this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
朧冬の蜃気楼/a hazy mirage of winter
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
つぎへ >>
少女が手にしているのは拳銃だ。
銃口が光る。しかし短くではなくゆっくりと、またたくように点滅する。同時にコマ送り映像を見ているように、ちかちかと火花が拡散していく。
実際に時間の流れが落ちたのではない。自分の反応速度が人間の粋を超えたのだ。
さゆるはこの感覚を知っている。
Stella cadente――『ろっこん』が発動したのだ。条件は、悪意と敵意を込めた攻撃を受けること、しかし昨夜の暴漢や『あの女』に対しては発動しなかった。悪意や敵意にもとづく攻撃ではないと判断したのだろうか。そもそも攻撃とみなさなかったのだろうか。
いずれにせよ、いまはその是非を問うときではない。
すでに銃弾は発射されている。一瞬何も聞こえなくなるくらいの轟音。
体中痛むがそれでも、被弾直前でさゆるは身をかがめた。
銃弾が頭の上をかすめていく。
しかし弾はそれが最後ではない。続けて一発、さらに一発。さらに。
さゆるは体を傾けてかわした。見当違いの一弾を見送り、つづく一弾からは飛び退いた。
何度か繰り返したが永遠ではなかった。
やがて銃からは冷たい音しかしなくなったからだ。銃弾が尽きたのだ。
さゆるは跳んだ。急迫して少女の銃を叩き落とす。
ここで能力は解除された。しかし、もう十分だった。
「ひっ……!?」
何が起こったのか理解できないらしい。少女は過呼吸を起こしたように悲鳴とも泣き声ともつかぬ短い声を上げつづけている。
「わたし、わた、わた、私……」
さゆるは少女の頬を平手打ちした。
一度で終わらせない。もう一度、強く。
「黙りなさい」
少女は両膝を雪についた。すすり泣いている。
「これ……が、三度目、いえ、もっとかもしれない……また駄目だと思った。戻っても私、やっぱり引き金を引いてた……」
「何を言っているのかわからないわ」
落ち着いて、とさゆるは呼びかけた。
嗚咽混じりに香住は語った。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい……銃は、拾ったんです。ここで。朝、電車に乗って、そしたら男の人に気持ちの悪いことをされて……それで、あの男の人が追ってきたのかと思って」
支離滅裂だが何度か聞くうち、さゆるはおぼろげながら彼女――脇坂香澄と名乗った――の語っている内容がわかってきた。
銃はこの橋のたもとで拾ったらしい。石を積んで隠してあったようだが、それが逆に目立って見つけることができた。香住は朝の電車で痴漢の被害に遭い、その恐怖と嫌悪感から、さゆるを追って来た痴漢と錯覚して無我夢中で撃ったのだという。三度目だとかまた駄目だったという言葉の意味はつかみがたいが、繰り返し被害を受けてきたという意味だと解釈すればいいだろう。
話を聞きながらさゆるが思い出したものがあった。
自分の過去と、なぜかまみ子の過去だ。
理由はわからない。
連綿とつづく香住の告白のなか、さゆるの心にひっかかった一言があった。
「私……電車であのとき、何もできなかった。何もできない人間だと思った……生きていても仕方がないって……」
さゆるは喜怒も哀楽も表にしない。透明な表情のままで、言った。
「何もできない……か。なら、何もできない人間、無駄なことばかりやってる人間のサンプルを教えてあげる」
そうしてさゆるが明かしたのは、自分の過去だ。昨夜の件も含めて。説明するのに自分の体も見せた。
「判った? 何もできない人間、無駄なことばかりやってる馬鹿な女……それがあたし」
どさっと音がした。
目の前が真っ暗になってはじめて、自分が倒れたことをさゆるは知った。
さゆるが目覚めたのは病室だった。
救急病院だ。壁の時計を見ると、おおよそ丸一日が経過したのだとわかった。
――あの子が119番通報したらしい。
看護師が検診に訪れ、入れ替わりに制服姿の婦人警官と、私服警官なのだろう、古びたコート姿の初老の男性が入ってくる。
「はいはい、いいかな? お話聞かせてもらって」
柔和な表情で初老の刑事は言う。
自分の事件のことを訊かれるのかと思ったが違った。
「発砲事件があってね。銃を撃った子、いたでしょう? はい、何発も撃ってね。よく当たらずに済んだ」
「怪我をした人でも?」
流れ弾が当たったのかと思った。
「いいえ誰も。ただ、あれだけ撃ったものだからさすがに注目を集めてね、通報があったんですよ。はい」
つまり香住は逃げたということだ。ただ、銃で誰一人傷つけなかったというのはいい知らせだと言えるだろう。
話しておくべきだっただろうか、銃を始末する方法を。
けれども自分で考えて、できれば香住には出頭してほしいとさゆるは願う。銃による被害者がいないのであれば、罪は軽くなるはずだから。
短い問答を経たのち、もう少し眠らせてください、とさゆるは刑事に告げた。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
朧冬の蜃気楼/a hazy mirage of winter
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月22日
参加申し込みの期限
2020年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!