古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦｜リアクション

古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦

　司会の楡宮遠海の声が、第一ラウンドの終了を告げる。
「これにて第一ラウンドは終了となります。選手の皆様、お疲れ様でした。取った札の集計に入ります……」
　選手や観客たちは、校内放送で発表される各チームの持ち点に耳を傾ける。いわば中間発表だ。「取った札数マイナスお手付き数」が持ち点である。

桐野正也・志波武道・高梨煉の「万国騎士」チームは、８枚。
佐和崎紗月・初瀬川理緒・串田美弥子の「姫君の茶話会」チームは、６枚。
佐藤英二・雨宮草太郎・野々ののこの「水戸黄門」チームは、５枚。
森篠琳子・大橋尚・野々ののこの「寝子島水軍」チームは、４枚。
そして、巫部紫苑・響タルト・御剣刀のチームは、８枚だった。

　試合の合間の休憩時間も、楡宮遠海は重たい十二単の裾を引きずりながら、忙しく動き回っている。彼女が心がけているのは、司会者が邪魔にならないようにしつつ、大会を盛り上げることだ。合間の時間には、選手やスタッフへのインタビューもしたい。
　まず、大会冒頭のエキシビションマッチを戦った二人にインタビューだ。遠海はまず勝者の八重崎五郎八にマイクを向けた。
「歌留多倶楽部の新旧部長対決、すごい迫力でしたね！」
「ありがとうございます。あわよくば、前部長と新部長の対決が、来年以降のかるた大会の恒例になったらいいな、なんて考えてました。最後にすべて出し切れてよかったです」
　一方、惜しくも敗れた大田原いいなの方は、試合でかなり消耗したらしい。
「……とてもお疲れの様子ですね」
「うう、第一ラウンドの実況もあったから……。早く『たぴおかどりんく』飲んでのんびりしたーい！」
「以上、歌留多倶楽部のお二人でした」
　会場の雰囲気が和んできたところで、遠海がインタビューを締めた。