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早死にするのは善人だけ
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『店に着いたら裏口のドアを手早くノックしてください。三三七拍子で。合言葉は――』
なにそれこわい。
七枷 陣
の受けた第一印象だ。
本日は普段通り『クラン=G』でのバイト日だ。しかし朝早く千絵から届いたメールはまったくもって普段通りではなかった。詳細は書かれていなかった。店で話すということらしい。非常事態が起こっていることだけはひしひしと感じられる。
急いだほうがよさそうだ。いつもよりずっと早く陣は家を出た。
まもなく陣が遭遇したのは、ぞろぞろと長い行列だった。参加者がそろって暗い顔をしているあたりもうすら寒い。上空から見おろせば、のたうつミミズみたいに見えるのではないか。
「なんだろー、ねこったーでよくみたことのあるこうけいだぞー?」
無関係であってくれ、そんな願いを込めつつ他人事のようにつぶやく。けれども内心は、バッドエンド確定と思っている。
店が見えると予想通りだ。容赦ない現実。
開店前行列とか嫌な予感しかしねー……っ!
巨大ミミズが目指す先こそ、陣のバイト先『クラン=G』なのだった!
裏口に近づき、周囲をうかがって誰もいないことを確認する。
コンコンコン、コンコンコン、コンコンコンコンコンコンコン。
三三七拍子でノックした。薄く開いたドアに、
「東海道中膝栗毛」
小声でささやくとドアが開いた。千絵の手が陣の腕を引っ張り店の中に引き込む。陣が入ると即座に扉は閉じた。
「おはようございます……」
緑のエプロンをした千絵が、四つん這いで待ち受けていたのだった。自然、陣も同じ姿勢になる。下手に立つと外から見えることを危惧しているのだろう。匍匐前進しキスできそうなほど顔を近づけて千絵は言う。
「声も抑えてください」
「お、おう……」
眼鏡の奥の千絵のまなざしは、『ど』がつくほど真剣だ。陣も声を潜めるしかない。
「なんで『東海道中膝栗毛』よ? 合言葉」
「意味はありません。最近はまっているんです」
十返舎一九(だったっけ)に? それともそういうモチーフのBL本でもあるの? と疑問が湧いて出てきたが、今はそれどころではない。
「何があったの?」
「『DIE YOUNG 2』って知ってます? ゲームの」
「あーまあ廉価版が出たら買うかな、くらいの気持ち。一作目もそうしたし」
まさかと陣が言いかけたところで、三三七拍子のドアノックが聞こえてきた。
そして、東海道中膝栗毛。
「なんで東海道中……? 弥次さん喜多さんってやつだっけ?」
真白が入ってくる。やはり赤ちゃんみたいにはいはいしながら。
「元祖バディものです」
いやその時代にそんな言葉ないでしょと、陣は一応つっこんでおく。
それはさておき、と言って千絵は事情を説明した。
「店長ェ……っ!」
陣は絶句した。最近またヒゲと髪を伸ばしだして再度オランウータン化が進みつつある店長の顔を思い浮かべる。あのオヤジ、なんという無責任なことを……!
「お父さん今、ドイツなんです。新作ボードゲームの発表会に」
それは困ったね……と真白は床に座り込んで腕組みした。真白も数回しか見たことがないとはいえ、オーナーの三佐倉杏平は飄々としているがものに動じず変なカリスマ性がある人物だと記憶している。三佐倉店長なら、この状態も受け流すようにしてさばいてくれたかもしれない。
「なので白さんが『手伝おうか』ってメッセージをくれたのは本当に助かりました。お願いしていいですか」
千絵は半ば泣き顔だ。開店まであまり時間がない。本当に困っていたのだろう。
小声ながら真白は力強く答えた。
「もちろんだよ! この店が暴徒に踏みつぶされたら私の心の支えがなくなっちゃう」
暴徒に踏みつぶされる、その表現は陣にも大げさには聞こえなかった。行列している連中に、殴り合いとまではいかずとも小競り合いをしている組み合わせを見たのだ。一触即発の状態だった。あの人数が爆発して店に飛び込んできたら……想像するだけで腹の底が冷えてくる。
「それにしても『DIE YOUNG 2』、しかもフィギュア付き限定版かー」
私も欲しいくらいだよと真白は苦笑いした。真白は初日購入はとうにあきらめ、大手通販サイトで注文だけしている。半月から一ヶ月は待つことになるだろうがそういうものだと理解していた。
「皆よく嗅ぎつけてきたなぁ。ここって非電源のアナログゲームしか扱わないから入荷するなんて普通考えないと思うんだけど……いったいどこから漏れたのやら」
「三佐倉てんちょーって自分の興味ないものには何の注意も払わないからな……。特に考えもせずペラペラしゃべったのかも」
オーナーの経営のセンスと勘が良く当たることは陣も認めている。だが根本的にどこか天才気質というか、常人とは根本的にズレたところがある人だとも思っていた。
「間が抜けているんです、お父さんは」
ぴしゃりと千絵が言った。
「千絵ちゃんそれ、ちょっと厳しすぎない?」
と言う真白に千絵は首を振る。
「いえ、従姉妹の結婚祝いにフルスクラッチ(※)制作したニャンダムのプラモデル(総制作時間五十時間)を贈るような人ですから」
その従姉妹はプラモはおろか、ニャンダムにすら興味ゼロだったそうである。
「すごいな……ある意味」
やはりスケールが大きいとは陣も言わざるを得ない。評価はしないけど。
「とにかく過ぎたことはしょうがないし、この状況をどうにかしないと」
真白が言いかけたところでまた三三七拍子のノックが鳴った。
「えっ?」
千絵はまばたきする。
「そうそう、『援軍求む』のNYAINメッセージを送ったんだ」
いいよね? と言って真白は千絵を振り返った。
「助かります。今は猫の手も借りたい状況です」
真白はドアを薄く開く。
「合言葉は?」
「とうかいどう……なか……ねえこの漢字読めないんですけど!?」
まもなく『紅』こと
芋煮 紅美
が、猫のようにするりと店内に這い入ってきたのである。
※フルスクラッチ:既製品ではなく、粘土やプラスチック板といった素材からオリジナルで模型全体を作り上げること。相当な根気と技術、さらにセンスが必要とされる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月03日
参加申し込みの期限
2020年11月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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