今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

￥お年玉＆お年賀争奪戦、参加者募集！

「おっしゃー！　この冬一番の稼ぎ時だぜ！！」
　猫鳴館の自治会長、近石簾は拳を突き上げた。
「とりあえず難しいことはよくわかんねーけど楽しかったらそれでいいんじゃね！」
　だが、喜んでばかりはいられない。
「寒すぎたら暖まれるように、毛布とか魔法瓶とか味噌汁とか……」
　おおらかで熱血バカに見られる簾だが、一応、ちゃんと考えている。
「まゆちゃん先生や先輩方に頼んで手伝ってもらって準備しておこっと。や、ホントいいもんもらっても風邪引いたら意味ねーからな！」

「そこの可愛いお嬢さん！　お年玉争奪戦に出てよ！」
「はぁ？」
　水上桜は、いきなり猫鳴館のＯＢにつかまり、あれよあれよという間に雪中お年玉争奪戦に参加させられることになった。
「あら、桜ちゃんも出るの？」
「まゆ先生！？」
　おまけにそこには水泳部顧問の相原まゆ先生が。
「グラウンド貸し出し責任者として監督することになってるの。せっかくだから今年も出ようと思って」
　そう言われると、なんでそんなものに！　とは言いづらくて。
　まゆ先生が一緒なら仕方ないか……と、桜は参加を断れなくなったが。
　ＯＢが水着を持ってきた。
「水着はいろいろあるから好きなの選んでね」
「はぁ？　ただでさえ寒いのに、露出度高めの水着を着せられる羽目になるなんて……それくらいなら自前の水着着ます」
「言っとくけど露出度が低いと減点だよ」
　だが、ＯＢが用意した水着はスリングショットやらブラジリアンやら……要するに、明らかに露出度が高すぎるものばかりだ。
　それならば、と思い桜が持ってきたのは今年の寝子高のミスコンで着たもの。
「自分で着られる程度の露出度はこれが限界よ」
　そこまで露出度が高くはないし、可愛いデザインが気に入っている。
「いいわね、桜ちゃん♪　それじゃあたしも……って、あら？」
　水着を出そうとしたまゆ先生が声を上げた。
「またあたしの水着がない！」
「えーっ？」
　まゆ先生と一緒に出るはずが、一人での参戦となってしまった。

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