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甘い香りを三つ編みに
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【想い】
暮れゆく陽。黄昏れ空。橙と紫のマーブルに染まる綿雲。
ビル街を離れ、民家の作る細い路地を通り抜けた先。アスファルトの急階段を登った脇に、海の見つけた空き地がありました。
三人のお気に入りの場所。手入れもおろそかな草地にドレスとスーツ姿の彼らはいささか浮きがちですけれど、これも奔放な寝子島スタイルと言える……かも?
空き地に転がっている平べったい木切れの上に、刀がしゅるり、取り出したハンカチを広げて敷き、女の子たちを座らせます。いつもの彼らしからぬ紳士なエスコートに、ふたりもきゅんきゅんです。
「夕日が綺麗ね……」
ほうっと息を吐いた千歳も、うっとりとして見つめた海の横顔も、金色に染まりつつありました。
坂の上にある空き地からは、街を一望することができました。旧市街も、シーサイドタウンも星ヶ丘も、小さいながら雄大な寝子島の広がりが、まるで手の中にすっぽりと収まってしまいそう。
「ああ。ここに来ると、いつも気持ちいい風が吹いてるな」
「本当ね」
九夜山を吹き下ろすさわやかな風を肌に浴びながら。
とく。とく。とくん。海の胸は早鐘を打ちました。
伝えたい言葉があるのです。照れくさくて、面と向かってはなかなか言えないけれど……大切な存在、大切なふたりへ、どうしても伝えたい想いがあるのです。
『ちとせ。かたな』
海はふたりへ、用意していたチョコを手渡します。
海にまだ言葉があったなら、きっと震えていたでしょう。あらかじめスケッチブックに書きつけられた文字は流麗であれど、それを保つ腕は揺れていました。
幼さを残す面立ちを朱に染めながら、海の言葉は、はっきりと。
『わたしは二人のことがだいすき』
空気が凛、と鳴り、踏み出す海は刀へ、千歳へ。唇を寄せました。
『あいしてる』
海の手は重く、軽やかに、厳かにページを繰ります。
スケッチブックからは彼女の感情があふれ出すかのよう。
『ずっとずっと、三人でいたい。だから、三人で恋人になりたい』
ぴたりと手を止め、ページを掲げながら。
海は真っすぐに、ふたりを見つめました。愛するふたりを。
『わたしたちで、つきあってください』
海のチョコは綺麗にラッピングされて、ずっしりとした重みを伝えます。言わずもがな、本命でしょう。
千歳は海の告白を受けながら、少しばかり不思議な気分を味わっておりました。心の動きは、回顧とも言えるかもしれません。
(刀君はともかく。女の子同士……今じゃすっかり受け入れて、違和感なんてないんだもの。なんだかおかしいわね)
中学生の千歳は、こんな形で誰かを好きになるだなんて、思っていたでしょうか。ずっといっしょにいたい誰かがふたりもできてしまうだなんて、想像していたでしょうか。
どんな時でも明朗で好もしく、料理もできて成績だって良い、完全無欠なお嬢さまを見本に育った千歳。双子の姉と比較され、ちょっぴり自信が無かったあの頃の自分。可愛いものは似合わないから、融通が利かないからと卑下していた昔の自分。
そんな自分にも、大好きな人ができるだなんて……それも、ふたりも!
「海。刀君も」
無口だった自分が、こんなにもするりと言葉を紡ぐことができるのは、きっとふたりのおかげ。
千歳もまた、ふたりを真っすぐ、順に見据えます。
「私も、ふたりが好き。大好きよ」
きっと初めての、自分からのキスを彼女へ、彼へと贈りました。
剣道少年です。無骨な男なのです、刀という人間は。祖父から受け継いだ剣術の稽古に打ち込みすぎて、日常のあれこれをおろそかにしてしまうこともままありました。
ぶきっちょです。剣だったらいくらでも器用に扱ってみせるのに、女の子のあしらい方となるとからっきしです。
けれど、そのままではいられません。刀は変わります。剣も、女の子たちも、学校生活だって勉強だって、全てをさらりとこなしてみせる男にならなければいけません。
(海や千歳に、先に言わせてしまったな。情けない)
ふがいなく思いつつも、それとてさしたることではありません。後か先にか、そんなのは些末ごと。全て受け入れ抱きとめる、度量ある男たれば良いのですから。
海と、それに千歳も。ふたりがはにかみながら手渡してくれたチョコに込められた想いを知らずにいられるほど、刀もドンカンなままではありません。
朴訥で。ときどきデリカシーが足りなくて。ムッツリ気味で。それでも強くて頼りがいがあって、心優しく正義感の強い剣道少年。
刀にだって、男を魅せる心意気のひとつやふたつ、持ち合わせもあろうというものです。
「千歳。海。俺からも言わせてくれ」
三人いっしょ、それだけで日々は色づきます。楽しい毎日です。
それでも……そう、
あの日見た光景
を現実のものとしたいなら。虹を成す結晶たちが見せた幸福な未来をこの手につかみ取るならば。
あと一歩を踏み出す時は、今!
「……えーっと。あーっと」
不意を突く告白には内心けっこう動揺していたようで、ここぞという瞬間につまづく刀。
「はい……俺も同じ気持ちです。これからも一緒にいてください」
おずおずとなんだか自信なさげに差し出されたチョコ。彼も気合を入れて用意した品だったりしますけれど、すっかり渡すタイミングを逃してしまっておりました。
「もう、刀君ったら。締まらないんだから」
けれどこれもまた彼らしい、かも? 女の子たちはくすりと笑います。
『これからも、よろしくね。ふたりとも、だいすき』
「こちらこそ」
「ああ。ずっといっしょに、な」
まばゆい陽光は紫に溶けてゆき、街灯がまるで季節外れの蛍めいて街並みをぼんやりと照らし始めます。
顔を見せた孤月がはかなげに、特別な夜の訪れを告げました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月29日
参加申し込みの期限
2020年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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