FINYALFANTASY7 RE Ep.1「骨太の少女」｜リアクション

FINYALFANTASY7 RE Ep.1「骨太の少女」

【任務完了】

　かくして、その後、マッスルアーム家の前で合流したタケミチとカタナは無事にフジコを家に送り届けることに成功した。
　フジコは二人に父のソウタロウを紹介するといった。
「パパよ」
「ほっほっほ。うちのフジコを助けてくれてありがとう」
「「似てなっ！？」」
　思わず叫んだ二人の何でも屋は、それからソウタロウの厚意で夕食をごちそうになることになる。

　その様子を、カーサはハルくんの目を通して、遠くからこっそりと見守っていた。
「ふう。なんとかなったか」
　ひとまずほっと安堵する。
（でも、なんだかうちの社員もたくさん街にいたし……嫌な予感がする……かも）
　胸の内にわだかまる予感に、カーサは今後もひそかな調査を続ける決意をする。

　ゲンゾウとセイヤは帰路に着いていた。
「へっへっへ。ガキども可愛かったなぁ」
　任務は失敗に終わったが、ゲンゾウは満足そうだった。
「子供達の可愛さについては否定しませんが……おや、シュンスケさんから通信だ。え……お尻に気をつけろ……？」
「おっと、危ねぇ！！」
　刹那、セイヤに背後から襲い掛かる黒い影を、ゲンゾウが強烈な拳で吹っ飛ばした。
「……た、助かりました」
「いいってことよ。それにしても、なんだありゃあ？」
　二人はうーんと首を傾げる。
　よもやそれが神猫本社の地下に繋がれたオカマの身体の一部とは、思いもしない二人だった。

　リューキは灰色猫のぬいぐるみづくりに挑戦していた。
「神猫のおにーさんたち、やさしかったねぇ。でも、ケガをしていた人達もいたねぇ」
　リューキは遊んでもらったお礼に、「かいふく」のマテリニャで傷をいやしてあげたことをふと思い出していた。
（フジコおねーさんを探していたことと、何か関係あるのかねぇ）
　あまり深くは考えなかった。
　リューキは、今度フジコに詳しいことを聞いてみようと思いながら、ゆっくりと作業を続けた。

　ユズハは小さなアパートで、相棒のBOPに語り掛けていた。
　彼女には、ある力がある。
　アビリティ――「あやつる」。小さな盗賊型ロボットのBOPを自在に「あやつる」ことができるユズハにとって、BOPはただのロボットではない。
「そうだね、BOP。君との思い出を守るためなら――僕はどんなことでもやってみせる……！」
　言葉静かに語る彼女の瞳には、ひどく悲壮な決意の光に満ちていた。

　マサトはシュンスケに進捗を報告をしていた。
「ええ。仕掛けは全て揃いました。あとは火をつけるだけです」
『オーケ。ごくろうさまだよ、と。じゃあ、あとは然るべくタイミングで』
　肯定し、マサトは通話を切った。
　通信機を投げ出し、ベッドに寝転がる。
「……俺は元ソルニャー。嘘は言っていない。今はソルニャーの任務からは外れているのだから」
　誰にとでもなく呟き、目を閉じる。
　いずれ――仕掛けは大きな火種となり、神猫の地位はより確固たるものになるだろう。
　その然るべく、タイミングを逃さないために――。
　マサトは静かに深い眠りについた。

To be continued...

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あとがき

担当マスター：水月鏡花
ファンレターはマスターページから！

というわけで、ご参加いただいた皆様お疲れ様でした。MSの水月鏡花です。

今回は、ほとんど勢いと思いつきで企画したシナリオに、温かなアクションをお送りいただきまして、本当にありがとうございました。

自分で言うのもなんなのですが、かなりヒドいパロディであったにも関わらず、こうしてたくさんのPCさんにご参加頂けましたことをとてもうれしく思っています。

さて、次回は、骨太の少女（？）が「ニャールマーケット」というあやしい街を仕切るおじさんの嫁にされてしまいそうになるお話です。ええ、原作をプレイ済みの方にならわかるあのエピソードのパロでございます。

必然的に、今回よりも『さらにヒドい話』になる予定ですので、悪しからずご了承いただけますと幸いです。

公開は、今月末か来月頭にはできたらいいなーと思ってます。

ではでは、最後になりましたが、「らっかみ！」に関わる全ての皆様に、深い深い感謝を。

また、どこかのあとがきでお会いできることを祈って。

水月鏡花

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