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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ばっひゅ～ん！ っと笑おう☆
【エスコート】
「お、大きいなぁ……！」
大海に浮かぶクルーズ船の威容には七夜 あおいも息を呑み、目をまん丸くして固まってしまいましたけれど。
「ようこそ、お嬢さま」
「あっ、修君！」
颯爽と燕尾服を身に纏う執事姿な八神 修の登場に、あおいの瞳はキラキラと輝きました。
「お招きありがとう、修君。すごい船だね、これ修君の船なの？」
「はは、まさか。いろいろと幸運が重なってね、今日一日チャーターできることになったんだ」
ピンクの風がびょう、ぶおう！ と吹き荒び、訪れたいくつものラッキー・チャンスを、修はあおいと過ごす時間のために使うことにしました。
さすがの修も定員600名、26,000トンの豪華客船を女の子ひとりのために貸切るのは容易ではなく、つまるところ神魂の影響であろうとすぐにもピンときましたけれど、であれば有効活用してもバチは当たらないことでしょう。
落神さまさま、といったところです。
「今回ばかりは、野々に感謝かな……」
「ひ、広～い！ どっちにいったらいいの、修君？」
「ああ、こっちだよ。エスコートいたします、お嬢さま」
「もう、修君ふざけて！ ふふふっ」
修の腕に手を預けて、あおいは開けっ広げに笑います。
淑女と呼ぶには庶民的に過ぎるお嬢さまは、けれど修にとっては紛れもなくエスコートすべき高貴なレディです。なにしろ今日の彼女は真紅のドレスに身を包み、いつものツインテールも自然に流して、どこもかしこも輝いておりました。
あおいはちょっぴり不安げにきょろきょろ、船上の豪奢な意匠を眺めてぽつり。
「でも修君、私こういうの慣れてなくて。大丈夫かな」
「心配ないよ。ま、言ってみれば、やることはいつもの俺たちと変わらないからな」
「それってどういう……」
あおいを導き、船室の扉をかちゃりと開きますと……ぱあっ。あおいの瞳はラメをちりばめたように瞬きます。
「キッチンだ！ 大きい……！」
クルーズ船の厨房ですからそりゃあもう巨大で、いくつも並んだグリルやオーブンは実に壮観。長大な調理台には素人目にも分かるような高級調理器具が行儀よく整列していて、食材だって色とりどりの肉・魚・野菜に果物と、目もくらむほど多種多様に取り揃えられています。
「さあ、料理でもしようじゃないか」
これからこの設備を存分に扱い、腕を振るい……まああおいのお料理の腕ときたら惨憺たるものではありますけれど、そこは置いといて。思い切り腕を振るえるとあって、あおいも踊りださんばかりに頬を緩めてこくこく、うなずきました。
日は落ちかけて、マーマレードにワインを混ぜ込んだような複雑な色模様を見せる空に、ふたりはうっとり。
出来上がった料理をデッキの一番眺めのイイ卓へ運んで、お食事タイムです。
「美味しそうにできたねー」
「あおいが頑張ったからだよ」
メニューは鶏肉と茸のミルクリゾットに、豆とトマトをふんだんに使ったフレンチサラダ。どちらかというと修が気を配り、壮絶なお味を絶妙にフォローしたからこその出来ばえでしたけれど、野暮なことは言いっこなし。ひと口食べればもちろん、
「んん～！ 絶品♪」
食べながらも会話は弾みます。学校でのちょっとした出来事から、友人を見舞った微笑ましいハプニング。先日いっしょに鑑賞した映画の感想。話題は尽きません。
「そうそう、シネマカフェのふたりから、映画を何本か借りてあるんだ。この前みんなで選んだものから、上映予定に入らなかったやつをね。ほら、『雨と踊れば』とか『エターナル・ムーンライト』とか」
「あ、私が選んだやつ！ 観たかったんだ、嬉しいな」
「後で観よう。スクリーンも大きくて大迫力だよ」
「船の中に映画館まであるんだ！ ふえ～……」
カトラリーがかちゃかちゃいうのも気になりそうなシチュエーションですけれど、ふたりの間にはちらとも緊張の色はありません。
ふたりが笑うと、ぴゅういとピンクの風が吹きました。風は船を飛び出し海を渡り、寝子島のほうへと流れていきました。
「さて、プチサプライズ」
「？」
おもむろに布をかぶったトレイを運んできた修。きょとんとしたあおいへ、ヴェールを取り去りご披露！
修お手製の、旬の薩摩芋プリンです。
「わ～、美味しそう！」
「薩摩芋、好物だったろ？ だから腕によりをかけて、ね」
「うん、好き！ ありがとう修君！」
とくん。修の胸は弾みます。その言葉が修自身へ向けられていたら、どれほどに嬉しいことか……けれど残念ながら美しくきらめく彼女の瞳は今、薩摩芋プリンにクギヅケです。
「ふふ……そうだよな」
「ねえねえ、食べてもいい！？」
「いいとも。いっしょに食べよう」
修は世界一幸せな苦笑いを浮かべ、ピンクの風はくるりと渦を巻きました。
「お、大きいなぁ……！」
大海に浮かぶクルーズ船の威容には七夜 あおいも息を呑み、目をまん丸くして固まってしまいましたけれど。
「ようこそ、お嬢さま」
「あっ、修君！」
颯爽と燕尾服を身に纏う執事姿な八神 修の登場に、あおいの瞳はキラキラと輝きました。
「お招きありがとう、修君。すごい船だね、これ修君の船なの？」
「はは、まさか。いろいろと幸運が重なってね、今日一日チャーターできることになったんだ」
ピンクの風がびょう、ぶおう！ と吹き荒び、訪れたいくつものラッキー・チャンスを、修はあおいと過ごす時間のために使うことにしました。
さすがの修も定員600名、26,000トンの豪華客船を女の子ひとりのために貸切るのは容易ではなく、つまるところ神魂の影響であろうとすぐにもピンときましたけれど、であれば有効活用してもバチは当たらないことでしょう。
落神さまさま、といったところです。
「今回ばかりは、野々に感謝かな……」
「ひ、広～い！ どっちにいったらいいの、修君？」
「ああ、こっちだよ。エスコートいたします、お嬢さま」
「もう、修君ふざけて！ ふふふっ」
修の腕に手を預けて、あおいは開けっ広げに笑います。
淑女と呼ぶには庶民的に過ぎるお嬢さまは、けれど修にとっては紛れもなくエスコートすべき高貴なレディです。なにしろ今日の彼女は真紅のドレスに身を包み、いつものツインテールも自然に流して、どこもかしこも輝いておりました。
あおいはちょっぴり不安げにきょろきょろ、船上の豪奢な意匠を眺めてぽつり。
「でも修君、私こういうの慣れてなくて。大丈夫かな」
「心配ないよ。ま、言ってみれば、やることはいつもの俺たちと変わらないからな」
「それってどういう……」
あおいを導き、船室の扉をかちゃりと開きますと……ぱあっ。あおいの瞳はラメをちりばめたように瞬きます。
「キッチンだ！ 大きい……！」
クルーズ船の厨房ですからそりゃあもう巨大で、いくつも並んだグリルやオーブンは実に壮観。長大な調理台には素人目にも分かるような高級調理器具が行儀よく整列していて、食材だって色とりどりの肉・魚・野菜に果物と、目もくらむほど多種多様に取り揃えられています。
「さあ、料理でもしようじゃないか」
これからこの設備を存分に扱い、腕を振るい……まああおいのお料理の腕ときたら惨憺たるものではありますけれど、そこは置いといて。思い切り腕を振るえるとあって、あおいも踊りださんばかりに頬を緩めてこくこく、うなずきました。
日は落ちかけて、マーマレードにワインを混ぜ込んだような複雑な色模様を見せる空に、ふたりはうっとり。
出来上がった料理をデッキの一番眺めのイイ卓へ運んで、お食事タイムです。
「美味しそうにできたねー」
「あおいが頑張ったからだよ」
メニューは鶏肉と茸のミルクリゾットに、豆とトマトをふんだんに使ったフレンチサラダ。どちらかというと修が気を配り、壮絶なお味を絶妙にフォローしたからこその出来ばえでしたけれど、野暮なことは言いっこなし。ひと口食べればもちろん、
「んん～！ 絶品♪」
食べながらも会話は弾みます。学校でのちょっとした出来事から、友人を見舞った微笑ましいハプニング。先日いっしょに鑑賞した映画の感想。話題は尽きません。
「そうそう、シネマカフェのふたりから、映画を何本か借りてあるんだ。この前みんなで選んだものから、上映予定に入らなかったやつをね。ほら、『雨と踊れば』とか『エターナル・ムーンライト』とか」
「あ、私が選んだやつ！ 観たかったんだ、嬉しいな」
「後で観よう。スクリーンも大きくて大迫力だよ」
「船の中に映画館まであるんだ！ ふえ～……」
カトラリーがかちゃかちゃいうのも気になりそうなシチュエーションですけれど、ふたりの間にはちらとも緊張の色はありません。
ふたりが笑うと、ぴゅういとピンクの風が吹きました。風は船を飛び出し海を渡り、寝子島のほうへと流れていきました。
「さて、プチサプライズ」
「？」
おもむろに布をかぶったトレイを運んできた修。きょとんとしたあおいへ、ヴェールを取り去りご披露！
修お手製の、旬の薩摩芋プリンです。
「わ～、美味しそう！」
「薩摩芋、好物だったろ？ だから腕によりをかけて、ね」
「うん、好き！ ありがとう修君！」
とくん。修の胸は弾みます。その言葉が修自身へ向けられていたら、どれほどに嬉しいことか……けれど残念ながら美しくきらめく彼女の瞳は今、薩摩芋プリンにクギヅケです。
「ふふ……そうだよな」
「ねえねえ、食べてもいい！？」
「いいとも。いっしょに食べよう」
修は世界一幸せな苦笑いを浮かべ、ピンクの風はくるりと渦を巻きました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年08月08日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年08月15日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年08月15日 11時00分
