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ネコジマ不動産のワケ有り物件
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ネコジマ不動産で貰った三軒分の物件情報紙を折り畳んで鞄に入れる。財布にスマートフォンに、必要と思われるものを詰めてから、
神代 千早
は住み慣れた猫鳴館の自室を眺めやる。
ぐるりと巡らせた眼鏡越しの眼が最後に留まったのは、机の上に置いた白い巻貝。
寝子島の海の底にひとり棲む少年のもとに呼ばれ、夢うつつの時間を過ごした後に手元に残ったそれを、指の爪先で三回叩く。
(本当にこれで伝わるんだろうか?)
不思議に思いつつ部屋を出る。散らかり放題の廊下を渡り、開ける度ひどく軋む扉を押して外に出た途端、寮を包み隠す九夜山の森のどこかから沈丁花の匂いがした。
春先の香に背を押され、舗装されていない路を辿って山を下りる。春にざわめく鳥の声や道端に群生する小さな花を眺めて進むうちに、気づけば景色はいつしか山から町へと、町から海へと変わっている。
春陽の色を跳ねさせ輝く海を傍らに寝子島街道を歩いて向かうは、先のひなまつりの折に見つけた空色の花に埋まる花壇の前。綻び始めた白木蓮や桃の花木を囲むかたちで設えられた木製ベンチに座っているのは、今日は白靴下を履いた猫ではなく、
「チハヤ!」
陽の色の蒼く透ける髪を海風に揺らし、両手をこちらに振る少年。
「ユニ」
名を呼べば、少年は心底嬉しそうに笑った。どうやら巻貝を叩く『合図』は、きちんと水底へ届いたらしい。
「ブッケンナイケン!」
魔法の呪文のように楽し気に言って手を繋いでくるユニに小さく頬を緩める。この小さなお供がいてくれれば、ひどく気重だった引っ越し準備も幾分気楽に感じられてくる。
「ああ、行こう」
行こう行こう、と歩き出して、どこに行けばいい、と首を捻るユニの手を引く。最初に向かうはここからそう遠くないネコジマ不動産。
寝子島街道沿いの小さな店舗で物件の案内をしてくれる担当スタッフと合流し、店から徒歩数分のアパートに向かう。
「古いですが駅まで遠くないですし、何と言っても景色がいいですよ」
地元スーパーもありますし、とこの界隈に詳しいらしい担当さんの言葉に生真面目に頷き返しつつ、海風に錆びついたアパートの外階段を登る。
吹き寄せる風に誘われて目を上げれば、寝子島街道と堤防越しに青空と水平線が見えた。確かに、景色は申し分ない。
(大学からも近いし)
見るからに薄い木製のドアの鍵を開ける担当さんの背を視界の端に思案する。この古さとドアの具合からして、おそらく壁は猫鳴館並みに薄い。
(作業音は近所迷惑になるかもな)
住む場所を変えたところで、自己表現を模索する手を止めるつもりは毛頭ない。絵画はともかく、得意とする木工はどれだけ気を使ったところで音が立つ。猫鳴館の寮生たちはどんな音を立てようが大抵はお互いさまだと笑うばかりだったが、ここではそうもいくまい。
入ってすぐの狭い台所と六畳一間に押入れの空間だけでは、下手をすれば寝る場所すら自身の作り出したもので埋まってしまうかもしれない。
目を輝かせて室内を見回すユニを眺めていると、
「もしかして新しい人?」
物音を耳にしたのか、隣の部屋のドアが開いた。顔を出した髭面の男は、会釈する千早に難し気な顔をしてみせる。
「……ここ、出るぜ」
声を潜めて男が話しだしたのは、外階段に現れたというびしょ濡れのこどもの幽霊のこと。
「──それでな、言われた通りコップに水を入れて持ってったら、かけてくれって」
そうして蒼い蛇になってどこかへ去ったという男の話に、担当さんが顔を引きつらせる。ユニがドアの影に身を潜める。
男の話に怯えている風ではなく、どちらかと言えば気まずそうに目を逸らして見えるこどもを千早はじっと見つめる。千早と目が合って、ユニはますます俯いた。
引っ越すなら慎重にな、と言い置いて、男は部屋のドアを閉めた。
担当さんは空き部屋の鍵を閉めて溜息を零し、次に向かいましょう、と営業スマイルをした。
「次は星ヶ丘の物件ですね。『ねこの庭』という植物園の管理物件なので、案内はそちらの方がしてくれるそうです」
せめて車で送ります、という人の好さそうな担当さんに、千早はそっと首を横に振る。
「『ねこの庭』は知っているので」
「ねこでんに乗る! ……乗る?」
はしゃぐユニに頷けば、歓声をあげて手をぎゅっと握られた。早く早くと手を引っ張られながら、後ほど合流をと担当さんに伝え、千早はもう一度だけ古いアパートを見遣って思案する。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月24日
参加申し込みの期限
2020年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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