FINYALFANTASY7 RE Ep.3 「骨太の種族」｜リアクション

FINYALFANTASY7 RE Ep.3 「骨太の種族」

【遥かにゃる戦い集結編】

　超回復能力とはいえ、人の生命力は無限ではない。
「ふん。頑丈さが取り柄のザコが。どいていろ……！」
　それをさらに容赦なく斬り刻むマサト。
「ぐ……うおおおお……！」
　歯を食いしばり、耐えるゲンゾウ。
「このっ！」
　タケミチは『れいき』で援護しようとした。
　すると、ソルニャーの配下がそれを阻もうと動く。
「隊長を守れ！」
「ソルニャーの意地を見せよ！」
「くっ……」
　やはり多勢に無勢――そう思ったときだった。
「おやおや、ソルニャーともあろう人達が後ろがガラあきですよ、と」
　その声はタケミチだけでなく、ソルニャーにも聞き覚えがあったようだった。
「……！？　この声は……」
「あなたは……うぁああああ！？」
　刹那、ソルニャーの背後に忍び寄っていた電磁ビットがソルニャーの動きを封じた。
「今だ！　何でも屋くん！　氷漬けにしてやれ！」
　現れたのは虹色の仮面を着た変なおじさんだった。
「何をしている！早く！」
「……っ、了解！」
　気を取り直し、タケミチはもう一度精神を集中して「れいき」を放つ。
「ぐあ！」「ばかな！」
　マヒしていたソルニャーは為す術もなく、氷漬けになって戦闘停止に陥る。
「ははは！　いいぞ、何でも屋！」
　ゲンゾウが快哉を叫んだ。
　と、そこで、彼は現れたマスクの男の正体に気づき、
「つーか、シュンスケさん、その恰好は……」
「……っ！　しーっ！！　わたしはそういう名前ではない。私の名前はレインボー仮面だ！」
「へ、へい……！」
　シュ――もといレインボー仮面が必死にそう訴えるので、ゲンゾウはそれ以上は聞かないことにした。
「ふん。ニャークスの裏切りものどもが。まあ、裏切りたくなる気持ちはわからんでもないがな」
　マサトが倒れた兵士に一瞥をくれると、レインボー仮面に斬りかかる。
　レインボー仮面はとっさに電磁警棒でその攻撃を防いだ。
「ほう？　デスクワークが専門家と思ったが、なかなかどうしてやるものだ」
「ふふふ。驚くのはまだ早いんじゃないかな、と」
「……なに？」
　レインボー仮面はマサトの肩越しに何かを見つめていた。
　マサトは、その視線とソルニャーの本能とで、その何かの存在に気づき、すぐさま後ろを振り返った。
　そのときには、すでに彼――カタナは頭の中で撃鉄を落とし、「かそく」している。
「ニャンフィニットエンド！！！」
　加速しながら振り回した剣の遠心力をいかして、大きく跳躍、そのままマサトに振りかぶる。
「ぐあああっ……！」
　マサトはとっさにガードして見せたが、かそくの勢いと回転の遠心力を受け流すことはできなかった。
　衝撃に吹き飛び、フロアーの壁に背中を強かに叩きつけられ、そのままガクリと意識を失った。
「おおっ！　やっと来てくれたね、カタナくん！」
「遅れてすんません！　でも、みんなでアイツの意識をひきつけてくれてたんで、一撃で決められました！」
　再会を喜ぶ先輩後輩のカタナとタケミチ。
「君たち、喜ぶのはまだ早いよ！　エレベーターは同志が止めてくれたから、残りの敵を片づけるんだ！」
　そんな二人に、レインボー仮面は、まだ終わっていないと呼びかける。
「よし！　だいぶ数が減ってきた！　一気に片づけるぞ、何でも屋！」
　深い手傷を負いながらも、「だいはーど」でさらに立ち直って見せたゲンゾウが共闘を呼び掛ける。
「オッケー！　援護は俺の「れいき」に任せてよ！」
「任せろ！　一気に片づける！　必殺、ニャピッドチェイン！！」
　立場や思想を越えて、多くの想いが神猫本社に集結しつつある。
　彼らの想いが残された兵力をせん滅しきるまでは、さほど時間はかからなかった。