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早死にするのは善人だけ
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一応、年度末繁忙期の接客研修ということになっている。
しかしそんな名目は、
豊田 華露蘿
には眉唾物だ。
今夜も水色のドレス着て、華露蘿は『プロムナード』のソファに座る。源氏名は
瑠住(ルース)
、浅く腰掛け必要とあれば酒を注ぎ、客の話に相づちをうち愛想笑いする。愚痴や落ち込んでいる話を聞いたときは励まし、ときには人生相談を受けて考えこむ。合間合間には酒も飲むが、これは仕事なので最小限にとどめる。
接客娯楽のサービス業、簡単にいえばキャバ嬢。
この活動が文具店勤務にどれほど活かされるというのか。
まあ、バイト代はいいけど――。
わりと、いや、かなり。
数回入ればまとまった金額になるので、ちょっと大きな電化製品を買うときなどに役立っているのはまちがいない。
でも『研修』という言葉にはやはり疑問を感じずにはいられない。文具店員とキャバ嬢(といってもヘルプだが)の間にどんな共通点があるというのか。
両者とも、臨機応変の適応力が求められるところは共通しているといえようか。入荷トラブル不良品への対応、客が予告もなく持参したペンの替え芯を素早く探したり、使用状況に合った文具をアドバイスしたり……こういった場面は細かな内容こそ違えど、キャバ嬢業務にも頻発するものだ。
だとしたら役立っているのかなあ。
そういえば『プロムナード』に入るようになってから、クレーム対応は格段に上手くなった気がする。
などと考えつつもマルチタスクでフリー客の対応を終えて「お時間です」とあくまで愛想良く伝える。
大学生くらいの子だ。大人気ゲームを買うため徹夜で並んで、運良く抽選に当たって買えて嬉しすぎて、ゲームをたっぷり遊んでから勢いで人生初体験のキャバクラに来たのだという。彼は今日、ずっとそのゲームの話をしていた。
「どうでした? 楽しかったですか?」
「は……はい、僕、お姉さんみたいな綺麗な人と話したの生まれて初めてです……!」
慣れない言葉を口にしているのだろう、青年は色白の顔を郵便ポストみたいにしていた。
初々しいなあ。
「またいらしてくださいね」
深々とお辞儀して見送ると、床から数センチくらい浮いているような足取りで青年は出て行った。
こういうお客さんばかりだといいんだけどな。
じき休憩時間だなあ、と思いながら戻りかけたところで、
夕顔
とすれ違った。
あれ――?
夕顔は店で最年長のキャバ嬢だ。小さいながら子どももいるという。さっきあのお客さんが『お姉さんみたいな綺麗な人』と嬉しいことを言ってくれたが、夕顔さんと比べたら月とすっぽんだと華露蘿は思ったりもする。通った鼻筋、切れ長の瞳、つやのある黒髪に白い肌。女優のような美しさなのだ。聞き上手かつ性格も優しく大らかで、なにかとツンケンしている
紗央莉
を含む全員に慕われている。この店に来るまで多数のキャバクラでナンバーワンの座に輝いていたと、やはりあちこち渡り歩いてきた
まみ子
から聞いたこともあった。
その夕顔が、機嫌の悪そうな雰囲気をただよわせていた。もちろん表情には出ていない。だけどなんとなくわかった。
「瑠住ちゃん今から休憩? 私も」
にこやかに夕顔は告げたがやはりピリピリしているのが伝わってくる。
バックヤードに入ってメイク台の前に座る。ふと目をやると夕顔は鏡に顔を向けたまま無言で腕組みしていた。滅多にこういうところは見せない人なのに。
「あの……何かありました?」
おそるおそる華露蘿はたずねた。
いいえと夕顔は首を振る。
「今夜はまだ何も」
「今夜は?」
「ごめん、もしかして今の私感じ悪い? 瑠住ちゃんに怒っているわけじゃないからね」
最近入りびたっているお客さんでね、と夕顔は
松木長
(まつき・たける)のことを明かした。
「ああ紗央莉さんのヘルプで入ったことあります。その後
泰葉
さんのヘルプでも」
妙に羽振りのいい客だとは思った。高いものをじゃんじゃん注文する。なのに自分はほとんど口を付けず嬢に振る舞ってしまう。華露蘿も乗せられて、結構な量を開けてしまった記憶があった。
「あのお客さん寝子島の人間じゃないわ。長期出張とか言ってるけどどこまで本当だか」
と言って夕顔は息を吐き、つづけた。
「これは勘だけどね。どうもあのお客さん、何か肚(はら)に隠してる気がするの。正直、いけすかない」
夕顔がここまではっきりと否定的な言葉を使うのはめずらしい。
「何か企んでいると……?」
「たぶん。きっと店にとってはよくない話」
想像は付くけど、とは言うものの夕顔はそれ以上明かさなかった。
「今夜も来ると思う。あの人、私みたいなのには警戒して近寄らないけど。つけいりやすい――これはスレてないって意味だからね――の瑠住ちゃんみたいな子は狙ってくるかもしれない。気をつけてね」
「は……はい」
たしかに松木ってお客さん、ちらちら怖い目をするんだよな……気をつけないと。
華露蘿のほろ酔い気分はたちまち消えてしまった。
夕顔さんの勘は怖いからなあ。
まもなく小休憩が終わり、華露蘿は髪を直して店のエントランスに向かった。
まさか、と思ったが例の松木ではなかった。
「ご新規さんいらっしゃいませー!」
と言った直後、「え……?」と硬直する。
あのおじいちゃん刑事――!
そういえば先日、『プロムナード』に行きたいとか何とか言っていたような。
僕がたまにここのヘルプに入っていること、知らないはずだよね……?
「いらっしゃいませですよー」
アーナンド・ハイイド
店長が黒いスーツ姿で出迎えた。華露蘿はとっさに店長の大きな体の影に入るようにする。顔は伏せ視線は足元に向けた。
いまは眼鏡もしていないし昼間とは髪型もメイクも変えてる。気付かれてなければいいけど……。
「はいはい、こんばんは」
吐前 亀二郎
(はんざき・かめじろう)はアーナンドを見て、ふさふさの白い眉毛をゆるめた。髪もふさふさでやはりほぼ白、全体的にムクムクしていて、優しげな老犬風なのである。
けれど笑みをたやさぬこの老刑事が、実はかなりの曲者であることを華露蘿は知っている。ソフトなルックスと物腰ながら粘っこく、気になったことがあれば根気強く食らいつき解き明かそうとする。ぶっちゃけた話、苦手だ。
ここで研修という名のバイトをしていることがバレたらまた根掘り葉掘り聞かれかねない。幸い吐前の注意は店長だけに向いている。できることならこのまま回れ右して姿を消したい。
「あら吐前さんお久しぶりですねー。ようこそです」
「アーさんこそ体調も戻ったようでなによりです、はい。でもくれぐれも無理はしないようにお願いしますよ。お子さんもふたりもいるんですからねえ」
「いやあ、どうもです。……あれ? ワタシ、子どもがいるって吐前さんに話したことありましたっけ?」
ふおふおふおと笑って亀二郎はそれ以上語らない。
うー、店長は平気なのかなぁ……刑事さんのああいうところが僕、薄気味悪いんだよぅ……。
相手に『アーさん』だの『文具屋さん』だのと愛称をつけて距離を詰めてくるところも何気に怖かった。
「本日ご指名は? フリーにします?」
とアーナンド店長に問われ吐前は即答した。
「じゃあ豊田さんでお願いします」
とっくにバレてた!
酒を口に含んでいたとしたら霧吹き確実だっただろう。華露蘿にとっては全身の毛が逆立つほどのショックだったがアーナンドは軽く受け止めて、
「じゃあ瑠住さん、ご案内お願いしますね」
とお辞儀して姿を消した。
店長も動じない人だなあ、いやそれより――。
声をひそめて華露蘿は吐前に告げる。
「こ、ここでは本名はやめてくださいよ」
「年取ると横文字に弱いんですよ、はい」
吐前は目尻を下げた。
調子いいなあ……。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月03日
参加申し込みの期限
2020年11月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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