this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
心残りを食い尽くせ!
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
●お話、伺いたいですなぁ
窓から差し込む光も手伝って、火を使っている調理場は、暑い位だ。
露骨に日差しを避けて逃げ回っていた骸が、とうとう逃げ場を無くして腐乱死体のように転がった。
哀れんだ雅人に、お茶とお汁粉お供えされているのは、ご愛嬌。
そしてその瞬間も、あちらこちらで焼かれた餅がぷうっと膨れて、そのたびに歓声が上がっていた。
しかし日菜は、おろおろと周りを見回していた。
「わ、だんだん膨らんできた。……えっと、これ、どれぐらい焼いたら完成なんだろ。……て、うわわ、どんどん膨らんでく! え、これどうすればいいの!? もう火からおろしていいの!? だ、だれか助け……!」
焼くだけなら、母親がするのを見ていたし。
そのくらいなら、私にも問題なく出来るだろう、と。
日菜はそう、たかをくくっていた。
しかし料理と言うものは、なかなか理屈通りにはいかない難敵なのである。
初心者であればなお更。
彼女が毎日描いているスケッチブックの世界には、まだまだ及ばない。
いやでも、ここだけの話。そういう女の子の反応もイイよね?
なんというか、かわいい。是非、そのままの君でいて。
筆者の母も言っていたよ「やっだぁ~、出来なぁいっ」って言っとけって。
そう、人は素直に「無理wwwサポシwww」って言える位が丁度いいのだ。
……なんていう事を、言う人間にはならないでおくれ。
「落ち着け。問題無ぇ……餅ってのは膨らむモンだ」
侑の監視を解き、戻ってきた庚が言うのを遮って
「わはは、膨れっ面がトシコそっくりじゃの!」
手を叩き、餅を指差して笑いながら。
ひときわ大きく囃し立てた声の主。言わずと知れた、トシゾー爺さん。
小学生の男子ですか、あなたは。
あちゃー。
無神経なその言動に気になって、そっと様子を伺ったトシコの顔は、本当にぷうっと膨れていて。
いけない、とは思いつつも。肩を震わせて笑うしかなかった。
好きなものを食べさせてもらえない、トシゾーのストレスを少しでも和らげてあげたい。
そんな思いから、
森 蓮
は行き場を無くしたトシゾーの愚痴を、聞いてあげることに決めていた。
蓮自体は、普段から簡素な生活と粗食をよしとしており、とにかくたくさん食べたいというトシゾーの気持ちの根の部分は、理解しづらい面もあるのだが。
この老人が今、憂えているのはわかるつもりだ。
それに誰かに話したい事を話し、気が収まれば、きっと冷静に考える事も出来るだろう。
「人生経験豊富なご老人から、話を伺える良い機会です」そう言って、穏やかに微笑む彼であったが。
トシゾーの話は本当に最初は愚痴ばかりで、しかもお年寄りの例に漏れず、耳が遠い。
自分が聞こえないものだから、声はつい大きくなる。
トシゾーにはそのつもりはないだろうが、至近距離からの会話は怒鳴られるのと変わらない。
鼓膜がわんわんする……。傾聴は一種の苦行だった。
しかし、その程度で心折れる彼ではなかった。
「お餅が本当に、お好きなんですね!」
トシゾーに聞こえるよう、大きな声で。蓮は未だ小山となっているダンボールを示した。
「そうじゃな! 今年は孫が受験で帰って来んかったから、随分余ってしもうたが」
おや。
「お孫さんが、いらっしゃるのですね! お二人とも、暮れに会うのを楽しみにしておられたでしょうに。それは残念でしたね……!」
あれ程の量の餅が、子供一家が帰省したところで片付く事はあるまいが。
それでも。トシゾーは自制が利かなくなる程はしゃいで、心待ちにしていたのだろう。
自分が大好物のお餅を、子や孫にもお腹一杯食べさせてあげたくて、たっぷりと用意して。
頷く蓮に、トシゾーはふと首を傾げた。
「ところで君は食わんのか? せっかく餅があるのに!」
「お気遣いありがとうございます。私は、宗教上の理由で、肉や魚は食べれないのです……」
申し訳なさそうに俯く蓮だが、トシゾーはお構いなしだ。
「餅は米じゃろ。ダシは昆布で取ればええ! おーい、トシコ!! この子に、雑煮のスープ作ってやってくれんか」
雪平鍋を振り回して、妻を呼ぶトシゾー。
自分のために腰の悪いトシコを働かせたくなかった、蓮は慌てる。
「わ、私にはお構いなく!」
しかしトシコは、一緒に雑煮を作っていた、
本宮 虎治
や
逆巻 天野
をともなって、こちらへやって来た。
虎治は、トシコが転ばぬよう手を貸し、軽く背中を支えている。
天野は一旦動けば元の場所に戻る事が大儀になるトシコのために、率先して鍋や具材を運搬中だ。
虎治は蓮にとって、猫鳴館での先輩にあたる。
強面の虎治が、トシコからのレクチャーを受け、蓮のために昆布でダシを取り始める。
水の量や昆布の量を、一つ一つ尋ねる時も、虎治はトシコに見えやすいよう、必ず鍋を下に持って行った。
大好きだった祖母の身長を、いつからか遥かに追い越してしまって。
亡くなるまで、自分の祖母にしていたように気遣いを見せる。
トシコはそれに、こくりこくりと頷いて。
その光景に祖母の面影と陽だまりの縁側を思い出し、虎治はふと昔に戻ったような気持ちになる。
「動物、食えないんだったよな?」
「はい……。いえその、自分で作ります。先輩にやって頂くなんて申し訳ないですから」
「婆ちゃんの厚意だ、素直に受けとけよ」
苦笑いと共に、虎治は蓮の頭をポンポンと叩き、天野も同意した。
「君が誰かの役に立ちたいように、皆も誰かの役に立ちたいと思っているんだよ。どんなに年を取っていても、それは同じだよ」
天野の声に、トシコは陽だまりの中、おおらかに笑っている。
振り返ればトシゾーも、トシコと寄り添うように立ちながら、同じように笑っている。
少し、打ちのめされた。
年を取って、出来ない事が増え。
これまで誰かを支えていたはずの自分が、誰かに支えられるようになる。
それはともすれば、自分はもう誰にも必要とされないんじゃないか。
そんな不安を老人達に抱かせる。
変わらないのだ。若くても、年老いても、人間の本質というものは。
夫婦は、何だかんだで島の生活は長い。
「いくら餅が多いつっても、近所に声掛ければ、問題なく消費出来ただろ?」
鍋を見つめたままで、虎治。
いや、鍋ではなく。右手の数珠を見ているのだ。
それは虎治の祖母の形見で大事なお守りだった。
お婆ちゃん子だった虎治には、わかる。
少し遠まわしな、トシコの優しさが。
「トシゾーさんもよ。文句言ってっけど、トラック出して、俺達とここまで餅を運んだんだぜ?」
「トシゾーさんが?」
これには蓮も驚いた。
その時のトシゾーの様子を思い出したのか、ほんの少し髪を揺らし、天野はくすりと微笑む。
トシゾーは文句を言いながらも、行動は早かった。
「遠慮なく頂こうよ。結局、さ。お二人は、見たかったんだ。お腹一杯食べて、幸せそうに笑う子供達を」
だから、食べさせてもらえないと知っていても、トシゾーはまだここにいるのだ。
「あああー!! ワ、ワシの餅っ~~~!!!」
……思ったことがすぐに口をついて出るのは、性分だから許してやってくださいね?
「ホホホ、すみませんねぇ。うるさい爺さんで」
皆さん、気にしないで、たーんと召し上がれ。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
心残りを食い尽くせ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月24日
参加申し込みの期限
2012年12月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!