【星幽塔】第一階層　グレムリン・パニック！｜リアクション

【星幽塔】第一階層　グレムリン・パニック！

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　sweep∽sleep店内のグレムリンが全部KOされたのと同じ頃、寝子島に送っていた箒たちも無事に帰ってきた。
グレムリンによる騒動は、ひとまず終わりと見ていいようだ。

「皆さん、ありがとうございました、僕だけでは、きっとこんなにうまくいきませんでした」
「軌跡の君と皆さんが頑張ってくれたおかげです。私からもお礼を言わせてください」
　手伝ってくれた四人に向けて、チェスとノエルはお礼を言った。
　壁や床が濡れたり、テーブルがひっくり返ったりしたものの、物的被害はそのくらい。特に、魔道具の損壊はゼロで済んだ。
怪我もあったが、それも深刻なものではなさそうだ。
「さて、僕達はこれから片付けもしないといけませんので――」
　待った、とティオレ。
「手伝うわよ。片付けも人手は要るでしょ。私が散らかしたぶんもあるし」
「私たちも手伝います！　ね、メリィちゃん！」
「うん、あたしたちも手伝うよー！」
「俺も手伝うぜ。……ついでに、ちょっと魔道具見せてもらいたいし」
「皆さん……ありがとうございます！」　
結局、全員で後片付けと掃除をすることになったのだった。

◆
掃除と片付けを進めながら、「そういえば」と蒼留人はチェスに問いかけた。
「この鏡って、もともとあんな物騒なのか？　色々反射してたけど……」
　言いながら台座に立て掛けたのは、星の鏡である。
　確かに攻撃を反射したりしていたし、どっちかというと反射系の盾みたいにしか見えなかった。
「ああ、この鏡はですね。本当は、離れた場所の様子をランダムに映し出すものなんです」
「へえー……」
　そう聞くと、いかにもって感じの代物である。それが暴走すると攻撃反射マシーンになるんだから、世の中わからないものだ。
「せっかくですから、少し見てみますか？」
「いいのか！？」
もちろんですと微笑んで、チェスは星の鏡を本来の方法で使用してみせた。
鏡の表面が波打ったかと思うと、やがてどこかの光景が映し出される。内装から察するに、商店だろうか。
「おお、ほんとだ。すごいな……ん！？」
　一瞬ちらりと鏡の中に映ったものに、蒼留人は思わず変な声を漏らしてしまった。
「どうしました？」
「い、いや、なんでも」
　首を振る蒼留人の額には、いやーな汗が浮かんでいた。
なんか今、鏡の中にほのかに薔薇の香りのする本が見えたような。
気のせいだ、気のせい。そう信じたい蒼留人だった。

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