今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

￥サンマさん像×３

「大きい雪だるまは皆行くだろうし、まずは壊しやすいのから解体していくよ」
　真白が走った先はサンマさん像だった。
「まずはサンマさん像だ。細長いし壊しやすそうだよね」
　真白はダイナミックにシャベルを振り回した。
「シャベルをフルスイングしてぽっきりへし折っちゃえ！」
　サンマさん像は見事に真っ二つになった！
「うわあ……；」
　近くでマンボウくんが恐怖に震えながらその様子を見ていたが、真白は気にしない。
「あっ、お宝発見！」
　見事お宝を掘り出した真白、中身はお汁粉券だった。
　
　理緒と紗月も別のサンマさん像に向かった。
　ガシッ！　ガシッ！
　二人はシャベルで根元にガシガシと切れ込みを入れていく。
「ギャー」
「……何か誰かの悲鳴が聞こえたような」
　紗月が言うが、夢中でシャベルを使う理緒には聞こえなかったようだ。
「そう？　気のせいじゃない？　傾いてきたわ、押し倒すわよ！」
　ドターッ！
「ギャー！」　
　サンマ像に倒した際に積もった雪が舞い上がって、思わず理緒は叫んでしまった。
「ひゃっ！　……って誰よ、今のギャーって声？」
「や、やっぱり」
　倒れて崩れ落ちたところからお宝を探すはずが、サンマさんは崩れなかった。だが表面の雪が崩れ、中から何か出てきた。
「お宝？」
「待って、理緒ちゃん、これ……」　
　雪像の中から現れたのは、本物の寝子サンマさんだった！
「聞いてないわよ！　ドッキリカメラ？」
「むしろオレ様のほうがドッキリだぜ！」
　凍り付いたサンマさんは、命からがら雪像から脱出して、賑やか大好き仮面を見失いきょろきょろしている風紀委員たちに声をかけた。
「そこの人たち、助けてくれ～。冷凍サンマになっちまう」
　サンマさんは無事保健室に運ばれ、猫鳴館の食料にならずに済んだ。
「ハズレだったわね、今度こそ！」

　まうが、残ったサンマさん像の足元にバシバシスコップを叩き込んだ。
「倒れる方向にも注意しないと」
　倒れたサンマさん像からうまく身をかわし、まうは雪の中から何かを掘り出した。
「菓子折り……寝子饅頭？　後で猫鳴館のみんなと食べよう」
　中を確認して、嬉しそうに微笑む。