ことのはあそび　～春隣～｜リアクション

ことのはあそび　～春隣～

●小さな雪像を作ろう

「雪が降っているね。どうりで寒いと思った」
　学校がお休みだから今日はゆっくり寝ていようと思っていた佐藤瀬莉だったが、寒さで目が覚めた。
　もしかしたら……と思い窓の外を見ると、雪が降っていた。
　家の周辺は、雪で真っ白になっていた。

　雪かきするほど雪で埋め尽くされていた外を見て、雪遊びしようと瀬莉は思い立った。
「雪合戦に雪だるま作り、他にもいろいろあるけど何をしようかな？」
　友達と一緒に遊ぶのもいいけど、たまにはひとりで遊ぼうと、ひとりでできる雪遊びを考える。
「そうだ、雪だるまを作ろう！」
　家の周辺にある雪をかき集め、まずは手頃な大きさの雪だるまを作り始める。
　まずは……と胴体になる少し大きめな雪玉を作り、その後に頭の部分の雪玉を作る。
　これ１体だけじゃ物足りないかな？　と、もう１体、作ることにした。
　今度は雪だるまじゃなくて雪の猫を作ることに。

「猫だったら、七福猫が作るのがいいな」
　恵比寿猫以外の七福猫探しに係わった縁があるので「これにしよう！」とすぐ決まった。
　最初に作り始めたのは恵比寿猫。鯛を作るのがちょっと難しかった。

「歌ったり、楽器を演奏したりで楽しかったな」
　弁天猫探しを思い出しながら、麗しいアルカイックスマイルの弁天猫を作る。

「布袋猫はサンタさんの格好に、と」
　台座代わりのソリを作ってから、でぶっとしたフォルムの布袋猫を作る。大きな袋も忘れずに。

「これには、バニーにさせられて恥ずかしい思いをしたっけ……」
　複雑な気持ちで、米俵に乗った大黒猫を作る。ピコピコハンマーで壊したい、と思ったりもした。

「寿老猫を作っている時は、懐中時計をバディにして探したなあ」
　時太郎と名付けた懐中時計は、今も大切にしている。
　またお話できるといいなと思いつつ、幸せそうに目を細めた寿老猫を作る。

「チラシと写真を頼りに探すの、大変だったなあ……」
　甲冑を着込んだ毘沙門猫は、細かい部分に大苦戦。

　最後は福禄寿猫は、土台になる亀作りから。
「動きが遅くなったり、エレキギター持ったりで大変だったなあ」
　苦労して探したことを思い出しながら、頭が長い福禄寿猫を乗せて完成させた。

「できたー！」
　７体並んだ七福猫を見て、瀬莉は大喜び。
「皆、揃っているから寂しくないよね」
　雪が溶けるまでの間だけでも、一緒にいられるといいねと微笑む瀬莉だった。

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