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早死にするのは善人だけ
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前ページ末で語った通りだ。
グラビアアイドル理緒の仕事はこのところ、大盛りを通り越して特盛りの丼、これを平らげお腹いっぱいの状態でさらに、おかわりが運ばれてくるような日々だった。
このフィーバー進行がはじまって何日目だっただろうか。
理緒は都内、プール付きのスタジオにいた。もちろん水着に着替えて。
この日の予定はただひとつ、青年漫画誌『週刊ヤングニャンプ』の巻頭グラビア撮影だ。発売は五月を予定している。
雑誌の撮影だからギャラはいい。けれどもそのぶん拘束時間もとてつもなく長いので、時給に換算すればそんなにおいしい仕事ではなかった。ただ、発行部数の多い雑誌ゆえ宣伝媒体と考えれば収支はプラスといえるだろう。
水着は久しぶりだなぁ。
うーんと伸びをしてチェアに腰かける。昼休憩中なのだ。本音をいえば一泳ぎしてリフレッシュしたいところだが、メイクが崩れるためプールには入れない。
ここまでは室内セットで撮影した。ベッドの上で下着になって寝そべり、うんとフォトジェニックな表情を作って見せた。悩ましげな視線も慣れたものだ。相性のいい写真家が相手だったいうこともあり、新幹線とは言わないまでも、特急電車くらいには快調に進んだといえよう。
おっと、こうしちゃいられない。
理緒はスマホを手にして住宅情報を見る。賃貸情報誌が作成しているサイト、大手不動産グループのサイト、ぐるぐる巡って探しつづける。
悩ましい。本当に悩ましい。
これはと思う物件があっても、家賃が王侯貴族クラスだったり、そこはガンダーラかと言いたくなるほど遠い場所にあったりする。おっ、と目を引く家賃&立地であっても今度は、地上を恐竜が歩いていた時代に建築されたものかと疑うほどに古いのだ。
まれに、これら条件をすべてパスするような良好物件も見つかる。しかしそういうところにかぎって、すでに契約済みなのである。
あとは、帯に短したすきに長し、どうにもジャストフィットしないものばかり。
うーーん……。
「見つからないの?」
見おろすような位置から声がして、きゃっと理緒はスマホを取り落としそうになった。
紗月だった。今日は撮影の見学に来てくれていたのだ。
「あ……うん、なかなかね」
無視していたのではない。
でも少し、思念の外にあったかもしれない……撮影に集中し部屋探しに没頭していたせいで。
紗月が理緒のスタジオ見学に来るのは珍しい。誘ったことは何度かあるが、毎回「恥ずかしいから」と断られるのが常だった。それなのに今回ばかりは紗月もなぜか「うん、いいよ」とふたつ返事で承諾してくれたのだ。
紗月がいるんだ。今日はいいところ見せなくちゃ――今日はいつもより気合いを入れていた。しかし逆に没頭しすぎたかもしれない。
だめだなあ、あたし。
うっかり紗月の存在を忘れかけるなんて。
申し訳ないやら恥ずかしいやら。
ところが紗月のほうは、そんな風に思ってはいなかった。
やっぱり理緒ちゃんは大人だ……私よりずっと。
素直に尊敬しているのだった。
プロの被写体、モデルとして、カメラの前に身をさらす理緒は間違いなく美しい。だが彼女は受け身ではない。撮影者から求められたものに応じるばかりではなく、ときには自分から要求以上のものを提供する。撮影の合間にスタイリストやカメラマンと真剣な表情でコーデやポーズなど確認している姿も、紗月の目には『仕事している』とまぶしく映った。
自分の魅力を熟知し、常に見せ方を研究しているからこそできることだ。
だから声をかけるのにもためらったが、そんな理緒が急に、ぱっと普段の彼女に戻ったところは可笑しくもあった。
これまで「今度の撮影、見に来ない?」という理緒の誘いを断ってきたことをいささか悔やんだ。美しく凜々しい理緒の姿を、こんなにも間近でたくさん見ることができるのだと知っていれば、もっと積極的に参加したかもしれない。
「ごめん、退屈してない?」
「ううん、楽しい」
紗月は首を振った。
「今日の理緒ちゃん、本当に格好いいよ」
「ははは、そうかな」
理緒は照れ笑いする。
「ところでお昼ご飯は食べないの?」
紗月はスタッフの仕出し弁当のご相伴にあずかっていた。
「食事したらお腹がふくれちゃうんだよね。だから撮影が終わるまでは抜きなんだ」
「大丈夫なの?」
「もう慣れたよ」
そこにマネージャーと撮影スタッフがひとまとまりでやってきた。
マネージャーの表情が硬い。スタッフたちもだ。
事情を知れば理緒も苦笑いするほかなかった。
「それは参ったね……」
午後のプール撮影ではもう一人のグラドルと絡むことになっていたのだ。ところがそのグラドルにトラブルが発生しドタキャンとなったというのである。
事情は明らかになっていないが、急に連絡すら取れなくなったらしい。こういう職業をしているのに無口で目立たぬタイプで、理緒はもちろん他のグラドル、スタッフともほとんど交流のなかった子なので、今どうしているのかすらわからない。
遅いなとは思っていたが、そういうこととは知らなかった。
実はこの業界、こういったアクシデントには事欠かない。理緒自身はドタキャンする側になったことはないものの、デビューしたての頃は何度か、急に『飛んだ(=行方をくらませた)』グラドルの代役を頼まれたものだ。
「計画狂うなあ~」
フォトグラファーの
片庭
(かたば)が腕組みして言った。彼女は元お笑いタレントという異色の経歴の持ち主だ。タレント業はあまりぱっとせぬまま引退したものの、写真家に転身してからは着実にキャリアを築きつつある。理緒を撮るのはこれが四度目なので互いに気心も知れていた。私生活では三つ子の母親というタフな女性でもあった。
そのほうが楽だから、と片庭に希望されているので理緒は片庭には敬語を使わない。
「どうする片庭さん? あたしはシングルでもいいけど」
友達とまではいかずとも、親しい先生くらいの気持ちだ。
「うーん、でもペア撮影って契約だったから」
とは言いながら片庭の表情が、それほど困っているように見えないことに理緒は気がついた。
いやむしろなんだかワクワクしているような……。
もしかして!
「片庭さん! それはダメっ!」
と制止せんとする理緒をするりとかわして、
「切羽詰まっちゃって~、ね、後生だから」
片庭が両手を合わせた相手、それは理緒ではなく紗月だった。
「佐和崎さん、って言ったよね? お願いです、代役になって!」
目が点になるとはまさにこういう状態を言うのだろう。
「私、ですか?」
繰り返すものの、どうにも紗月には、まだ事態が飲み込めていない。
「そう、いきなりなんだけど、衣装ならあるし」
やっぱりー!
理緒は天を仰いだ。
理緒が連れてきた最初から、やたらと片庭は紗月に親切だった。見学しやすい場所を確保してくれたり、合間合間に話しかけたり。仕出し弁当だって当然のように、紗月のぶんまで用意していた。
もちろんそれは、紗月の可憐さと素直な性格が好まれたからであろうし、それはそれで恋人として(スタッフへの説明では親友として)理緒にとっても誇らしいことであったが、即座に提案が出たところからして、そもそもスカウトしたいという下心があったのではないかと疑わしくもなってくる。まあ片庭はもともと世話焼きなので、機会があれば声をかけたい、というくらいが正確なあたりかもしれないが。
「ちょっとちょっと」
川を逆流する鯉のごとく、理緒は片庭と紗月の間に割り込む。
「無茶言わないで。彼女素人なんだから」
片庭をけん制し、
「安心して紗月、あたしが守るから」
と紗月にしっかりと告げた。もちろん本気だ。いざとなれば戦う覚悟もある。
「いやでも」
こういうあたりが元コメディエンヌ、片庭はにょろりと身をくねらせて理緒の肩口から顔をのぞかせる。
「佐和崎さんの気持はどうなのかな? バイト代ははずむよ」
「やめーい」
理緒が肩をいからせガードするも片庭はあきらめない。今度は理緒の脇のあたりから顔を出して、
「フォトセッションって楽しいよ! 一身にフラッシュの中心に立つのって、ちょっと他にはない快感だもん」
「青少年を惑わすようなことを言わないのっ!」
「お忘れ? 私だって元は脚光を浴びる側だったのよ。まーあまり大舞台には立てなかったけどサ」
それにー、と片庭は理緒の両肩に手を置いて言った。
「理緒ちゃんも一緒だから怖くないよ」
そうか、つまり私からすれば紗月と一緒、ってことか――。
むむ、と一瞬黙ってしまった理緒だが、いけないいけないと再度口を開けて、
「紗月、嫌なら断ってもいいよ」
紗月の目を見て言った。
「そうね、佐和崎さんの意思が一番大事だから」
これには片庭も異存はないようだ。
紗月は悩まなかった。ごく自然にこう応じたのである。
「わかりました」
大丈夫だよ、と紗月は理緒に言った。
大丈夫、自分にも言い聞かせている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月03日
参加申し込みの期限
2020年11月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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