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- 00月00日生 00歳
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【８周年記念】ドレミファソラシド、８つの音の精を探せ！
●キャットロードでショータイム
シーサイドタウンを東西に貫く商店街『キャットロード』のほど近くでテオの声を聞いたのは神野 美野梨。
「芸術には無縁な暮らしをしているけど、このままじゃまずいわね」
四男「ファ」の精・フレディは、キャットロードのどこかで人間観察をしているという。
「彼の興味を引くような人間がいれば、姿を現してくれるかもしれないというわけね」
いわゆるリケジョな美野梨は、自分で言うのもなんだが変人さにかけては自信がある。
それに美野梨には猫や鳥と念話できるというろっこんもあった。
それだって傍からみれば変わった人に見えるに違いない。
ちょうどよく通りかかった三毛猫がいたので＜友との語らい＞でレッツトーク。
『変わった人を見かけたら教えて？ 人を観察しているらしいのだけど』
すると三毛猫は、
『あっちに面白いことをしてる人がいたよ』
と美野梨を先導するように歩き出す。
ついていくとキャットロードの片隅に人だかりができている。
そこにいたのはロボットのようなぎこちない動きでパントマイムをする鴻上 彰尋だった。
技術のいることで簡単ではないが、彰尋はなかなか様になっている。
両手でぴたぴたと見えない壁を触ってみたり、ぶつかって倒れてみたり。
くるりと傘を取り出して、差そうとする瞬間に傘に連れて行かれそうになったり。
今度は鞄を持とうとするけれど、その鞄がなかなか動こうとしなくて運べなかったり、逆に急に動き出して振り回されてしまったり……。
やれやれとおどける表情が豊かで、音がなくても、観客の笑いを誘う。
そうしながらも彰尋は、フレディが気にして近づいてきてくれはしまいかとあたりに気を配っていた。
そこにやってきたのは仮面をつけた愉快なエンターテイナー、綴 柚枝だ。
「や、似たようなことを考えた人がいたなんて。せっかくだ、一緒にやらせてもらえないかな？」
柚枝はこの事態に困っていた。
柚枝と言えばヴァイオリンなのに、そのヴァイオリンが弾けなくなってしまったのだ。
しかし、彼はいっぱしのヴァイオリニストであった。
（一流のヴァイオリニストはステージ上で弦が切れて音が出なくなっても決して慌てない。エンターテイナーはどんな状況でも人を楽しませることが出来る。たとえ今は音がなくとも、音楽の記憶は皆の頭と心の中にあるんだから）
それならば……パントマイムみたいにリアルなエアヴァイオリンを見せたらどうか？
そう考えて動画配信のときに使っている仮面とマントを纏い、このキャットロードへ現れたというわけだ。
彰尋は、柚枝を自分の隣に手招いて、観客に向かって身振り手振りで、拍手を、と促す。
柚枝は芝居がかった口調で恭しく口上を述べた。
「これより始めまするは音のない演奏会。
本日の演目はあなたの思い出の曲、忘れられない曲。
さぁ、ごゆるりとご清聴下さい」
柚枝は弓を構え、実際に演奏する時と同じように真剣に弦を走らせる。
音はない。けれど柚枝は信じていた。
（大丈夫。たとえ今は音がなくとも、音楽の記憶は皆の頭と心の中にあるんだから）
その通りだった。
まるで音が聞こえるかのようなパフォーマンスに彰尋も感嘆し、音のない演奏に動きを合わせる。
柚枝の音楽に対する情熱と覚悟、彰尋の演技に対する情熱と覚悟が、観客に伝わった瞬間だった。
「素晴らしい……これをブラボーと言わずして何をブラボーと言いましょう」
羽音のような拍手の音が聞こえ、「ファ」の精フレディが姿を見せた。
美野梨がすかさずフレディを捕まえる。
「あなたを探していたの。一緒に来てくれないかしら？」
「ううむ、もっと人間を観察したいのですが」
「興味深い対象を見るとじっとしていられない気持ち、よくわかるわ。でもあなたたち兄弟がバラバラになったせいで音がなくなってみんな困っているの。それに、兄弟のこと心配でしょう？ コンラッドさんは兄弟を探している途中に狭いところから出られなくなっているらしいわ。あなたが行ってあげないと」
「そうですね……わかりました」
（よかった。しっかりものだというフレディさんを説得出来なら、ほかのみんなも集められそうだわ）
美野梨は胸を撫でおろす。
パフォーマンスを終えた柚枝と彰尋もいっしょになって今後のことを相談した結果、他の兄弟も見つけ出し次第、長男のコンラッドがいるという寝子島神社に集まるよう、連絡を回そうということになった。
「他の兄弟も、同じように頼もしい人たちが見つけてくれるはずだよ」
彰尋はそう言ってフレディを安心させた。
「この調子で皆見つかるといいな。あ、俺が演奏動画配信しているチャンネルもよろしくー」
柚枝はちゃっかり自分の宣伝も忘れなかった。
シーサイドタウンを東西に貫く商店街『キャットロード』のほど近くでテオの声を聞いたのは神野 美野梨。
「芸術には無縁な暮らしをしているけど、このままじゃまずいわね」
四男「ファ」の精・フレディは、キャットロードのどこかで人間観察をしているという。
「彼の興味を引くような人間がいれば、姿を現してくれるかもしれないというわけね」
いわゆるリケジョな美野梨は、自分で言うのもなんだが変人さにかけては自信がある。
それに美野梨には猫や鳥と念話できるというろっこんもあった。
それだって傍からみれば変わった人に見えるに違いない。
ちょうどよく通りかかった三毛猫がいたので＜友との語らい＞でレッツトーク。
すると三毛猫は、
『あっちに面白いことをしてる人がいたよ』
と美野梨を先導するように歩き出す。
ついていくとキャットロードの片隅に人だかりができている。
そこにいたのはロボットのようなぎこちない動きでパントマイムをする鴻上 彰尋だった。
技術のいることで簡単ではないが、彰尋はなかなか様になっている。
両手でぴたぴたと見えない壁を触ってみたり、ぶつかって倒れてみたり。
くるりと傘を取り出して、差そうとする瞬間に傘に連れて行かれそうになったり。
今度は鞄を持とうとするけれど、その鞄がなかなか動こうとしなくて運べなかったり、逆に急に動き出して振り回されてしまったり……。
やれやれとおどける表情が豊かで、音がなくても、観客の笑いを誘う。
そうしながらも彰尋は、フレディが気にして近づいてきてくれはしまいかとあたりに気を配っていた。
そこにやってきたのは仮面をつけた愉快なエンターテイナー、綴 柚枝だ。
「や、似たようなことを考えた人がいたなんて。せっかくだ、一緒にやらせてもらえないかな？」
柚枝はこの事態に困っていた。
柚枝と言えばヴァイオリンなのに、そのヴァイオリンが弾けなくなってしまったのだ。
しかし、彼はいっぱしのヴァイオリニストであった。
（一流のヴァイオリニストはステージ上で弦が切れて音が出なくなっても決して慌てない。エンターテイナーはどんな状況でも人を楽しませることが出来る。たとえ今は音がなくとも、音楽の記憶は皆の頭と心の中にあるんだから）
それならば……パントマイムみたいにリアルなエアヴァイオリンを見せたらどうか？
そう考えて動画配信のときに使っている仮面とマントを纏い、このキャットロードへ現れたというわけだ。
彰尋は、柚枝を自分の隣に手招いて、観客に向かって身振り手振りで、拍手を、と促す。
柚枝は芝居がかった口調で恭しく口上を述べた。
本日の演目はあなたの思い出の曲、忘れられない曲。
さぁ、ごゆるりとご清聴下さい」
柚枝は弓を構え、実際に演奏する時と同じように真剣に弦を走らせる。
音はない。けれど柚枝は信じていた。
（大丈夫。たとえ今は音がなくとも、音楽の記憶は皆の頭と心の中にあるんだから）
その通りだった。
まるで音が聞こえるかのようなパフォーマンスに彰尋も感嘆し、音のない演奏に動きを合わせる。
柚枝の音楽に対する情熱と覚悟、彰尋の演技に対する情熱と覚悟が、観客に伝わった瞬間だった。
「素晴らしい……これをブラボーと言わずして何をブラボーと言いましょう」
羽音のような拍手の音が聞こえ、「ファ」の精フレディが姿を見せた。
美野梨がすかさずフレディを捕まえる。
「あなたを探していたの。一緒に来てくれないかしら？」
「ううむ、もっと人間を観察したいのですが」
「興味深い対象を見るとじっとしていられない気持ち、よくわかるわ。でもあなたたち兄弟がバラバラになったせいで音がなくなってみんな困っているの。それに、兄弟のこと心配でしょう？ コンラッドさんは兄弟を探している途中に狭いところから出られなくなっているらしいわ。あなたが行ってあげないと」
「そうですね……わかりました」
（よかった。しっかりものだというフレディさんを説得出来なら、ほかのみんなも集められそうだわ）
美野梨は胸を撫でおろす。
パフォーマンスを終えた柚枝と彰尋もいっしょになって今後のことを相談した結果、他の兄弟も見つけ出し次第、長男のコンラッドがいるという寝子島神社に集まるよう、連絡を回そうということになった。
「他の兄弟も、同じように頼もしい人たちが見つけてくれるはずだよ」
彰尋はそう言ってフレディを安心させた。
「この調子で皆見つかるといいな。あ、俺が演奏動画配信しているチャンネルもよろしくー」
柚枝はちゃっかり自分の宣伝も忘れなかった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年06月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年06月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年06月16日 11時00分
