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まかい探訪記 第二集
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そのまものの噂を聞いたのは、死者の楽園にほど近い町だった。
いつものように町の広場で『まものずかん』を開き、嘆きの妖精の黒弦を爪弾き、蒐集したまものたちの物語を詩っていたそのとき。
熔岩が沸き立ち踊る火山で、舞い踊るが如くその鋭い爪を拳をその身の魔力を力の限り尽くして交わす竜族の女たちの猛々しくも美しい生きざまを語っていた、そのとき。
耳を傾けていた骸骨のまものが羨むように口にしたのだ。
「その強いまものたちなら、あの屋敷の魔女も倒せるかもしれない」
興味を惹かれて問えば、死者の楽園を目前にした『カバネ町』の住人たちは口々に聞かせてくれた。
──あの屋敷には魔女が住んでいる
──見つかれば切り刻まれる
──魔術の材料にされてしまう
恐ろし気な様子で彼らが示したのは、町を出て死者の楽園に続く煉瓦の路の先。焼け焦げて捩れた骨じみた木々や数え切れぬ数の墓標に囲まれた三角屋根の屋敷。最果ての空のように永遠に黄昏が続く空を舞飛ぶ蝙蝠のまものたちも、彼岸との境界線をふわふわと遊ぶ半透明のおばけたちも、その屋敷の周りにだけは姿が見えない。
「誰もが恐れて近づかない」
そのまものに、会いたくなった。会って、話を聞いてみたくなった。その姿を『まものずかん』に描き、その思考を記さなければならぬ。
そう信じて、その屋敷までの道を辿った。
ヤメロヤメロと空に羽ばたいては忠告してくれる蝙蝠のまものたちに手を振り、薔薇の蔦が這う魔女の屋敷の門を潜る。
白骨じみた石畳が続くエントランスには、ここに至るまでと同じ、立ち枯れて黒く腐り果てた木々と白い墓標の景色があった。
寂として動かぬ景色のその中、ただひとつきり、ふらふらと動く影がある。長い黒髪を死者の楽園の風に揺らし、意志持たぬ瞳に黄昏の色を鈍く宿し、蒼白を通り越して灰色となった肌が木枝に触れて傷つくのも構わず、墓標の中を彷徨う──それは、少女の亡骸だった。
おそらくは、何者かに魔力を注ぎ込まれて生ける屍と化したのだろう。
『何者か』は、この屋敷の主の魔女であることは疑いようもない。
こちらに近づく様子も見せず、ただ彷徨うばかりの少女の屍に一礼だけを送り、屋敷の扉を叩く。
然程待たず、扉が開いた。
「どなた?」
現れたのは、屋敷の庭を彷徨い歩く少女の面影を宿しながらも、少女よりも臈たけた雰囲気の女のまもの──死者の楽園のまものですら恐れる、魔女。
旅の詩人である旨を告げ、話を聞かせて欲しいと乞う。
町で聞いた噂を口にすれば、彼女は紅い唇にうっそりとした笑みを浮かべた。
「まぁ、その言葉は間違っていません」
一人が良いと魔女は眼鏡の奥の玲瓏たる琥珀の瞳を細める。
「作業が捗るので」
邪魔をしても構わないだろうかと問えば、ありがたいことに、魔女は気まぐれな仕草で頷いてくれた。
「あなたは今必要な材料ではなさそうなので、客人として扱いましょう」
艶やかに黒いドレスの裾と複雑な紋様の編み込まれた赤地に黒のショールを翻し、屋敷の客間へと手招きする。黒レースの手袋をはめた白い腕に抱えているのは、まものたちを材料とした魔術を記す魔導書なのだろうか。
「何のおもてなしも出来ませんが……」
こちらの不躾な視線に動じた風もなく、魔女は大きな窓を背にしたテーブルについた。
「その辺に座って下さい」
勧められるまま、対面する椅子に掛けさせてもらう。名を持たぬ詩人であることを告げたところで、魔術の材料に成り得ぬ私に魔女はさしたる興味を抱いた様子は見せなかった。
名を問う。エーデラ、と魔女は名乗った。
「私は
エーデラ
、魔術を編み出す者……」
なぜ魔の術を作り続けるのか、なぜまものを材とするのか。ひとつめを聞こうとして、ふたつめの疑問の答えに思い至った。彼女はおそらく、まものに興味を抱いていない。目の前にしたまものがどのようなものであろうと、己にどのような意思を抱いていようと、彼女にとってはそれはどうでもいいことなのだ。ただただ、ひたすらに材料となるかならないか。それだけしか見ていない。それにしか、必要を感じていない。
「好きな事を追求するためならば周りから恐れられても構いませんよ」
魔術を作り続ける理由について、彼女はそう語っては微笑んだ。
「ただ楽しいから、それしか理由はありません」
「……庭の、少女は」
だからこそ気になった。必要以上にまものに関わらない彼女が、なぜあの少女の屍に魔力を与え、己が屋敷の庭を好きに歩き回らせているのか。
ほんの一瞬、魔女は遠い昔を想うようなまなざしで背後を振り返った。視線の先には、庭を彷徨う少女の亡骸。
「懐かしさを、感じたから」
掠れた声で囁いて、魔女は不意に楽し気に笑った。
「私が編み出した魔術を見せてあげましょう──その身をもって」
この身を材料とする魔術を思いついたのかと身構える私に、魔女エーデラは艶やかなまでに微笑む。
「死なせはしません、身体が痺れる程度に抑えておきますから」
良ければ感想を聞かせて貰えないでしょうか、といっそ朗らかに言われ、私は言葉を失う。断ってしまえば、如何なる目に合わせられるか。
「骨の呪縛、致死の霧。この二つの術でまものは大抵掴まります。けれど殆どのまものは既にもの言わぬ素材になっているので……」
心から楽し気に魔女は笑い、手にした魔導書を開いた。鮮血のインクを滴らせる羽ペンをどこからか取り出し、琥珀の瞳を煌めかせる──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月26日
参加申し込みの期限
2021年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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