今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

今年も！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

　佐和崎紗月と初瀬川理緒は、図書館で受験勉強しに行く途中だった。
　が、怪しい男たちにいきなり囲まれてしまった。
「あ、怪しいもんじゃないよ。僕たちは猫鳴館のＯＢさ。いきなりだけど、お年玉争奪戦に参加しないか」
「お年玉争奪戦……」
　紗月はこのイベントのことは知っていた。
（露出度の多い水着で雪の中宝探しなんて……冗談じゃないわ）
　断ろうとしたけれど。
「ゲン担ぎになりそうね！」
　理緒はノリノリだった。
（もうすぐ大学受験だというのに──いや、受験間近だからこそ、プレッシャーが半端ないのよね。これをはねのけるためにも、やはり息抜きは必要）
　……そう、勉強嫌いな理緒は紗月と合格するために受験勉強に耐えてきたものの、フラストレーションがたまりにたまって爆発寸前なのだった。
「紗月も一緒に参加してくれるよね？　そう時間はかけないから」
「……うん」　
　気が進まないけど、大好きな理緒にそう言われては付き合うしかない、と紗月は思う。
「無理はしなくていいよ？　あたしは暑さ寒さに耐性があるし、一度は雪の積もったスキー場でビキニになったこともあるし、ＴＶのバラエティでこの種の企画に参加したこともあるけど、紗月は……」
　その言葉を聞いたOBたちは、まじまじと理緒を見つめた。
「えっ君、可愛いとは思ったけどもしかしてグラドルじゃない？」
「うん、撮影はしないでね。事務所がうるさいから」
「大物参戦だ！」
　OBたちが大はしゃぎするのを、紗月は半分呆れた気分で眺めていた。
「水着は自前のにしようよ。ミスコンの時のビキニ」
　理緒はそう言って、二人は水着を取りに行くのだった。

　
「今年もやってきたお年玉争奪戦。お年玉を絶対にゲットしてあげるんだから」
　何事にもポジティブだが調子に乗りやすい白真白は、お年玉ゲットする気満々だった。　
「どの水着にしようかなー」
　ちょっと迷ったが。
「どの水着でも寒いことには変わりはないしということで、このマイクロビキニで参加だよ！」
　腕章をつけた風紀委員たちが遠巻きに目を光らせていたが。
「風紀委員なんて知ったことかー、お宝が大事なのー」
　真白は気にする様子もない。
　

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