今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

　サンマさん像を壊した真白は、次は普通の雪だるまに向かった。
「突き崩していく感じで解体していこう。お宝さえ見つけちゃえば完全に解体しなくても大丈夫だよね。どんどん削れー」
　作業中は、寒いか寒くないかと言われればやっぱり寒い！
　ガタガタ震えるし歯もガチガチいっているが、我慢して発掘作業をする。
「でもこれも全部お宝のため、寒さなんかに負けるものかー」
　普通の雪だるまを解体しつつ巨大雪だるまの方をちらちら見る。
（巨大雪ダルマが完全解体されそうになったら私もそっちに参加しよう）

　普通の雪だるまの半分くらいを壊した桜。
　最初は寒かったが、身体を動かすとそれなりに身体も温まってきたので、むしろ汗ばんできた。
「とはいえ、寒いのには変わらないし、汗が冷える……」
　その後もがくがく震えつつ、雪だるまを片っ端から破壊していく。

　まうも、小さい雪だるまへ向かった。
「そうだ……まうまうも呼ぼう」
　まうのろっこん『まうまう只今増殖中』は、まう自身を１体召喚できるのだ。
「まうまう……来れる？」
　呼ぶと、当人ほぼそのままの水着姿のまうがもう一人現れた。
「寒かったらごめんね。スコップ貸すよ」
　増殖したまうは、寒そうにしながらスコップを受け取ったが、首をかしげる。
「まうはどうするの？」
「まうは……素手で掘る。道具なしで掘っちゃだめって言われてない……！」

「俺はー！　乾布摩擦だと思やいける！！！　けど！　女子大丈夫かまじで！？」
　簾は女子たちを気遣っていた。
「あんまし寒そうだったら手助けとか、先輩呼んだりすっからな！」
　そう言った簾は、素手で掘り出したまうを見て驚いて声をかけた。
「無茶すんな、しもやけになるぞ！　先輩方、シャベル借ります！」
　用意してあった予備のシャベルを取ってきて、まうに渡すのだった。　
「ありがと……あっ、水着……まゆ先生の？」
「えっ？！」
　まうが広げたビタミンカラーのビキニから、簾は目をそらす。
「先生、どうぞ……」
　まうはまゆ先生の元に水着を渡しに行った。
「ありがとう、助かったわ♪　寒くない？　無理しないでかまくらで暖を取るのよ」
「でも……暖まったららもうもどれなくなる」
　首を振り、まうは戻っていく。
　あとちょっとで普通の雪だるまはなくなるのだ。

　マンボウくんを保健室に届けた理緒と紗月も戻ってきた。
「大きな雪だるまに加勢しようか。あ、でも紗月はもう休んでいいよ」
「……もうちょっと理緒ちゃんと頑張る」

「今こそ勝負の時！」
　理緒と紗月が戻ってくるのを見て、真白は大きな雪だるまに走った。　
（きっとそういう奥の方に大当たりがあるはず、漁夫の利を得るのだー）
　皆が力を合わせ、巨大雪だるまを掘る！
　ボスッ。
　雪の中にダンボール箱が見えたかと思うと。
　バラバラバラ……！
　オレンジ色の物体がたくさん上から転がってきた。
「みかん？」
　皆がみかんの雨に気を取られているとき、真白はそれを見つけ、手を伸ばした。
「お年玉ゲット～！」
　ポチ袋を開けると１万円札が出てきた。
「やった～！」
　寒さも忘れ、真白は飛び跳ねた。　

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