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【節分】鬼は外、福は内、本物の鬼は内に有り
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◆
「さあ、これでお前はもう自由だ。行け行け」
四次元から取り出した少年に、山羊鬼が告げる。
自由だと告げられた少年は、しかし腰が抜けてしまっているのか一歩もそこから動かない。
そんな少年にはもはや一片の興味も示す様子すらなく、鬼は悠々と歩き出した。
目的は達した。
あとは帰りの駄賃に、他の囚えた連中を後処理してやればいい。
落神の女のフツウの暮らしは、遠からず崩れ去るだろう。
金棒で肩を叩きながら、切り株を目指して走っていく鬼。
「ようやく見つけたぞ山羊頭! 俺が相手になってやるぜ!」
その前に立ちはだかったのは、
魚塚 源三
だった。
真っ向きって喧嘩をふっかける源三に、しかし鬼は一瞥くれるだけ。
「俺はもう帰るところなんだ。邪魔邪魔」
「そういうわけにはいかねえな。てめぇが祭りをぶちこわしやがったのは知ってんだ!」
真正面から組み付きにかかる源三。
鬼は半身を引いて腕をかわし、そのまま横薙ぎに左腕を振り抜く。
見た目よりもずっと素早い一撃を、源三は咄嗟に右腕で受け止めた。
骨が悲鳴を上げる強烈な衝撃に、受けた腕が痺れる。
それでも被弾覚悟で受けを取れば、まだ耐えられる。
そして源三には『DIEハード』が――
(発動しねえ!?)
攻撃を受けたにも関わらず、『DIEハード』が発動しない。
それはつまり山羊鬼に敵意がなかった――源三を敵として見てすらいないということに相違ない。
「てめぇ……上等じゃねえか!」
痺れの残る右腕はそのままに構えを取る源三に、どこか面倒そうに顔をしかめる鬼。
その横面に、鉄棍を振りかざした
吉住 志桜里
が殴りかかった。
「おっと」
鉄棍を十手の鈎で受け止めると、鬼はそのまま鉄棍ごと志桜里の身体を放り投げる。
投げられた勢いのまま、志桜里は宙で一回転。着地と同時に構えを取り直す。
「正真正銘、人ならざるものみたいね」
ならば一切の遠慮は無用。常はたおやかに丸め込んだ目つきが、覇気を帯びて鋭く煌めく。
そんな志桜里に、源三が視線は鬼へと向けたまま問いかける。
「あんたもコイツとやりあおうってくちか?」
「ええ。まさか、タイマン張らせろなんて言いませんよね?」
「流石にそこまで空気よまないつもりはねぇぜ」
「ならよかった」
これっぽっちも退く気がなさそうな二人の様子に、鬼は小さく息を吐いた。
「いやまったく、面倒面倒」
「なら、囚われた人たちを解放してはくれないかい?」
源三と志桜里とは反対側。ちょうど山羊鬼を挟む格好で、
サキリ・デイジーカッター
が姿を現した。
「そういうわけにはいかんなぁ。無理無理」
「じゃあ質問を変えよう。何故人を捕らえるんだい? そちらの言い分があるなら聞こう」
「聞いたところで納得もせんだろう。わざわざ言って聞かせる道理もないというものだ。無駄無駄」
もう一度、今度は大きく息を吐く鬼。
産毛が逆立ち、肌がひりつく感覚がサキリたちを襲う。
「こっちの方が好みだけどね、僕も」
ダマスカスブレードを構え、『斬空赤刃』を発動。腕ごと金棒を斬り捨てんばかりの一撃は、しかし危なげなくかわされる。
正面から源三が踏み込み、志桜里が軸をずらして後に続く。
組み付きを払い除けた鬼は、鉄棍を側面から肘で弾いて金棒を一閃。
籠手で受け流す志桜里の腕に、それでもなお痺れるほどの衝撃が響く。
振り抜いた瞬間にサキリが飛び込み、金棒を狙い閃く赤光。
「おっと危ない」
瞬間移動じみた速さで持ち替える鬼。持ち替えた左腕へ、源三がすかさず組み付いた。
そのまま足元へと沈むような動きに、鬼は源三の軸足を蹴り崩す。
その刹那を刈り取る志桜里。鬼は深く身を沈め、寸前でその足を右腕で掴む。
腰に忍ばせた豆を投げつける。
「――む」
豆を受けた腕が酸を浴びたような音を立る。
顔をしかめ、鬼は志桜里をそのまま投げ捨てる。
ただ放り投げただけのさっきとは違い、志桜里は背中から樹々に叩きつけられた。辛うじて受け身を取ってなお、肺の中の空気が一瞬で空になるほどの衝撃。
投げの直後の硬直を狙い、源三が掴みかかった。
金棒の柄が頭を打ち据える。どこか割れたのか、飛び散った血が源三の視界を塞ぐ。
紅く色づいた視界の中に、源三は見た。
(こいつぁ――)
鬼の右腕に刻まれた、焼け焦げたような跡と血の滲む切り傷を。
踏みとどまり、もう一度右腕を狙う。
「しつこいしつこい」
鬼の蹴りが、真正面から腹に突き刺さる。
地面を転がる源三を踏み潰そうとする鬼の背後、サキリが金棒を狙って転移。
源三の視線が、サキリに右腕のことを伝える。
素早く持ち替え、金棒を逃がす鬼。しかしその瞬間に生じた右腕の鈍りを突き、再転移。
赤光の斬撃をいなしきれず、十手状になっていた鈎の部分が切り落とされる。
(――斬り損ねたか!)
「金棒を斬ったか――これは褒美だ、受け取れ受け取れ!」
弾丸じみた肘鉄が、サキリの額を捉える。
直撃すれば額が砕けるほどの一撃を、辛うじて回避。それでも割れた額から、鮮血が迸った。
そのまま金棒を振り上げる鬼。しかし豆が投げつけら、追撃を中断。
豆を弾いたその瞬間に、蛇が這うように低く身を沈めた志桜里が飛び込む。
「まだ元気があったか。感心感心」
豆を弾いた動きから、返す刀で金棒一閃。
籠手でいなし、肩口まで走る痺れを奥歯で噛みちぎり、鉄棍を刳りこむのは鬼の脇。人体ならば急所だが、人外相手に躊躇は不要!
半歩下がり、鬼は左腕で抱えるように鉄棍を抑え込む。
もぎ取られる前に棍を手放し、脇腹に拳を叩き込む。手応えは、ほとんどない。
すり足からの踏み込みが、志桜里の足を踏み潰す。
しかしほんの一瞬動きが鈍る。すかさず志桜里は豆を投擲、牽制。
回避と同時に竜巻のような機動で鬼は旋転。右腕の裏拳が志桜里の後頭部を、
「よそ見してんじゃねえぜっ!」
源三が割り込んだ。アバラがイカれそうな衝撃に呻くも、はっきりと『DIEハード』の発動を感じてニヤリと笑う。
「やっと俺を見やがったなぁ!」
掴む。指先を、右腕の傷へと食い込ませるように。
サキリが斬り込む、鬼は左手で源三の頭を掴み上げ、
「うおおおおっ!?」
赤刃の軌道を遮るように振り回す。
「魚塚!」
後退するサキリ。入れ替わりに、鉄棍を回収した志桜里が肉薄。
金棒と鉄棍が打ち合う。
重たい金属音が響く、一拍遅れて、金棒にヒビが走った。
『分解』による損傷をそのままに振るわれ続けた金棒が、鈎の破壊、そして鉄棍との打ち合いによってとうとう限界を迎えたのだ。
山羊鬼の般若の形相が、初めて明確に歪む。
「俺の金棒が……っ!」
「そんなに大事なら、もう少し気にかけておくべきだったね」
サキリが高速の転移を繰り返し、四方八方から連続して豆を投げつける。
豆を弾く術を失った鬼は、それでもなお豆の三次元弾幕の間を駆け抜けかわす。
しかし被弾を免れることはできず、豆を受けた肌がいたるところで焼け焦げるような音を立てていた。
(今の鬼の動き――)
そして豆をかわす動きの中に、志桜里はある違和感を見出した。
足さばきに、若干の「粘り」とでもいうべき鈍さがあったのだ。
サキリの弾幕を抜け出した鬼を、上空からの豆が襲う。
飛び退き様に空を見上げれば、そこには一羽の小鳥。
小鳥はまたたく間に木陰へ消え、かと思うと木々の合間から豆が投げつけられる。
「ぬう。こいつはさっきの――?」
そう、小枝が憑依した小動物たちだった。
森のどこかの枝の上。
眠りに落ちている小枝の本体は、寝ているのに微かに震えているようだった。
(うう、やっぱり怖い……!)
小枝はいつものんびりしていて、物事を深く考えなくて、お気楽なおばかだ。
だけど鬼が怖くないほど図太くないし、気が強いというわけでもない。
ましてやさっきの経験は、どうしようもないくらい怖い。
怖いけど、それでも嫌なのだ。
(怖いのに負けて、みんなが困るのは絶対やだ!)
だから小枝は、小さきものたちの夢を見る。
「ぼーっとしてんじゃねぇ!」
小動物に気を取られた鬼を目がけ、源三が正面から飛びかかった。
その側面から、志桜里がタックル。
足さばきの『粘り』――『スイ・マー』が残した麻痺を読んでの突進を、鬼はかわしきれない。
しかし源三と志桜里、二人を受け止めてもなお鬼は体勢を崩さない。
取り付けたなら、それで充分だった。
拳を押し当て、志桜里は『ウチデノコブシ』を発動する。
「神でも悪魔でも縮めてみせますよ、生きてる限り!」
山羊鬼の巨体が、縮小を始めた。
「ぬおおおっ!」
縮小し始めても頭を掴めるほどの鬼の両手が、源三と志桜里の頭頂部を掴む。
渾身の力で、二人の頭蓋をかち会わせる。
頭蓋に響く衝撃に、二人の意識が遠のいた。
その隙に二人を振り払い、飛び退く山羊鬼。
だが縮小した身体で無茶をしたせいだろう、源三に指をねじ込まれた右腕の傷が鋭く熱い痛みを放つ。
その痛みが生んだ一瞬を、サキリが捉えた。
空を斬り裂き、身体が密着するギリギリへ飛び込む。
その間合い、ワンインチ。
大ぶりでは避けられる。
故に放つのは、肘と手首のスナップによる最小動作、最速最短の斬撃。
鋼鉄を切り裂く赤光を、ただこの『ワンインチの赤刃』に。
「フツウを守れ、ダマスカスブレード」
赤光が、山羊鬼の身体を斬り裂いた。
「ぐおお……っ!?」
絶叫とおびただしい量の血とを撒き散らし、山羊鬼の身体がよろめく。
そして、サキリの腕を掴んだ。
「な、」
「いやまったく、ここまで繋げてみせるとはなぁ……無念、無念! この一刀へと繋いだことを、誇りに思えッ!」
鬼はサキリの腕をねじりあげ、志桜里と源三に向かって投げつけた。
そして体からあふれる血すら、目くらましにぶちまける。
「お前も、お前も、お前も、ここに至るまで出会った誰も彼も、みな覚えておこう、お前たちは……俺『たち』の敵だとな」
葉鳴りの中にそう言い残し、山羊鬼は森の中へと姿を消すのだった……。
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年08月25日
参加申し込みの期限
2020年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月01日 11時00分
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