり様々ですが、楽しければ何でも良いです」
こう見えて、と竜族の女は揺らめく焔の如く笑む。
「人の味方でしてよ?」
「……澄ました顔で何を言うかし」
隣で羽枕を抱えていた竜姫が不機嫌極まりない態度で吐き捨てた。ともすれば睨み合いになりそうなふたりに向け、思いついた質問を投げる。
「竜姫、そういえば以前とは随分口調が」
「ち、違くない、……」
慌ててこちらを向いてから、竜姫は咳払いして取り繕う。
「いつも通りじゃ」
そうしてから、威儀を正し凛と私を見据える。
「それ以上いうようなら不敬として火口に叩き込むぞ?」
半ば以上本気に思え、慌てて両手で口を抑えれば、竜姫は勝ち誇ったような可愛らしい笑顔を浮かべた。
隣ではフェラマがとても楽し気に笑っている。
ふたりの様子を傍で眺めていれば、良い物語が多く描けそうな気がした。しかし私は旅を続けなければならない。未だ知らぬまものを訪ねて歩かなければならない。
「貴女方の関係を聞きたい」
「簡単に言えば妾の領域を頻繁に荒らしに来る賊といったところか」
フェラマを押しのける格好で一言口にしてから、竜姫は、いや、と口ごもる。
「賊のほうがまだ可愛げがあるかの……」
聞けば、フェラマは竜姫の棲家に襲来しては散々暴れるだけ暴れ、気が済めば勝手に帰るという狼藉三昧を繰り返しているらしい。
「しつけの悪い獣のような輩」
悪態をつく竜姫にフェラマが鋭い視線を刺すも、竜姫は動じない。
「……なんじゃ、思ったことを言って何が悪い」
「試練で合格あげてからは喧嘩友達よ」
ひらり、フェラマは小馬鹿に態度で手を振った。
『竜の試練』。竜族の与えるそれを、風の噂に聞いたことがある。
苛烈な加護ですらあるがゆえに、時にそれを得た者の命も軽々と奪う『試練』。それにこの可憐な竜姫が打ち克ったというのか。
「と、友達じゃと?! 片腹痛いわ!」
感嘆の息を吐く私に目もくれず、竜姫は立ち上がって喚く。それをフェラマは視線だけで示してくすくすといなす。
「喧嘩じゃなくてもいいけど、この子よく吼えるから……」
「おのれ黙っておれば好き勝手言いおってからに! 今日という今日こそは許さんぞ!」
「黙っておれば? あら、いつ? いつ黙っていたというのかしら?」
流れる仕草で睨み合いに入ったふたりがそのまま戦闘態勢へ移るに見えて、慌てて暇を乞う。慣れた様子で戦場から脱出させてくれる薬師に礼を言い、神殿を飛び出す。
──竜姫と竜族の女はとても仲睦まじくに見えた、と『まものずかん』に小さく記したことは秘密にしておいた方が良さそうだ。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
まかい探訪記 第二集
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月26日
参加申し込みの期限
2021年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!